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ウルトラQ Part4 第22話〜第28話

第22話「変身」

蓼科高原で雪男が目撃され、由利子の友人・あや子は雪男が婚約者の浩二ではないかと疑い相談にやってきます。
浩二が以前、蓼科高原でモルフォ蝶の鱗粉を浴び、沼の水を飲んだ後、巨人に変身してしまったのをあや子は目撃していました。
巨人を演じたのは、野村浩三。
東宝特撮シリーズでは、ちょくちょく顔を見かける俳優ですが、どんなチョイ役でも、この巨人の印象が強かったので、すぐにわかりました。
「大怪獣バラン」では、一度だけ主演を演じています。
子供心に、巨人の腰巻がとても気になったのを覚えています。
自然界にあんな大きな布はないだろうと思ったものです。

第23話「南海の怒り」⭐️

南海の孤島・コンパス島の近海、「死の海」に生息する巨大なタコがスダール。
島の近海を航行していた漁船・第五太平丸がこの怪獣に襲撃され、父親と乗組員を失った青年が島に流れ着きます。
青年を演じているのが東宝特撮シリーズで、お馴染みの久保明。
青年を助ける島の娘アニタを演じたのが高橋紀子。
この人は「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」でも同じ島の娘を演じることになっていたそうですが、急性盲腸炎のため、急遽水野久美が代役を務めたそうです。
スダールは、「フランケンシュタイン対地底怪獣パラゴン」「フランケンシュタインの怪獣サンダ対ガイラ」でも大ダコとして活躍。

第24話「ゴーガの像」

アーブ国から帰国した少女は、香港で老婆からもらった像を、飛行機で知り合った女に奪われてしまいます。
その像は、古代アランカ帝国の秘宝であり、呪いがかけられていました。
像は美術品窃盗団の手に渡り、像から現れた貝獣ゴーガが東京を蹂躙します。
窃盗団の一味の中に見覚えのある顔がありました。
性格俳優山谷初男の若き日の姿です。
後にウルトラ警備隊のアマギ隊員になる古谷敏も確認。
ストーリーは、当時絶大な人気のあった007をかなり意識したスパイ・アクション風に演出されていました。

第25話「悪魔っ子」

東洋大魔術団の少女リリーは、父親の催眠術により精神が肉体から分離し、夜な夜な事件を引き起こすようになってしまいます。
シナプスの破壊が原因で、彼女の精神は白くぼやけた姿で現れ、意思とは無関係に殺人を含む行動をとるようになるという恐いお話。
線路の上をリリーとその幽体が手をつないで歩くシーンは印象的でした。
一の谷博士の発明した超短波ジアテルミーで元に戻ったリリーが、父親と一緒にステージの上で見せる笑顔がラストカットでしたが、実はこれが一番怖かったなぁ。

第26話「燃えろ栄光」

ボクサーのダイナマイト・ジョーが、フィリピン遠征中の沖釣りで、釣り上げた深海生物がピーター。
地上では、温度を感知して巨大化する怪獣です。
ジョーが水槽に入れてペットとして飼いだすと、試合は連戦連勝。
しかし、ジョーは世界戦タイトルマッチを前にして突然ピーターとともに失踪。
ジョーを演じたのは、工藤堅太郎。
ピエロになったジョーの雇い主に穂積隆信。
Wiki によれば、水槽の中のピーターは、ワニの子供を使用したとのこと。
しかし、人間大及び巨大化したピーターは、どう見てもカメレオンでしたね。
人間大のピーターは4足歩行で、着ぐるみ怪獣の後ろ足問題が子供ながらにも気になっていました。
それは制作スタッフもわかっていたようで、巨大化したピーターは、ここぞとばかりに立ち上がって、ニ足歩行になっていました。
カメレオンが立ち上がるかどうかは不明。

第27話「206便消滅す」

香港発の超音速旅客機206便が羽田空港到着直前に突如消失するという物語。
機内には万丈目や一平が乗っており、異次元空間に迷い込んでしまいます。
この空間には巨大なアザラシのような四次元怪獣トドラが生息しています。
しかしドラマの中ではこの名前を使われていません。
当初は、異次元モノとして怪獣は登場しない脚本が執筆されていたようですが、TBSの意向で急遽怪獣登場シーンを追加。
この経緯は映画「妖星ゴラス」とほぼ一緒ですね。
登場怪獣もこの映画に登場したセイウチ怪獣マグマにヒゲを生やして、そのまま流用。異次元に登場する怪獣なので破壊するセットも作らなくて良いわけで、今見ると考えましたね。
航空管制官を演じているのが小泉博。
急遽飛行機を操縦する万城目が、「東京タワー応答せよ」と呼びかけていましたが、応答していたのは明らかに羽田空港管制ビルでした。

第28話「あけてくれ!」

いよいよ最終回となりました。
といっても、このエピソードは本放送ではオンエアされませんでした。
初放送されたのはこのシリーズの再放送の時です。
怪獣も登場しません。
特撮として出てくるのは、異次元列車です。
高度成長期時代の波に押しつぶされそうになっている初老のサラリーマンが主人公。
ふとした弾みで乗り込んでしまった理想郷行きの列車から、過去を立ち切れずに下りてしまった主人公が、「やっぱり連れて行ってくれ!」と懇願するラスト。
これまでのシリーズとは、少々毛色の違った脚本を書いたのは、後に「3年B組金八先生」でブレイクする小山内美江子。
同じ列車に乗り合わせているSF作家に天野英世。このシリーズはもともとこのテイストがオリジナルでした。
そしてこの路線は、怪獣ブームが去った後の「怪奇大作戦」に引き継がれます。

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