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ハリー・ポッターと死の秘宝 Part 2 2011年イギリス・アメリカ


さて、8作目で、いよいよ最終作です。

Part 1 のところで、物語背景と登場人物をしっかり整理してみましたので、本作は、スッキリと堪能させてもらいました。
J.K.ローリングの原作は、全7巻ですが、その全てが大長編ですので、通常は2時間ちょっとの映画には収まりきりません。
これまでの6巻の映画化に当たっては、やむなく幾つかのサイド・ストーリーはカットして脚本化してきたようですが、この大円団に当たっては、極力原作に忠実に映画化しようという製作方針で、前編後編に分けられたようです。
これは、個人的には、「ウルトラセブン」を思い出しましたね。
古い話で恐縮ですが、「ウルトラセブン」の最終回は、「史上最大の侵略」として、前編後編で放送されたのを覚えています。

本作は、簡単に言ってしまえば、ヴォルデモートの残された5つの「分霊箱」を探し出して、破壊するまでの物語。
これをすべて破壊すれば、ヴォルデモートは消滅することになります。
詳しい話は、前作のところで、調査結果を述べた通り。

本作を見終わったばかりの(今頃ですが)、にわかハリポタ・ファンとしては、このシリーズの至る所に散りばめられていた伏線を回収していく本作の醍醐味をたっぷりと語りたいところですが、それはさすがに野暮というものでしょう。
ハリポタ・ファンなら、もうすでに何回も見返していることでしょうが、まだまだこれから見るという人もいるでしょうから、今回の感想はネタバレなしで参ります。

足掛け10年かけて作られたシリーズを、10日間で一気に鑑賞したわけですが、すっかりと「ハリポタ・ワールド」に浸らせてもらいました。
還暦を超えたジジイでございますが、本作では途中不覚にも目頭が熱くなったシーンがいくつもありました。
「子供向けファンタジー」と侮るなかれ。
とにかくオヤジゴコロも、ガッチリ鷲掴みにされる理由は、途中で気がつきました。
やはり、ハリー、ロン、ハーマイオニーだけではなく、ホグワーツの生徒たちの成長を、映画の時間軸と同時進行で、たっぷりと見てきているからなんですね。
だから、彼らが活躍する一つ一つのシーンの重みが違うわけです。
今は、全員が20歳になっているホグワーツの生徒たち。
でも、見ているこちらは、10歳の頃からの彼らを知っているわけですから感慨もひとしお。
あのロンが、こんなに逞しくなって、ハーマイオニーを守っている。
あのグズのネビルが、グリフィンドールの剣を片手に、ハリーたちを救おうとしている。
もう、こんなことで、ウルウルときてしまうんですね。
これは、ほとんどのキャストが、同じ役を10年間演じてきたことの賜物と言えるでしょう。
同じ役を続けて演じると言うことなら、日本にはギネスブックにもその名を残す「男はつらいよ」の車寅次郎がいますが、この寅さんは、足掛け30年を「変わらずに」演じてきたことに価値があります。
けれど「ハリポタ」シリーズの場合は、そうではなく、子供たちが立派な成人魔法使いに「変わってゆく」ところがしっかり描かれているところに、このシリーズの重みと、大きな価値がありそうです。

さて、この最終作でのキーパーソンは、ずばりセブルス・スネイプ。
彼は前作のラストで、ダンブルドアを殺害しており、展開的には、完全にヴォルデモートの手先ということになっていましたが、やはりそのままでは終わりませんでした。
本作では、セブルスを演じる名優アラン・リックマンが、これまでにない演技をを見せてくれます。必見。
あえてもったいぶりますが、これは是非お楽しみに。

ハリーとヴォルデモートの一騎打ちの後、本作は、ハリーたちの19年後を描いて終わります。
ロンとハーマイオニーは結婚し、ハリーはジニーと結婚しています。
このカップルは、すでにシリーズ内で認知されているので、ネタバレにはならないでしょう。
彼らは、ホグワーツ魔法魔術学校に向かう自分たちの子供を、あの9 3/4線ホームから、見送ります。
そこには、中年になったハリー、ロン、ハーマイオニーが登場しますが、ここで初めて彼らは、「映画的」に老けることになります。
実際の彼らは、そこまではいきませんが、すでに30歳前後。
ハリー・ポッターを演じたダニエル・ラドクリフは、このシリーズの大成功で、20歳にして、イギリスの俳優の稼ぎ頭になっているようですが、「ハリポタ」の撮影中には、そのストレスからアルコール依存症になったり、シリーズ終了後は、群発頭痛にも見舞われたりと散々だったようです。
ロン・ウィーズリーを演じたルパート・グリントも、このシリーズへの出演で、ラドクリフ並に稼いでいますが、稼いだギャランティは、概ね不動産投資に使って資産運用には抜かりなし。
俳優活動としては、「ハリポタ」以降は、特に目立った活動はしていません。
ハーマイオニー・グレンジャーを演じたエマ・ワトソンも、このシリーズでは、二人に負けず劣らず稼いでいますが、その後の俳優業で一番積極的に活躍しているのは彼女のようです。
個人的には、その後の出演作は一本も見ていませんが、俳優としての受賞歴が一番多いのは彼女でした。
「子役」は俳優として、成功しないというのは、昔からよく言われることですが、果たしてこの「ハリポタ・トリオ」はどういう人生を送っていくことになるのか。
今のところ三人の中では、エマ・ワトソンが、俳優としては一歩リードしているようです。
ここまでの成長を一気に見てきたものとしては、少々興味のあるところです。

とにかく、三人とも、この先の人生では、お得意の「魔法」は使えないわけですから、頑張って欲しいもの。

この大ヒットを映画界が放っておくこともなく、同じJ.K.ローリングの原作で、このシリーズの前日譚となる「ファンタスティック・ビースト」シリーズが、すでに公開されているようですが、今のところ、こちらを追いかける元気はありません。
この勢いで、あの長い原作に挑戦して読破すれば「ポッタリアン」ということにもなるかもしれませんが、それもさすがにしんどい。
ただ、去年閉園となった「としまえん」の跡地に、屋内型テーマ施設「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 - メイキング・オブ ハリー・ポッター」が開業予定とのことですから、シリーズ全作を見たものの務めとして、開園の運びとなれば、是非遊びに行ってみたいところです。

以上、「ハリー・ポッター」シリーズ全作鑑賞終了。

あー、疲れた!



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