韓国発究極のお受験戦争エンタメ『SKYキャッスル』
『SKYキャッスル』にはまってしまった。
たまたまテレビで1話を見たら、日本のドラマの3話分ぐらいの情報量があり、いったいこの先どうなるんだろうと思ったのがきっかけである。
私が初めて見た韓ドラは『冬のソナタ』。全国的に流行っていたときにブームに乗っかって全話見たのが最初である。
あとは友人からしつこく薦められて見たチャン・グンソク主演の『美男ですね』『メリは外泊中』。どちらも面白かったけれど特に韓国ドラマにははまらなかった。
その後も韓国のアイドル、SUPER JUNIORやBTSを推している人と仲良くなり、これまたがっつりと勧誘されたけれどはまらなかった。(イケメンだし、歌もいいし、ダンスもかっこいいと思うけれど)
しかし今回『SKYキャッスル』で、イケメンがじゃんじゃか出てくる明るいラブコメや、記憶喪失になっても、生まれ変わってもまた君と巡り会うラブストーリーではない、私にとっては新しい韓国ドラマの一面に触れてしまった。
韓国版の湊かなえといった感じだろうか。
後味のよくない、でも何か訴えかけてくるような重厚なメッセージがあるわけでもない、極めてエンターテイメント性の強い作品だ。
まだあと数話残っているけれど、こんなに面白いドラマを見終わってしまうのが惜しいと思い大事に見ているところである。
ここまでの感想をまとめると、まず第一にこのドラマの魅力はそれぞれの登場人物のキャラクターにある。
突拍子もない行動に出たり、人としてどうかと思うような発言をしたり、色々な人が出てくるなかで感じたのは、登場人物がそれぞれにものすごく強い信念を持っている。(執念というべきか)
「祖父・父・子供と三代続けて医者にしたい」
「医者になってSKYキャッスル住み続けてほしい」
「自分が医者ではないから子は医者になってほしい」
といった願望があり、それを貫こうと皆必死なのだ。
自分が大事にしているものを否定したり押し曲げたりするものには容赦ない。
たとえ、自分の妻や夫や子でも。
あまりにもいきすぎた目には目を、歯には歯を思想がもたらす行動は恐ろしくもあり、滑稽でもある。
それから人間関係が面白い。
親同士、子供同士、またあるときは、親と家庭教師が打算と妥協を繰り返しながら、裏切ったり出し抜いたり、あるいは味方についたり。
あの手この手で、子供の成績をあげようとするところは異常だし、突然寝返ることもあるのでびっくりする。
ある時点までは優位だった人物が、突然坂道を転がり落ちていったり、下にいたはずの人物が一瞬でのしあがってきたり。
とにかく、少しも気が抜けない目まぐるしい展開が続いていく。
その真逆になるが、演出がとても丁寧で映画のようなシーンがたくさんある。
ふつうのドラマだとカットされてしまいそうな長回しや、映像の美しさ。
映像の作り込みがすごくて、思わずもう一度見てしまいたくなることも。
音楽にもこだわりが感じられる。
一言でいうと予算と時間があるのだろうなという感じがする。日本のドラマではこうはいかない。
母親たちのファッションも、富裕層であることを描くためにかなり気合いが入っていて、見ているだけでとても楽しい。
(韓国ファッションのツイードとかリボンとかフリルとか、エビちゃん時代のCanCamのようで憧れる)
役者の演技も熱がすごい。
こんな役を演じていて精神的につらいだろうなぁと思う。
子役たちも驚くほど演技がうまくて、ぐいぐい引き込まれてしまう。
ということで、アマプラでもネトフリでも見れます。
連休のみなさん、ぜひぜひ。
共にSKYキャッスル沼に落ちましょう。
くらいのパトロンになりたいという奇特な方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いします。その際には気合いで一日に二回更新します。