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ボクニハトモダチガイナイ

幼稚園児だった時、友達はいなかったような気がする。
麻生先生がかわいくて優しくて大好きだった。

小学生だった時、形式上の友達はいたような気がするが、。誰一人顔を覚えていない。
満田先生には色々怒られたなぁ。

中学生だった時、仲間が少しいたような気がするが、。友達ではなかったと、思う。中二病全開だったし。
て、それは関係ないか。。

高校生だった時、どうだったのだろう。記憶に霞がかかっている。3年間男子クラスだったせいだろうか。

大学生になった時、友達ができた。いつも二人でつるんでいた。ずっと友達だって、思ってた。

大学を2位の成績で卒業した友達。優しかった友達。言葉遊びが好きだった友達。ロシア語を専攻してたから、ロシアっぽいニックネームで呼ばれていた友達。

ある日、友達の長崎の実家に遊びに行った帰り、一人特急の座席で缶ビールを開けた。友達との別れが寂しくて一人泣いた。

大学を出て、大手不動産会社に就職した友達。
寮の相部屋が合わずに辞めた。

メガネ屋さんに再就職した友達。パワハラ、社内いじめで辞めた。この頃から友達は鬱病になっていた。

どうにもならなくなって実家に帰った。




しばらくして福岡に戻ってきた。

友達は冗談のように「練炭持ってきてよ。」とか、言ってた。

そんな言葉は聞きたく無かった。

あるクリスマス。
何が欲しいか聞いたら、友達は「龍が如く」のソフトが欲しいと答えた。
僕はお金が無くて叶えることが出来なかった。
代わりに、組み立てるとビー玉がレールを走り回り続けるおもちゃをプレゼントした。あまり、興味なかったかも知れないけど、完成させて見せてくれた。


ある晩、夜中に電話が鳴った。

「俺、飛び込むわ。」






そして、
ボクノトモダチハイナクナッタ







あれから、18年か。

今でも後悔が溢れる。

龍が如くを渡せば良かったのに。

電話の直後に警察に電話していれば防げたかも知れないのに。

もっとちゃんと大切に思っている事を伝えていれば良かった。

この後悔を終わりの日まで抱えて生きる。


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