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ドラマ「古畑任三郎 FINAL 今、甦る死」



俳優の田村正和さんが亡くなりました。

彼が出演した作品として、以前からどうしても見たい映画が一本ありました。
1961年製作で、市川崑監督が撮った「永遠の人」。
主演は、高峰秀子と仲代達也。
二人が演じた夫婦の息子を演じたのが、当時18歳で、これがデビュー2作目の田村正和。
夫婦の絶望的な諍いの中で、自殺してしまう高校生の役なのだそうですが、これはビデオ・ショップに行ってもなく、衛星映画劇場でもなかなかオンエアされる機会がなく、いまだに未見。
この人の当たり役といえば「眠狂四郎」がありますが、僕の世代では、この役は、なんと言っても市川雷蔵が定番。
田村正和といえば、やはり「古畑任三郎」ということになります。
大好きなドラマでしたので、概ね見ているつもりでしたが、DVDの在庫を確認したら、見ていないものを一枚発見しました。
「古畑任三郎 FINAL」と題して、2006年の正月に三夜連続で放送されたもののうちの1本。
犯人役に、石坂浩二と藤原竜也。
三谷幸喜の脚本は、「金田一耕助」シリーズや、当時ヒットしていた「TRICK」シリーズを多分に意識していたようで、田舎の山村(一応東京都)を舞台にした殺人事件を推理する古畑たちの活躍を描きます。

このシリーズは、三谷幸喜が大ファンだったという「刑事コロンボ」のスタイルを、下敷きにしている、いわゆる倒叙型推理ドラマ。
ゲスト・スターが犯人ということは、初めから決まっているので、古畑と犯人との、丁々発止の駆け引きがこのシリーズの最大の魅力になっていました。
ピーター・フォークが演じたヨレヨレコートの風采の上がらない刑事を、このシリーズでは、天下の二枚目・田村正和が、上下黒のモダンなジャケットをおしゃれに着こなして颯爽と演じているのがミソ。
彼が、コロンボとは正反対となる古畑のキャラを、コミカルに、スタイリッシュに、そして、カッコよくデフォルメして体現した「役作り」が、このシリーズの視聴率を支えたことは間違いのないところ。

やはり、「古畑任三郎」は、面白い。

まだ見てない回がないかどうかチェックしてみることにします。

田村正和さんの、冥福を心よりお祈り申し上げます。

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