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1枚のレコードから新たなトラックを作る。

One Vinyl Beatsさんの企画・・・その内容はその名の通り・・・

・1枚のレコードからサンプリングしてビートメイクする。
・制限時間は1時間
・そのアルバムの楽曲が使われていると分かれば、後は打ち込み等は自由。

このコンセプトがとても面白いと思い、自分も挑戦してみました。

今回、せっかくやるならソフトシンセや楽器は弾かず、全てサンプリングで音作りし、正式な参加ではないため(あくまで自分の練習のためなので)「1時間」と言う制限時間は無しで制作しました。

お題のレコードはこちら

ビリー・ジョエル / 「The Stranger」

改めて聴きましたが、とてもいいアルバムです。「素顔のままで」(原題Just the Way You Are)や、「The Stranger」など、みんな一度は耳にした事がある名曲が収録されています。レコード自体は、どこでも安価で手に入ります。プラチナディスク獲得前の帯付きだと、初回盤のため少し高くなると思います。

制作について

使用機材

・Logic Pro X (DAW)
・KOMPLETE KONTROL M32(MIDI鍵盤)
・SP-404SX (サンプラー)
・ipad(Logic Remoteで使用)

後はターンテーブルやオーディオI/Fなど再生機器です。

レコードからサンプリング

 アルバムを聴いて、直感でサンプリングする箇所をなんとなくピックアップ。
2曲目のタイトル曲、「The Stranger」のイントロで鳴っている、ピアノ、口笛、ベース、これをサンプリングしようとしたが、同じフレーズをアルバムの最後、「Everyday Has A Dream」の曲が終わった後に、同じフレーズを、2曲目より少し長く、こちらの方がピアノとベースが大きいかと思い、この部分からサンプリング。ドラムは8曲目「Get It Right The First Time」のイントロを使いました。

サンプリング方法

 全て、一旦Logicにサンプリングして、「Quick Sampler」でエディット。
これが非常に便利!便利すぎて楽しすぎました。「Quick Sampler」にオーディオファイルをドラッグすれば取り込めて、すぐに波形編集が可能。なんて素晴らしい機能なんでしょう。MPCの様に、パッドを叩いてチョップはできませんが、「Sliceモード」で再生しながら、チョップするポイントを置いていく・・・このやり方が自分に合っていました。

「Quick Sampler」


 「Quick Sampler」で、MIDIリージョンで置いて行くだけでは、「サンプラーを使っている感」が無いが、「Drum Machine Designer」にインポートして「Logic Remote」でパッドを叩けば、「サンプラーを使っている感じ」をより実感。これは非常に大事な事です。

非常に便利な「Logic Remote」

サンプリングを繰り返す


 そして、レコードからLogicにサンプリングしただけでは味気無いので「Quick Sampler」でエディットし、各フレーズをそれぞれ、SP-404SXにサンプリングし、エフェクトかけて、もう一度Logicでサンプリングする。

Roland SP-404SX

Logic→SP-404SX→Logic、という音の流れを繰り返しました。この辺は自分のこだわりです。(こんな事をやっていたら、まず1時間じゃ終わらないw)

今回は、短い2分くらいのトラックで、「ミックスが〜」とか「キックの音が〜」なんて考えていると、まず終わらないので、ある程度の所で割り切って終了しました。完成曲は以下です。

大事な部分

・サンプリングをする際のレベル

低いレベルでサンプリングすると、後から上げる事はできるが、一緒にノイズも上がってくる。

・レコード特有のノイズの有無 チリパチノイズなど

レベルは良くてもレコード特有のチリパチノイズが、後から邪魔になる。
オーディオ編集では取り切れない事もある。味としてうまく馴染んでくれたら、オッケーですが。

やってみた感想

 バンドをやっていた時代から、Logicはずっと使っていたが、ギター弾いて、ソフトシンセで音作って、左から右に流れていくシーケンス画面を眺めて…このやり方に飽き飽きしていた所に、新しい刺激をもらいました。完成されているフレーズを切り取って(サンプリングして)使うという事は、自分から生まれたフレーズではないため、手癖が無いため、すごく新鮮です。

 ですが、今回の反省点としては、サンプリングをしたフレーズをエディットし過ぎて、原曲からかけ離れ過ぎた点。ピアノや口笛をサンプリングして、そのままのニュアンスを生かすと言うよりは、楽器として使った事で、「自分から出てきたフレーズ」に向かって行ったこと。次回はもう少し、元フレーズの持つニュアンスを生かし、自分の想像を超えられたら、と思います。

素材をそのまま生かすか、加工していくか・・・このバランスが凄く大事だと思いました。

改めて、企画の概要にある、「そのアルバムの楽曲が使われていると分かれば・・・」という所から少し外れてしまった気がします。

この部分は今回大いに勉強になりました。

まだまだ、自分の手癖を超えられていないし、まだまだ想像の範囲内である。

One Vinyl Beatsさんの企画は、とても素晴らしい企画だと思いました。
アップされている動画を見ましたが、皆さんのビート、めちゃくちゃカッコいい。
自分からは絶対に出てこない発想。また同じ箇所をサンプリングしているのに、まったく違ったトラックになる。これが非常に面白い所。

今回作ってみて、サンプリングという手法は自分にとって新しい刺激となりました。また次の曲に進んでみたいと思います。

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