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地獄旅 1-4 宮城 気仙沼とBRTの話

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ついに気仙沼に着きました。この旅の一応の目的地です。とはいえ、特別になにか目当てがあるわけではないので、「シャークミュージアム」を目指します。現地で調べた感じ、現地まではここから路線バスを選択するのがよさそうですね。

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気仙沼駅は、ホームの半分が鉄道、そして残り半分がBRT用の道路という少しふしぎな構造をしています(写真に大きく人物が写り込んでしまったのでプライバシー保護のため異次元化処理が施されています)。

こちらはgoogleマップで見た航空写真。駅の半分がホームになっている構造がよく観察できます。「斎藤商店」側の黄色い帯状のディテールは、BRT専用道と一般道の接続箇所ですね。

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さて、ここで新交通システム「BRT」についてのおさらいです。

3.11の未曾有の津波被害から復興する際に、鉄道の代わりに導入されたBRT…要は「強化版路線バス」といった存在です。鉄道時代に使用されていた駅施設や線路跡をBRT専用道として有効活用しつつ、車時代になって国道沿いに繁華街が移動しちゃったエリア、鉄道復旧のメリットが少ないエリアでは一般道を普通のバスとして運行するというなかなか大胆な乗り物です。乗っているとふしぎな気分になる。また、ルートが線路に縛られないことで、津波災害発生時にはバスごとルートを離れ高台に避難してしまうといった離れ業も可能となるわけです。

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実用交通機関としては、交通系電子マネーの採用で分かりやすく統一された利用方法、BRTが今どこまで来てるか確認できる機能の実装、旅人にも嬉しいスマホ用USBコンセントの提供といった最新設備が採用されている所がチャームポイント。これから経済圏が縮小していく日本の地方公共交通機関の一つの未来像を示す存在と言えましょう。君もBRTに乗ってライバルに差をつけろ!青春18きっぷで乗れるからよ…

※雰囲気も完全に路線バスなので、あまり旅行気分で写真撮ったり人と会話したりとかはしにくい感じになります。

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話が長くなったな。駅前のサメモニュメントでも見てリラックスしてくれ。

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オオオーッ三陸の海を切り裂く鋼鉄のプレデター!シャーク号!!

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いかにも気仙沼!って感じのバス停で降りて少し歩くと、そこは観光船のりばを擁したマリーナや観光ホテルがいくつも並ぶ観光都市でした。あれ…なんだか伊豆や沼津、大洗めいて思った以上に拓けているな…もうちょっと秘境めいているのかと思ってた。全くなんも調べないで来ているので、きのう滞在してた宮古のような場所を想像していたのです。というわけで、ただの観光ガイドになっちゃいそうな箇所の写真はあまり残っていません…今回の旅程、ちょっと失敗したかも。金沢カレーの後に食った湯葉って感じで、味が失われてしまいました。

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マンホール写真は別腹よ。素晴らしい密度感と華やかさ。最近デザインマンホール増えてますけど、色つかってないやつのほうが鋳鉄の魅力があって好きです。アニメキャラとかもこの重量感で見てみたいなあ。

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船がいっぱい。境港を思い出す。

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アーイイ…こういうのが見たくて現地に行くのです。

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バルバスバウだ!バルバスバウだ!(船の前方下の丸いでっぱり)

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シャークミュージアムは、まあパネル展示とかがメインなんで、こんなもんかな…サメ生体が鑑賞したい人は大洗水族館がおすすめです。

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BRT南気仙沼駅へ。この都市は基本的に観光ホテルしかないと判明した以上、長居は無用です。ここで足止めを食う事態は避けたい…だいぶ仙台に近づいてはきていますが、基本的に首都圏以外の終電は非常に早いため、安全確保を意識して動きます。

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ちなみに余談ですが、宿のアドリブ確保に関しては内陸・山岳地が一番危険です。かなり大規模な都市以外はビジネスホテル・シティホテルがないため、そもそも夜になってから宿をアドリブで取るという行為自体が不可能となり、変な場所に夜~深夜にとどまっていると野宿コースが確定してしまいます。高い安いの問題じゃなくて、フロント含めてみんな寝ちゃうの。そんなとこ、夜にウロウロしてるひと本当にだれもいないもん。

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これは別の旅の話になりますが、「飯田線に早い時間から乗ってみよう」と思い、考えなしに終電で行ける限界ギリギリの辰野駅まで行った時の話。

駅で降りてはみたものの、使える宿どころか朝まで長居できそうな所が駅近辺のどこにもありません。結局、最後はスマホの懐中電灯を頼りに中央道の辰野PAまで歩いて行き、小雨のなかベンチで始発を待つことになりました。この頃が一番地獄の旅をしていたね。

地方の高速道路のSA/PAには、「ぷらっとパーク」と称し、下道利用者も休憩施設としてSA/PAを活用できるように小さな駐車場と出入り口が設けてあることがあります。辰野で電車を降りたのは、これを最後の頼みの綱として考慮しておいたからなのです。ぷらっとパークの存在を覚えておくと、運転免許がなくても自転車移動中にSA/PAの雰囲気を楽しみながらトイレ休憩を取ったりできますし、牧之原BSなどでは高速路線バスを待っている間牧之原SAでゆっくり休息できるため体力を温存できますよ。活用しましょう。

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長い余談をしている間に、すっかり日が暮れてきた。伸びる影と追いかけっこをしながら、BRTは進みます。途中の柳津駅まで着た所で運転手さんが「トイレ大丈夫ですか?行きたかったらここですませてくださいね」と声をかけてくれました。こういう所も運行に柔軟性のあるバスらしいスタイルですね。親切でありがたいことです。

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前谷地駅に到着。ここで再び旅路は鉄道網となります。アイヌ由来の地名だそうで、北海道までアイヌの生活圏が後退していった途中の時代のなごりを感じさせます。(諸説あります)

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まあ寂れてるんだけど、光の具合と相まって良い風合い。ビンテージ街。

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さあ、都市へ向かおう。

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勝手知ったる仙台駅!基本的に東の旅では仙台、西の旅では名古屋。この2都市は、新幹線や深夜バスで一気に距離を稼ぐパターン以外ではひたすら何度も経由逗留する重要拠点となるので、必要に応じて定宿を定めておいたり、100円均一の場所を把握しておくとよいでしょう。東の雄・杜の都こと仙台はJR駅前に一大繁華街を構え、高めながら宿は数多く飲食店も多彩。この手の都市としては夜間のガラの悪さもほどほどなため、非常に開拓しやすく、そして過ごしやすい街となっています。首都圏からの深夜バスの価格も際立って安く本数も多いため、旅初心者にもお勧めです。ダライアスバーストアナザークロニクルが現役稼働中で遊べるゲームセンター「プレイランド エフワンR」が駅チカにあるのも好印象です。活気があっていい店ですぞ。

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仙台名物、「魚臭いメロンブックス」方面の風景です。EBeanSも見えますね。仙台の妙な所にばかり詳しくなって君も地元っ子から変な目で見られよう!

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ピンクの看板、さくら野百貨店跡地。

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あ、ドーミーインが部屋開いてるじゃん!めずらし。取っちゃえ。

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というわけで、きょうの旅程はここまで。

今回はメインの目的をもう達していますし、最後の一日は帰宅&寄り道編って感じです。多少日程が押しても、新幹線に乗れば2時間程度で必ず東京まで戻れる事が確定していますから…次で今回の旅は最終回。高級のり弁を片手に、弁当が食べれる場所を探して右往左往したお話です。

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…こっそり最後にドーミーインの夜鳴きそばたべちゃお。

これが無料サービスは嬉しいよなあ、うめえ、うめえ…

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