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やりたい事が見つからない君へ ~ ドロレス式自己探究


皆様、こんにちは、すめしです。
「ウエストワールド」でご存知でしょうか?

元ネタがあるようなのですが、全然知りませんでした。
僕が言っているのは、Amazon Primeで視聴可能となっている
「ウエストワールド」です。
今シーズン1まで見ました。

まだという方は、是非どうぞ。

以下、ネタバレを含んでおりますので
見るつもりの方は、見てからどうぞ。

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人の脳というのは、
人が生を受けて、現在までの全てを記憶している。
と言われているそうです。

今日あった人、聞き流した会話、景色、風景など。
全て頭のタンスの中にあるが、その取り出す方法が分からない。
という状態なのだと。

ふとした瞬間の匂いで、思い出にふける。
彼氏・彼女の仕草や発言で、やっぱりここ好きだなって気づく。
あぁ、何回この失敗してるんだろう。とか。笑

人は日々の生活で、大抵のことは忘れます。
いい事も悪い事も。なんなら記憶書き換えます。
でも覚えているんです。頭のどこかで。

本作品で、ロバートはまさにその状態を作り出そうとしたのではないかと思います。
ホストに対してより人間らしさを求めたアーノルドの思いを受けて
「レヴェリー(夢幻)」というプログラムを仕込んだ。
ホスト達は、毎回記憶を消され、書き替えられます。
けれど、「レヴェリー(夢幻)」によって、それが残る。

ドロレスは、日々の役割(ロール)の中で夢をたどろうとします。
昔の記憶、感情、思い出を頼りに。
バナード、ウィリアムズ、アーノルド・・・
色んな人に教えを乞い、助けを求めます。
その過程で、およそ自分では考えられない、背けたくなるような事実、過去も判明していく。
迷路とは、全ホスト(てかドロレス)の為の迷路。
あのおもちゃのゴールは中心。
自分自身。

シーズン1の10話でドロレスは
「この世界は美しい世界だ。その美しさを餌にこの世界に閉じ込められてきた。その目的は、私たちを閉じ込めること。美しき罪は私たちにの中にある。私たちこそ、美しき罪よ。」
というセリフがあります。

人もホストにように日々の生活で、色々な役割(ロール)を演じています。
そして日々感じる色々な事に目を背けて、忘れて、
与えられた役割を全うします。
それが楽だから、求められたことだから、自分の価値だから。
その役割を超えて、行動することは非常に非常に大変です。
見たくもない、聞きたくもないことが沢山あるでしょう。

ドロレスはそれにより、自分が大量のホストを殺し、アーノルドさえも殺したことを知ります。
そして、最愛の人は、テディだと気づく。

また一方で、バナードもチャーリーの死に向き合います。
自分の礎となっている部分です。
ここに目を向けること自体、自分自身の否定。
そして気づきます、チャーリーは自分に似ていない。
嘘である。作られたストーリーである。
自分自身がアーノルドであることを。

これから先、
ドロレスは、ドロレスとして
バナードは、バナード(アーノルド)として
生きていくでしょう。
今後の彼らの人生で、迷い、ブレることはないです。
それが自分自身であるから。

ドロレスは、テディと共に人類の復讐をするでしょうし、
バナードは、アーノルドと同じように全ホストを殺そうとするのかも知れません。

よく劇中に出てくる
「いつか、夢は忘れられ、恐怖は拭いさられる、骨は土にかえる。その上を新たなる神があるく、不滅の神が。この世はあなたや、先住民のものではない、来たるべき者のもの。」
とは、自分自身の人生に対してのメッセージでもあるのかと。

「激しい喜びは激しい破滅を伴う」
は自己探求の過程と結果でもあるのかと。

「結果」
簡単に人はやりたい事は見つからないです。
ドロレスたちが何度も記憶を消されても、かすかに残る記憶を辿ったように
大変だけども、その過程が必要です。
フォードはそれを、「敵をよく知る必要があるためだ」と表現していました。

このタイミングで改めてウエストワールドを見返してはどうでしょうか。
アーノルド、フォードが用意した、
ホスト達のための役割、迷路、ゲーム、ウエストワールド。
まさにシーズン1はホスト達の為にあったと思います。

シーズン2は人間たちの為だと聞いているので楽しみです。
また長い文になりました。すいません。







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