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2014年 オリックス・バファローズ(2位)

2021年から3連覇しているオリックス。1996年の日本一以来長い暗黒期を経て3連覇を達成したわけですが、その中でも優勝に限りなく近づいたシーズンはありました。特に2014年は80勝しながら、首位ソフトバンクと勝率2厘差で優勝を逃したシーズンでした。この年のオリックスを振り返ります。


13年オフ~14年開幕まで

この年は入退団が活発でした。まず退団でいうと李大浩がソフトバンクへ移籍、バルディリスがDeNAに移籍、ホセ・フェルナンデスの退団とチームを支えた外国人が相次いでチームを去りました。
一方補強としてはFAでソフトバンクから山崎勝己を獲得。さらに同じくソフトバンクからW.M.ペーニャを獲得しています。また巨人を自由契約となっていたかつてトレードで放出した谷佳知、そして後藤光尊を放出して楽天からかつての首位打者・鉄平を獲得。さらに西武を自由契約になっていたエステバン・ヘルマンも獲得
ドラフトでは即戦力指名が目立ち、上位で1位でJR東日本の吉田一将、2位で富士重工業の東明大貴を獲得しています。ちなみに現在のオリックスの正捕手・若月健矢はこの年の3位指名です。

スタッツ

野手陣

2014年 オリックス・バファローズ 野手陣

補強組に注目してみるとペーニャが主に4番に座り32HR、90打点という活躍を見せました。32HRはリーグ3位、90打点はリーグ2位タイの成績でした。
また当時36歳の年齢面が懸念されたヘルマンは141試合に出場して規定到達。さらに30盗塁も記録しており、これはチーム内最多盗塁の糸井嘉男の31盗塁に次ぐチームナンバー2の記録です。
現有戦力でいうと糸井嘉男が打率.331で首位打者、出塁率.424で最高出塁率を獲得する奮闘ぶりを見せると、主に5番を打つT-岡田が24HRと前年の4HRから大幅に成績を伸ばしていました。

チーム打率は.258とリーグ2位、チームOPSも.717とリーグ2位。得点数は584とリーグ3位の成績でした。この年のオリックスは63失策でエラー数はリーグ最少でした。

糸井嘉男 当時銀次(楽天)と熱い首位打者争いしていたことを思い出す

投手陣

2014年 オリックス・バファローズ 投手陣

この年は投手陣も素晴らしかったです。
まずは金子千尋が16勝で最多勝、防御率1.98で最優秀防御率を獲得して沢村賞のタイトルも獲得。リーグ2位ながらパ・リーグのMVPも獲得しています。この年の金子はK-BB%が20%を超えていてとても素晴らしい数値となっています。
この年は金子、西勇輝、B.ディクソンが規定到達。西勇輝も12勝と二桁勝利を達成。ディクソンは負け越しながら9勝を挙げています。
この他では松葉貴大が8勝1敗と貯金を作り、即戦力期待の吉田一将、東明大貴もそれぞれ負け越しながら5勝しています。
救援陣は岸田護、馬原孝浩、比嘉幹貴、佐藤達也、平野佳寿の5人が55登板以上をする奮闘ぶりを見せました。
馬原は32H、比嘉は62登板で防御率0.79で7勝しており、佐藤は67登板で防御率1.09で42H(48HP)を記録して最優秀中継ぎを獲得しています。
そして平野佳寿は6敗を喫しながら40Sを達成して最多セーブを獲得しています。

金子千尋 実は巨人戦で9回ノーノーを達成するも味方の援護なく終わった試合があった。
もしそこで1点でも取っていれば金子はノーノーも達成していたしオリックスも優勝していたかもしれない。

10.2決戦(シーズン振り返り)

この年はシーズン序盤から絶好調だったオリックス。4月は7連勝と5連勝を記録して18勝6敗と大きく勝ち越します。以降は勝ち越しを作りながらシーズンが進んでいき、交流戦を巨人、ソフトバンクに次ぐ3位で終えます。
7月中盤までは首位の座を守っていましたが、その後ソフトバンクの猛追を受けて首位陥落。ここからオリックスとソフトバンクの熾烈な優勝争いが始まります。ソフトバンクの勢いもとんでもなかったですがオリックスも負けじと食らいつき9月25日には2位ながらマジック7が点灯。
そして迎えた10月2日、ヤフオクドームでのソフトバンク戦。
首位のソフトバンクは77勝60敗6分、2位のオリックスは78勝61敗とゲーム差なし、勝率も1厘差という僅差でした。
ソフトバンクにとってはこの試合で勝てば優勝、オリックスにとってはこの試合で勝利して優勝への望みを繋げたいところ。先発はオリックスはディクソン、ソフトバンクは大隣憲司でした。
2回裏、ソフトバンクは細川亨の犠牲フライで先制するも、オリックスは代打の原拓也が同点タイムリーヒットを放ち、その後は馬原、佐藤、平野の継投でソフトバンクを0点に抑えます。
しかし10回表、オリックスが好機を逃すとその裏に登板したマエストリが乱調。1アウト満塁で松田宣浩を迎えます。ここでオリックスは比嘉幹貴をマウンドに送り出します。そして1ボール2ストライクとなった4球目。松田はそれを打ち返し、打球は左中間へ。ランナーの柳田悠岐がホームに帰ってきてオリックスはサヨナラ負け。ヤフオクドームが歓喜に包まれる中、捕手の伊藤光が動けず、同僚捕手の山崎勝己に抱えられベンチへ。ベンチで顔を覆い泣く選手もいました。
森脇監督は「まだ決着はついていない」とCSでソフトバンクへのリベンジを誓いましたが1stステージで3位の日本ハムに1勝2敗でまさかの敗退。ソフトバンクにリベンジを果たせぬままオリックスの2014年は終わりました。

巻き返しの狙って

あと少しで優勝を逃したオリックスですがこれで2008年以来のAクラス入り。来年こそは優勝するべくフロントは大型補強を敢行。まずはマイナーリーグから帰ってきた中島裕之を獲得。さらに日本ハムからFAで小谷野栄一を、DeNAからT.ブランコと広島からバリントンの両外国人を獲得。さらに金子千尋を引き留めることにも成功。約30億円をかけた補強と現有戦力で2015年は優勝を掴む  はずでした…

2015年 オリックスのポスター
あれからもう9年だが今もオリックスにいる人のほうが少ない


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