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学校に来れて幸せ。脳腫瘍を抱えた桜ちゃんの話。③

前回までの記事はこちら。


ある日、おばあちゃんから

着替えやオムツを預かった。

え?

着替えとかしてもいいんですか?

お母さんに確認すると

よいとのこと。

じゃあ、やります!


それからオムツを変える生活がはじまった。

個別教室に畳をひいた。

桜ちゃんを抱えてゆっくりと下ろす。

桜ちゃんを寝かせて

服を脱がせてオムツを変える。

昔、妹たちのオムツを変えていたことを

思い出した。


だけど、あるときから桜ちゃんは

トイレやってみる。

と言い出す。

お母さんに尋ねると、それもよいとのこと。

へー!

ということで

寝かせてオムツ替えという日々は

早々に終わりを迎えた。


それからは

車椅子をトイレのそばに設置。

私が抱えてトイレに座らせる。

ようをたせるようになった。

桜ちゃんは自分でできたことが

嬉しかったようで

迎えにきたおばあちゃんに

できた!と嬉しそうに報告していた。


それからしばらくすると

桜ちゃんはつかまり立ちをしはじめる。

自分で車椅子から立ち上がり

支えを伝ってトイレへと腰を下ろす。

いつの間にか

私が何も手伝わなくても

トイレを済ませることができるようになった。



教室でみんなと一緒にさようならの

挨拶をするときだった。

みんなが一斉に立ち上がったとき

桜も。

と言って

彼女はすっと立ち上がった!

そしてみんなに合わせて

一礼をして座った。

突然のことで私はびっくりした。

みんなもびっくりしてこちらを見ていた。

礼のあと、みんなが寄ってきた。

え?桜ちゃん立てたの!?
すごいねーー!!

とっても嬉しそうな桜ちゃんだった。


もしかしたら自力で歩行できる日が

来るのかもしれない。

歩行器具を

どこかで借りることはできないものかと

私は考え始めていた。

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