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プロジェクト紹介3 鳥塚 ✕鵜川太郎

助太刀では、今年度3チームのプロジェクトを実施。このnoteでは各プロジェクト内容を紹介していきますね。いよいよ3チーム目です!
紹介にあたって、簡単な言葉の説明をしておきます。

事業者→本プロジェクト趣旨に共感し、名乗りでてくれた長浜市内の事業者
助っ人→事業者の課題や模索を伴走支援する、市外在住者


事業者:株式会社鳥塚
助っ人:鵜川太郎 
【達成したいテーマ】
釣って楽しい、食べておいしい、アユをもっと身近な存在に

みなさん、アユってどんな魚か知っていますか?
本来、川と海を回遊する魚で、日本ではよく知られた川魚です。
秋に河川の河口近くで孵化し、河口から遠くない範囲の海で育ち、春になると5〜10cm程の稚魚となり河を遡上します。もっとも成長した頃で15〜30cmくらいでしょうか。

薪での塩焼き

成魚サイズのものは、塩焼きが思い浮かぶでしょうか。淡白さな身とほろ苦い内臓、香ばしい皮、夏の魚の代表格のように思います。
釣り好きな人なら、なんといっても友釣り。アユの攻撃的な性格を利用した釣りの手法で、熱心なファンがいます。

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一方滋賀県では琵琶湖で生涯を終えるアユがいます。これらのアユは大きくならず、「コアユ 」と呼ばれます。甘辛く煮付けたり、天ぷらにしたり。滋賀の人にとっては身近な魚でしょう。
琵琶湖のアユは、琵琶湖で暮らすうちはコアユのサイズまでしか大きくならないものの、河川を遡上すると大きく育つという特徴的な生態があります。
これを活かし、琵琶湖のアユの稚魚が全国の河川への「放流用種苗鮎」として広まったという歴史があります。

出荷前の小鮎

食と釣り、この2つの需要に応じて、アユを養殖しているのが、株式会社鳥塚さんです。
1972年に創業、2017年に2代目として鳥塚康弘さん(34)が事業を継承。
滋賀県内に5つの養魚場をもち、琵琶湖産をはじめ、人工でも放流種苗アユを生育し、全国の河川関係の漁業組合へ出荷。
小鮎サイズの鮮魚、さらに大きく成長させた冷凍鮎は、飲食事業者へ提供します。

鳥塚康弘


創業者であり、康弘さんの父である故・五十三さんが、養殖アユの知名度アップに奮闘。その遺志を康弘さんが継ぎ「おいしく元気な養殖アユ」の提供をモットーとします。

ただ、近年ではアユ離れが加速している状況があります。
最盛期 1988 年に 13,633 tであったものが 2008 年では 5,807 tにまで低下。
この背景には「高級食材」というイメージが根付いていて広く馴染みがないこと、またレジャースポーツの多様化で釣り人口が減少していることなどが挙げられます。
自社の利益うんぬんではなく、アユ業界そのものを元気にしたい、にぎわいを創りたいと模索していた鳥塚さん。

鳥塚の課題:「アユの食文化と釣り文化を守る」ことが使命。そのためにアユ養殖の価値をどのように伝えていけば良いだろう。
食べ方ひとつにしても、アユをもっと身近に感じてもらうPRや仕掛けをしていくにはーー?


その助っ人となるのが鵜川太郎さん(34)です。
現在は中小企業を相手とするコンサルティング業を営む鵜川さん。
みずほ銀行出身で、行員時代には営業として中小・中堅・大企業・東証1部上場企業まで幅広に担当してきた実務経験があります。

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実は今回の助っ人マッチングは、「Skill Shift」を活用。自分の業務スキルで副業したい人と人材を求める全国企業とをつなぐサービスを行うウェブサイトです。
ここに、鳥塚さんから【「鮎」業界全体の底上げを行うための仕掛け・マーケター募集!】として呼びかけ、選ばれたのが鵜川さんでした。
募集経緯を振り返ると、応募者は40人。
同サイト内で掲げた募集案件のなかでは、群を抜く応募数でした。
これには、「アユ」という業界のユニークさ、また「業界全体を盛り上げる」という目的に惹かれる人が多かったと考えられます。

そして最終選考に残ったのは4人。
応募者と鳥塚さん・事務局がオンラインで面接するという形をとりました。
そのなかで、鵜川さんは、アユ業界の現状を事前リサーチしたうえで、目的達成のイメージとなる他事業者の事例などを提案。
机上の提案ではなく、現地で事業の状況を共有しながら、長期的な視野で課題を見極め、戦略を考えていきたいーー。そんな鵜川さんの「鳥塚さんの右腕として、時間を惜しまずに、主体的な行動をともにする考え方」が、共感を呼び、選出の決め手となりました。

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今後、定期的なオンラインミーティングの傍ら、鵜川さんが定期的に鳥塚さんのもとを訪問していくことになっています。
プロジェクトの経過は、追ってレポートします。お楽しみに!


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