タイ料理屋でナイストゥーミーチュー
くらいあさが~、婚活の荒波のなかで~、こじんまりとした会社を経営している洒落たおじさんに~タイ料理屋で出逢った~
このように間にのばす棒「~」が書いてあっても、Z世代と言われている人たちには、いったいなんのことだかわからないのだろうか。それは、きっと私が「さよなら、さよなら、さよなら~」って何なんだろうって思っていたのと同じなんだろうな。
これからも積極的に昔の話をしていくアラサーになろう。
というわけで、この語尾をのばす下條アトムの独特なナレーションは『世界ウルルン滞在記』という番組内で語られていたものだ。
若手の俳優さんが、外国に一週間ほど行って、現地の人と一緒にさまざまな体験を通して、その国の文化に触れるという番組だった。だいたい、ジャングルや僻地で過酷な目にあうのだが、窪塚洋介がイタリアで帽子を作る回などもあり、人によってはだいぶ優遇されているなと思った記憶がある。
ずっとこの番組でナレーションをしていた下條アトムのことはあまりよく知らないが、お父さんの下條正巳は寅さんのおいちゃんの中でもいちばん長くおいちゃん役を演じていたから、勝手に親近感がある。
私の中では、おいちゃんと言えばこの人。
初代おいちゃんの「バカだねぇ~」も好きだし、二代目のおいちゃんと寅さんとの掛け合いも好きなのだが、真面目に寅さんのことを心配して見守ってる下條正巳のおいちゃん、好きなんだよなぁ。ところで、あのおいちゃんの年代の人のファッションってシャツとカーディガンで、今とほとんど変わらないから不思議。
という、寅さんの話はまたいつか全シリーズ見てからまとめて書きたい。
今回は初アポについてである。
「タップル」「Omiai」「YYC」の3社を使ううちにちょっと面白そうなおじさんが現れた。
結婚していて、子供もいるが、友達がほしい。というようなことを書いていた。
ちょっと怪しいような気もしたし、本来の結婚相手を探すという目標からはかなりズレてしまっている。
しかし、メールでやりとりをすればするほど、極めて常識的できちんとした人に見えたので、事件になるようなことは起きないだろうと、とりあえず会ってみることにした。
好き嫌いはほとんどありませんと書くと、じゃあタイ料理はどうですか。と言う。
なにこれ、山崎ナオコーラのエッセイみたい。タイ料理なんて正直食べたことがなかったが、人生でお腹を壊したことが数えるほどしかないため、即了承した。
待ち合わせ場所には詐欺でもなんでもない、写真通りの明らかにセンスの良いものだけを身につけた男性がいた。心のなかで、年はずいぶん私の方が若いですが、ご覧のとおりファッションセンスがクソでごめんなさいと平謝りしながらお店まで歩いた。
おじさんとは、色々な話をした。映画を何百本と見ていた人だったので、話を聞いているだけで楽しかった。
別れ際には、お土産に可愛い猫の本をくれた。
また会いましょうと、話したがそれきり会っていない。
これが私の記念すべき初アポだった。
(続く)
くらいのパトロンになりたいという奇特な方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いします。その際には気合いで一日に二回更新します。