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事業者紹介3 株式会社鳥塚


助太刀では、今年度3チームのプロジェクトを実施します。各プロジェクト内容の紹介、いよいよ3チーム目です!
紹介にあたって、簡単な言葉の説明をしておきます。

事業者→本プロジェクト趣旨に共感し、名乗りでてくれた長浜市内の事業者
助っ人→事業者の課題や模索を伴走支援する、市外在住者


河川放流用の種苗アユや、飲食用の活アユの養殖を手がける株式会社鳥塚
もともと鳥塚家は、琵琶湖へ注ぎ込む姉川河口で、代々漁業をなりわいにしてきた家。
現在代表を務める康弘さんの父、故・五十三さんがアユ養殖業を創業しました。
五十三さんは、琵琶湖産放流種苗アユの育成をはじめ、失われた琵琶湖の秋の味覚・子持ち小鮎の人工生産など、琵琶湖産アユの知名度アップの立役者ともいえる人。

子持ち小鮎


康弘さんは、4人兄姉の末っ子として生まれ、両親が家業に邁進する姿を見て育ってきたといいます。忙しさに加え、生き物を扱う仕事柄「家族で遠出するとか旅行とかには行った記憶はないですね」と振り返ります。

鳥塚康弘


ただ、その言葉にさみしさは含まれていません。3人の兄や姉たちは親代わりともいえる存在で、幼かった康弘さんの世話をし、遊び相手になってきました。

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(写真:右は姉の貴絵さん。家業の事務方を担いながら、傍らで声楽家として市内で後進の育成にも励む。左も事務方を担うスタッフさん)


そんな鳥塚家で、子どもなりに実感してきたこと。それは「うちのアユはおいしい」でした。
「自分の家のアユがスタンダードになっているので、それが当たり前だと思ってきたのですが、よそで食べる機会があると、ああやっぱりうちのはおいしいんだなあと」


康弘さんは大卒後、べつの養殖会社での修業を経て、2011年に家業へ。さらに29歳のときに代表を継ぎ、5年が経ちます。
現在、鳥塚では、琵琶湖や姉川等で採れた鮎を主に入荷し、種苗アユとして育成。さらには卵から孵化させる人工種苗の完全養殖も行なっています。

出荷風景①


めざすのは、「おいしくて健康的な」養殖アユ。
養殖アユには「冷水病」と呼ばれる病気などが自然発生してしまいます。これらを、稚魚を育てる段階で治療し、健康的なアユへと育てます。
鳥塚の養魚場には、病気を抑えるための加温処理を行う特殊な機械も設置されています。

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(写真:養魚場に設置された冷水病を防ぐための特殊な加温機械を鵜川さんに説明する鳥塚さん)


河川放流用の種苗アユは、鳥塚産のものが全国シェアの約10%を占めている……と聞くと、すごい!のですが、とはいえど、アユ市場そのものが全盛期に比べると半減してしまっている現状があります。
食べることでいうなら「川床」「温泉旅館」という日常とはかけ離れたイメージ、釣りでいうなら「友釣り」にともなう技術の高さや道具の値段、そもそも天然と比較されてしまう「養殖」という言葉……。

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今回のプロジェクトでは、まず第一に、康弘さんの「アユという食材の知名度と価値を改めて高めていくこと。業界全体が盛り上がること」との思いがあります。その基盤を築いてこそ、自分の事業の成果につながっていくのです。

アユを食べたことのない人に「おいしい!」「また食べたい」と思ってもらうために。
鵜川さんとタッグを組んでの取り組みが始まります。

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