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さらさらと流るるときもふつふつと沸き立つときも我が心なり 悲の記憶に襲はれ黙す吾に気づき運転席より夫は手を延ぶ 何も聞かず何も語らず左手で我が右の手を夫は包めり たちまちに温かきもの流れくる手に腕に胸に我が身すべてに 右を向きて夫の横顔見つつ吾も声に出せじ感謝の念を 2011年9月 詠 初出:『橄欖』2011年12月号