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#13 『君に叱られた』

お久しぶりです。すけぽんです。
今回は、乃木坂46の28thシングル
『君に叱られた』の歌詞について
考えていきたいと思います。
「考察」と呼んでいいほど大それたものではなく、
あくまでも僕なりの「解釈」です。
曲を聴きながら、歌詞を見ながら
読んでもらえたらと思います。

登場人物

曲中に出てくる登場人物は2人。

「僕」と「君」

この「君」は女性でしょう。
2番で手を繋いでいるので。
ただ、男同士の友情という視点で見ると
また違った捉え方ができますのでオススメです。

今回は「付き合ってる男女」という設定で
考えていくことにします。

「叱る」と「怒る」

今回歌詞を考えるうえで最も大事なポイント。

それはなぜ、
『君に怒られた』ではないのか。

叱る」と「怒る」とでは何が違うのか。

大きな違いは、「相手の必要性」です。

「叱る」:相手を想って良くないところを注意する

「怒る」:怒りの感情を表に出す

「叱る」というのは相手がいないとできない行為
なのに対し、「怒る」というのは1人でもできる
ことですよね。深い。

それでは、歌詞を見ていきます。

そんなに世界を狭くしてどうするの?

1番の場面は「電車の中」。
「僕」は電車の音に負けじと大きな声で

僕のどこが間違ってるんだ?

と言ってしまいます。
かなり怒ってますね。

さて、ここで1つ目のポイント。
自分の答えを押し付けた」という歌詞です。

ここには「僕」の後悔が見て取れます。
しかし、その後悔は相手には伝わりません。
これに対し、「君」はこう返します。

そんなに世界を狭くしてどうするの?

この歌詞が2つ目のポイントです。
「僕」は自分で自分の世界を狭くしてしまっている
ことに気づかされます。
個人的には曲中で最も響くところです。
優しいけれど強い言葉ですよね。

ここからサビに入ります。

君に叱られた

やっとわかった君の存在
当たり前すぎて気づかなかった

そんな言われ方したことないよ
そばの誰かが庇ってくれた

わかった 自分のことが
愛がなければ生きていけない

大人になって初めてだった

いつもはあんな優しい君に叱られた

ここで「僕」は「君」の存在の大切さに気づきます。

そばの誰かに庇われながら生きてきた「僕」は
君に叱られた」ことによって自分のことが
わかってきたようです。

しかし、「僕」はこの段階では「叱る」と「怒る」の
違いにはまだ気づけていないように感じます。
「叱られた」という事実を淡々と述べている
だけなので、「怒られた」と歌詞を変えても
違和感なしです。

続いて2番です。

どこか足りないジグソーパズル

電車から降りた2人は言葉を紡ぐよりも先に
手を繋ぎます。素敵な光景です。

そして、「君」の存在の大切さに気づいた「僕」は
どこか足りないジグソーパズル
を互いに埋め合うのが、
「相手」への思いやりや優しさだと
表現するわけです。

ずば抜けた比喩表現。さすが秋元先生です。

ここからサビに入ります。

君に叱られて嬉しい

なぜか言葉が刺さってるのに
ずっと素直になれなくてごめん

言い負かされて悔しいけれど
一人きりじゃ何もできない

言葉が刺さってるのに
反論しても無駄な抵抗だ

プライドなんかどうでもいいよ

それより僕は君に叱られて嬉しい

ようやく「僕」が「叱る」という言葉の意味を
わかり始めた感じがします。
特に顕著に現れてるなと感じるのが、

言い負かされて悔しいけれど一人きりじゃ
何もできない


の部分です。
悔しさはありつつも「君」がいないとダメだと
ハッキリ自覚したんですね。

そして最後の

君に叱られて嬉しい

ここに「僕」の変化が全て現れています。
1番では「叱られた」という事実のみが書かれて
いましたが、ここでは「嬉しい」という
プラスの感情が乗っかっています。

「怒られて嬉しい」のではなく、
「叱られて嬉しい」のです。

「僕」が「叱る」と「怒る」の違いに
気づけてよかった。

続いてCメロに入ります。

一方的だった

愛は甘えられるもの 許してくれるもの

だからいつだって 一方的だった

やりたいようにやっては

誰か傷つけてきたのか

例えば世界にたった一人の君には

叱ってもらいたい

Cメロに入ったところで、
急に「」というワードが出てきます。
ここでいう「愛」は「一方的」なもの。
つまり、「怒る」と同じものとして解釈できます。
しかし「僕」はすでに「叱る」と「怒る」の違いには
気づいています。だからこそ、

「一方的だった

と過去形が使われてるんです。

さらには、
叱ってもらいたい」と。

愛が一方的ではなく、相互的になった瞬間です。


そして1番のサビが繰り返されるわけですが、
ここで皆さんに質問です。

同じ歌詞なのに違って聞こえませんか?」 

なぜ違って聞こえるかというと、
「叱られた」の意味合いが変わってきてるから
だと思います。
ここでサビが繰り返されることによって
より際立ちますね。

いよいよラストです。

「素直に聞けるから」

僕を叱って

君が叱って

ちゃんと叱って

素直に聞けるから

もう僕が言いたいことはわかるでしょう。
そういうことです。

「僕」は「君」に「叱られる」ことの意味に気づけた。

だから「素直に聞ける」わけです。

まとめ

僕の解釈はいかがだったでしょうか。

「叱る」と「怒る」の違い

を大きな軸として考えてみました。

こう考えてみると、大きな違いがあります。

優しく叱った「君」
それに気づいた「僕」

この2人の今後が気になりますが、
きっと上手くいくことでしょう。

乃木坂46の未来のように。

最後に

ここまで読んで下さってありがとうございます。
恐らく最長のnoteになりました。
歌詞について書いたのは初めてのことなので
正直めちゃくちゃ大変でしたが、
考えて考えて、僕なりに解釈して
答えにたどり着けてよかったです。

「考えすぎじゃん?」と思った方もいるでしょう。
はい。そうです。考えすぎです。
だからこそ、『君に叱られた』の歌詞の意味や
奥深さに触れることができました。

これを読んで1人でも「なるほどな〜」と思って
くれる方がいれば嬉しいです。
そして「やっぱ乃木坂だな〜」なんて思って
もらえれば、それはもう万々歳です。

『君に叱られた』が多くの人の心に
届きますように。

ありがとうございました。

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