見出し画像

地獄旅 10-3(終) 大船渡 海岸線は長かった

前回の!地獄旅!


■永浜の宇宙タコ

岩手県道9号沿いを南下してて、ふと寄り道をしました。
現場事務所、堤防、そして荒れ地。
5年ほどの旅の中で何度も見てきた、東北の海辺の風景です。

ここは岩手県大船渡市、永浜。だいぶ宮城も近づいてきた。
バス停に書かれているのは、鹿踊(ししおどり)の絵のようです。
この絵では、鹿踊に特徴的な「ヤクトミラージュのツインタワーめいた巨大背負いもの」がないので初め気付かなかった。


【参考写真】これは宮城県の「鹿妻駅」で取った鹿踊のモニュメント。
こういうのを背中に背負ってます。実際は、もっとくねくねとしなる鞭状の何かです。
別の旅の際に撮影したものなので【参考写真】って書いてみました。
しかし、こういうデフォルメの彫刻だと本当に怪獣かロボットだな。

話は戻って。
特にお店や休憩ポイントがあるわけではないけど急遽この地に立ち寄ったのは、県道9号から海側のほうにへんなものが見えたからです。
異常に鮮やかでカラフルな…タコ滑り台???
稲荷穴のときもそうだけど、変なものが見えたとき確認に戻れるところは車の長所ですね。気になってしょうがなくて、Uターンできる所を探して、側道に降りて…
というわけで、戻ってきたムイムイが見たものがこちら。

ウワーッ!なにこれ!

地球外タコ滑り台!?宇宙たこ…スペースタコなのかい!?
なんか…でも、生き物的なんだけど、生き物らしい頭などの構造を感じさせません。ヒラムシとか、そういう怪しい生き物のような…

この角度から見ると色も造形も本当にダイナミックで超かっこいい。
夕暮れ時の海みたいなイメージなのかな…色がすごいきれい。
明らかに必要性を超えて写真を取りまくっている。

よく状況を観察すると、見た目とはまた別の違和感が生じてきました。
このA型バリケード…この遊具で遊べないように封鎖してあるのか?
それにしては、あまり本気でガードしている様子には見えません。
タマゴの殻の貼り絵のように細かく割って張り合わせたタイル張りの質感、滑り台として使ったらおしりが痛くなりそうにも見えます。
遊具?作りかけの噴水かプールかなにか?岩手星人の遺跡…???

今回の地獄旅ログ執筆のために調査したところ、どうやらこの「作品」は原田ミドーさんという北海道の彫刻家の方がデザインを手掛けた復興モニュメント…という事のようです。実際にモニュメント製作に関わられた方のブログに経緯やその制作風景、当時のこの地域を巡る状況や空気感がよく保存されていますので、こちらも併せて読まれると面白いのではないかと思います。

ストリートビューでは一部2013年当時のスナップショットも残ってた。
もともとタコ滑り台があって、表面仕上げや配色で彫刻化したもの…ではなくて、被災時の廃材を元に全体が彫刻として設計されたもの…ぽい感じかしら。見た目はタコ滑り台の親戚筋だけど、いろんな点でやっぱり遊具とは違う文脈の異次元存在なのかもしれない。

■大船渡・盛 さんまラーメン!

このあたり、スマホの不調により写真がちょっと少なくなっています。

てな訳で、一枚撮ってはスマホを休ませ、一枚撮ってはスマホを休ませ…

人間のほうも、休み休みです。そろそろお昼どき、どこかご飯を食べられるところを見つけなくては。とりあえず、盛駅前のショッピングモールっぽいところに車を停車。スーパーでの買い物と近隣の様子見を済ませます。

ご当地ヒーロー、デザインかっこいいの多い気がする。

葡萄液、そのへんで普通に売ってるのうらやましいなあ。
瓶もすてきだし味もうまい。

あっゲーセン 寄ろう 寄らなくては。

ファイナルハロン2だ。思ったよりはゲーセンしててよかった。
さすがにビデオゲームはなかったかもしれない。

しかし、店内はごはん食べれるところはフードコートだけっぽい感じ?
駅周辺も特別変わった店がある感じではないような…そもそも、街道ぞいの街って感じで車を落ち着いて停めておけるところもあまり思いつかない。
少しは海っぽいものでも食べたいし、盛の駅前だけ軽く見て回ったら大船渡まですこし移動しようかな。


盛駅。いつもはBRTへのノータイム乗り継ぎとかが発生してるから、この街歩いたことってない気がする。大船渡のほうがご飯食べれるところが多いのかな?

BRTと鉄道の両方のホームが並んでる風景、いつ見てもふしぎ。
左の道路はもと線路があった場所。震災後、線路を敷き直す代わりに「車両は路線バスだけど基本的に鉄道として扱うからそのつもりで!」みたいな路線バス「BRT」の専用道になりました。
モータリゼーション等で郊外の国道沿いに生活の拠点が移り、鉄道と駅前がゆっくり滅びていく…日本のあちこちで見る風景。そんな時、BRTは都合よく「私は路線バスですので…」みたいな感じでその区間は一般道を走り、バス停の再配置でルートを変更できるのです。駅の方が街にあわせて移動できちゃう。災害で一部ルートが通れないときも、一般道を迂回して対応しちゃう。車両はバスなので、線路に縛られない運用ができる。
鉄道のほうが旅のロマンはあるけど、鉄道の面影が色濃く残るターミナル駅ではこういう珍妙な雰囲気が味わえて楽しいです。青春18きっぷも適用されるので、みんなも乗ろうね。


ぺたんぷ。

三陸鉄道とJRの両方の駅があるから、観光スタンプも倍集まる。いいぞ。

イラストだ。

駅にはイラストが掲示されていました。このへんの駅では時々見る。
雰囲気的に傑作選的な駅ノートの抜粋なのかな。義足ガールズ。ロボ?

こちらのカワイノスキーさんの描かれたもののようでございます。

そして、カワイノスキーさんの投稿より芋づる式にもうお一方も判明。駅ノートというのも、一つの「界隈」を形成しているんだな…恋し浜のノート、カップル以外にも駅メモのファンも絵とか描いてたんだ。もうちょい、ちゃんと読んでみてもよかったかも。義足の女の子は、駅っ娘さんによる「BRTとして再生された鉄道の擬人化表現」だったようです。

一度くらい、どこかの駅やゲーセンのノートに自分もしっかりめの絵でも描いてみようかしら?
遠い昔のゲーセン店員の記憶で、「その場所の本来の業務を離れたところで長居する人が増える状況」ってその場にあまりよくない気がして、ついなるべく要件だけを手早く済ませたくなってしまうのですよね。

なんか気になる人形。


大船渡駅。気仙沼でもラプラスを見た気がする。ポケモンのマンホール多いな。ポケふたってんだっけ。

ダイナミックなかもめと奥に見える船。大胆で凝った構図。いい意匠。

女性自身の店!

ウワーッおしゃれ魔女!!!!ラブ&ベリー!!!!

大船渡のほど近くに魚市場があるらしいので。

こういうとこは食堂がある事が多いのだ。
もっとも、週末はやってないかもしれないけれど。

レストランだ!ようやくめしが食えそうだぞ。

GW初日、どうやらお客さんが大量に来ていたようです。「刺身・鮮魚類は完全に売り切れ。ほとんどのメニューが完売、ラーメンくらいしかないけどそれでもよければ…」お刺身が食べたかったお客さん達は、並ぶのを諦めてどんどん他のお店を探し移動していきました。

(フフフ…素人どもめ、ここではラーメンこそが狙い目。妖しいメニューだらけのラーメン軍団の中でも、特にこの「さんま担々麺」こそが、本州ナンバーワンのサンマの水揚げを誇る大船渡港の真のご当地メニューよ…)

それはそれとして順番待ちはしないといけないみたいなんでかっこいいホヤの写真を見たりして待ちます。

ミニミュージアムが魚市場にくっついてるの。

謎めいた漁具がどんどんでてくる

特にこの「メカブカッター」が響き的にお気に入り。必殺技だね。

ちなみにこれが「さんま担々麺」です。担々麺って辛いんじゃないの・・・?ってびびってたけど、ここのは辛くなくてごま味噌ポタージュって感じでとてもおいしかった。当然さんまもうまい。これは頼んで正解だった。コメと味噌汁、珈琲がついてくるのもありがたい…

きょうはごはんと味噌汁おかわりしてもいいのか!!

結果的にいい昼飯になった。ここでぼんやりしていたい…けど、移動を再開します。出勤の日までに帰らないといけないし、ギリギリになると体力も集中力も低下して危ないから。

■最終日恒例 地獄の大脱出

海辺の消波ブロック製造風景。現地生産の商品です。

震災遺構を眺め、気仙沼を通過し、60kmほど走って久々の休憩ポイント。

う。

もう施設が閉まり始める時間。

あっオクタンだ オクタンだいすき オクタンほう覚えさせよう

古代のウンコが展示されています。

モアイ。なぜに。(イースター島と姉妹都市かなんかなのかな)

モアイみくじを引きます。

地味な結果…

ミルちゃんとメン子ちゃん…こいつはご当地アイテムの匂いがするぜ。

めっちゃでっかくて薄べったいかりんとう売ってた。「甘いイカ姿フライ」って感じのふしぎ食品。
(スマホの不調で買った直後の写真が保存できてなかった。車中泊してるときに存在忘れてて上に乗っかって割っちゃった。)

だんだん仙台の都市圏に近づいてきた。女川・石巻に回ろうかと思ったけど、かなり疲労がたまってきたので追加で片道30分くらい増えそうな行程はやめておこうか。今日はどこに泊まろう…

アイコンだらけでしっちゃかめっちゃか。震災で内陸寄りに移住した石巻民が大国道沿いの便利さに目覚め、結果として一大繁華街が誕生している。そういう感じ。

松島!車で来るのは初めてだ。即通過。

仙台みそおにぎり食べて、コンビニの駐車場で少し休憩…

…この後、仙台市内に突入した結果激しく道に迷い混雑する駅周辺をぐるぐる回るはめになりました。結局、高速に乗って一番初めに発見したPAに逃げ込むはめに。もう施設なんもやってない…でも、これ以上運転したくない…疲れた…

壬生PAみたいな、下道からも道の駅として使える施設なのかな。なんか神社とかある。

あれこれ見て回る余裕もない。寒い。トイレ行きたい。車のなかのゴミ捨てたい。体が冷える、カレーが食べたい…

お手洗いにいたウマ息子…

このへんは「銘菓ブルーインパルス」とか「銘菓ロボテス」とか過激なお菓子が多いな。

…外が明るくなってきた。3時間くらいは、寝れたのか?寒い。

■エピローグ

ようやく知ってるとこまで来た。ゾンビ状態だ。ここで仮眠しよう。

その前に…

カレー…どうしてもいま、カレーが食いたいんだ…

命の水(押している間、抽出されます…)

ペヤングせんべい…2時間ほど寝てスッキリ。

途中で下道に降りました。GWの高速道路、大渋滞が発生しがちだし、サンデードライバーが増えて怖い運転の人も多いので…(あとで常磐道でかなりハデな事故があったらしいと聞いた。やっぱりな…)

のんびり~。気持ちいい道が多いな。でも休憩できるところも少ない。

あっセコマだ!そうかここは茨城県か!

というわけで、突然ですが北海道になりました。いい旅のしめくくり。


最後の最後に…この旅で一番インパクトのあるものを発見したのです。
ナビの地図上に変な地名を見かけたので、近くをウロウロ…
地名がよくわかる、なんかいい感じのランドマークがないものか…

ウワーッ!(終わり)












結局カレー食べたりなくてもう一食食べちゃった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?