ユヌス・エムレの詩 「あなたを愛したせいで」

愛の渇きに焼き焦がされても、私は歩き続ける
愛は血の泪で私を染め抜く
正気を保つことも、狂いきることもできない
ああご覧よ、あなたを愛したせいで
 
あるときは風のように吹きすさび
あるときは塵のように這いまわる
あるときは洪水のようにあふれ出す
ああご覧よ、あなたを愛したせいで
 
私の思いは水のように流れ続け
心は山のように沈み込む
師を想って泣き続ける毎日
ああご覧よ、あなたを愛したせいで
 
手を握って ここから出して
できないなら せめて傍に引き寄せて
泣いたり笑ったり あなたのせい
ああご覧よ、あなたを愛したせいで
 
歩いて歩いて彷徨い続け
師を讃えたくても言葉足らず
故郷からも遠く遠く離れてしまった
ああご覧よ、あなたを愛したせいで
 
ライラを愛したマジュヌーンのように
風で巻き上がる塵の中に見た気がして
起き上がれども心には悲しみだけ
ああご覧よ、あなたを愛したせいで
 
哀れなユヌスをごらんなさい
頭から足の先まで傷だらけ
愛する者の手のなかで彷徨い続ける
ああご覧よ、あなたを愛したせいで

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