純情な感情は空回り?
先日紹介した『やれたかも委員会』の既巻1~5巻の中でマイフェイバリットやれたかもを紹介したい。
それは2巻におさめられている
『case011 映画友達になってよ』である。
あらすじ
現在37歳の男性が大学を卒業したころを振り返る。
その頃、彼は、女性とお付き合いをしたことがなかった。
唯一、行きつけの服屋の女の子と漫画の貸し借りをするぐらいだったが、突然の服屋の閉店と共に連絡も途絶えてしまう。
ところが数年後、その女の子から急に連絡が来て、思いがけずデートをすることになり、映画をみた後で、「私と映画友達になってよ」と言われる。
それから二人は月1、2回映画を見てカフェでお茶をしたり、ご飯を食べたりするようになるのだが…
あの日の夜の現場検証(オチ、ネタバレ有)
ある日、映画を見て少し夜遅くなった帰り。シーンとした車内の中で事件は起こる。
女の子が急に「あのポプリンって建物ラブホテルなんだって、変な名前だよね」と言う。
しかし彼はそれに対して「本当だ、変わった名前だね」としか返せず終わってしまう。
その半年後、ようやく告白するも「もう少し早ければOKしてたかもしれないけど、遅いよ」とフラれてしまうというオチである。
委員会によるジャッジは、安定の月満子のみが「やれたとは言えない」判定。
最後に、あの日の夜誘っていたら上手くいったのか検証するため、試しに男性と月満子がシミュレーションをするのだが
「よかったら寄ってく?」と誘うと
「えー冗談でしょ?」とキッパリ断られるというところで終わっている。
うーん、判定が厳しくないか?
だいたい、大の大人が目の前の建物がラブホテルかどうかなんてわざわざ言わなくとも見れば分かる。
ちなみに私が小学生のころ、「勉強部屋」というラブホテルがあり本当に勉強するところだと思っていた。そのため親に「なにを勉強するところなの?」と無邪気に聞いていた。 保護者を困らせ、児童を惑わせるネーミングセンス、とてもよくない。
話を戻すが、どー考えても「ラブホテルなんだって」ってセリフ、なかなか告白しない男の子への盛大な前フリにしか私には見えない。前フリだったにも関わらず、変わった名前だねとしか言わないから脈無しと捉えたのではないのか。
そもそもの「映画友達になろうよ」すらも、多少の好意がなければ言わないのでは。仲良くなりたいけど、好意がバレてフラれたくないからそう言ったのでは。
私は男女の友情成立しない派なので、好きでもない男性とふたりきりで何度も映画をみて食事をすることなどあるのだろうかと不思議に思ってしまう。
うーん、脈有りだったけど男性がチャンスを逃したようにしか見えない。
なーんて思うのは、私が純情アラサーだからだろうか。本当は女の子もただの友達としてしかみていなかったのだろうか。ただの友達にラブホテルの話題振るだろうか。
まさに、真相は藪の中。
それにしても、男性が未だにチケットの半券や感想を書いた映画鑑賞ノートを大事に取っているところ、いいなぁ。やれなくても、付き合えなくても、ある一時期だけでも思い出に残るような関係性を築けたというのは素敵なことだと思う。
やれたかも委員会はドラマにもなっているのだが、人気のエピソードだったのかこの話はドラマ化されている。他にも夜道で女性をおんぶする話(こちらも傑作)や、女性視点のやれたかももドラマになっているのでネトフリの方、興味があればぜひ。
くらいのパトロンになりたいという奇特な方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いします。その際には気合いで一日に二回更新します。