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5. バックヤード 次の日、私たちはステージの下にいた。 待ち合わせ場所だ。 ステージの上では目立つので下にした。 ステージの上では小さい子供達が、 はしゃいで走り回っている。 私はもうすっかりステージの上で、 はしゃぐ子供ではなくなっていた。 なんせ今から仕事の面接をするのだ。 すっかり大人だ。 でも私はステージの上で、 はしゃぐ大人に憧れている。 「おー真田!早いやんけ!」 私は学校を半分サボったので、ずいぶん前からここに居た。 いつも通りステージの近
第4話 応募の電話 「もしもし、はいはい・・・」 母の声が聞こえる。 「おーい!なおきぃ!お友達から電話ー!」 受話器を受け取った。 「おー真田か。バイト見つかってん。 その話がしたいねんけど今、外出れる?」 「出れるで。どこに行ったらいい?」 「今、お前の家の横の公園におる。すぐお前んちに行くわ。」 「おー。俺もすぐ下に降りるわ。」 私は家を出た。 重い重い金属の家の扉を閉めた。 公団の団地の2階が現在地である。 階段で下まで降りて、公園側に歩いた。 中