見出し画像

ハリーポッターと死の秘宝 PART1 2010年イギリス・アメリカ



さて、いよいよ7作目は、完結編の前編です。

残された5つの「分霊箱」を探し出して、破壊するために、ハリーは7年目になるホグワーツには戻らない決意をしています。
愛すべき両親から、自分の記憶を魔法で消して、決死の覚悟でハリーの元へ向かうハーマイオニー。
ロンもハーマイオニーも、ヴァルデモートが執拗に命を狙うハリーを守るために、「不死鳥の騎士団」たちと行動を共にします。

本作では珍しく冒頭から登場する闇の帝王ヴァルデモート。
デス・イーターたちを前に、ハリーをどう追い詰めていくか秘密会議が開かれます。
そこには、マルフォイ一家、ベラトリックス、スネイプたちの顔も。
席上、出席者の眼前で、拉致されていたホグワーツ校の女教師バーベッジが、ヴァルデモートの呪いの魔法で殺され、蛇のナギニの餌食になります。
ん? この可哀そうな人は誰だ?
このあたりまでくると、だんだんと頭の中で過去の登場人物の記憶が怪しくなってきているので、確認してみましたが、映画シリーズの中では、このシーンで初登場のようでした。

さて、旅に立とうとするハリーの前に、「不死鳥の騎士団」の面々が集結。
すでに、行動を開始しているはずのヴァルデモート軍団からハリーを守るために、ポリジュース(変身薬)で、6人がハリーに変身。
敵を攪乱しながら、残りのメンバーが護衛するという陽動作戦で、一行は、それぞれに、モリー(ロンの母親)とジニーが待つロンの実家へ向かいますが、直後すぐにデス・イーターたちの襲撃にあいます。
必死の攻防の中、満身創痍で目的地にたどりついてくる騎士団たち。
この戦いの中で、ロンの双子の兄の一人ジョージが重傷を負い、マッド・アイ(片目が義眼でギョロギョロ動くあの人)が命を落とします。
そして、デス・イーターたちに待ち伏せしていたかのように現れたのは、メンバーの中に内通者がいた可能性が・・

「自分のために、もう誰も死なせない」と、一人でロンの家を出ていこうとするハリーですが、ロンに止められます。
婚約していたロンの兄ビリーとフラー(「炎のゴブレット」の魔法学校対抗戦で、ボーバトン校の代表だった彼女)は、自分たちの結婚式を計画して、その重苦しい空気を少しでも紛らわせようとしますが、そんな中、魔法省の魔法大臣ルーファスが現れます。
ルーファスは、預かっていたハリー、ロン、ハーマイオニーに宛てたダンブルドアからの遺言と遺品を届けに来たのでした。
ロンには、どんなところでも灯をともす「火消しライター」。
ハーマイオニーには、「吟遊詩人ビードルの物語」という一冊の本。
そして、ハリーには、「彼が最初に捕まえたスニッチ」。
ん?
スニッチってなんだっけ。
すぐに、wiki で確認。
はいはい、思い出しました。
(ハリーポッター用語は、みんな独特なのでとても検索しやすい)
ホグワーツ校で行われたクィディッチ競技に出てきた「空飛ぶ金のボール」でしたね。
そして、もう一つ。
グリフィンドール寮の創設者ゴドリック・グリフィンドールの剣があることを告げます。
2作目の「秘密の部屋」で出てきました。
しかし、この剣は現在所在不明。これを持つのに相応しい者の前に現れることが示唆されます。
そして、ヴァルデモードの力の強大さを三人に告げて、ルーファスは立ち去ります。
彼らに残されたダンブルドアの遺品たちは、もちろんこの後の展開で、重要なアイテムになっていきますので要注意。

ビリーとフラーの結婚式に出席していたダンブルドアの旧友から、彼がかつて「ゴブリンの谷」(ハリーの生家があった町)に住んでおり、彼についての「黒い噂」があることも知るハリー。
その時式場が、突如デス・イーターに襲撃されます。
ハーマイオニーの機転で、「検知不可能呪文」の魔法を使い、「姿くらまし」術で、ハリー、ロン、ハーマイオニーの三人は、ロンドンの繁華街シャフツベリー通りへ瞬間移動。
しかし、カフェで、相談する三人の前に、すぐに、ヴァルデモートからの刺客が襲い掛かってきます。
すでに、ここも安全ではないと知ると、三人はかつて「不死鳥の騎士団」の本部であったシリウス・ブラックの隠れ家へ移動。
彼らは、そこでシリウスの弟であるレギュラス・ブラックの残していた「分霊箱」の一つである「スリザリンのロケット・ペンダント」を発見。
隠れていた「屋敷しもべ」のクリーチャーもクローゼットから引きずり出します。
そして、クリーチャーから、そのロケットは、「不死鳥の騎士団」臨時雇いのマンダンガス・フレッチャーが盗んでいったことを聞き出したハリーたちは、クリーチャーに彼を探し出すように命令。
マンダンガスは、すぐに見つけ出されて、ハリーたちの前に連れてこられましたが、ハリー・ポッターの名前を聞いて、クリーチャーに協力していたのが、同じ「屋敷しもべ」のドビーでした。


はいはい、彼は憶えています。
「秘密の部屋」の時、マルフォイ家に仕えていた彼を、最後に「自由の身」にしたのはハリーでした。
マンダンガスは闇の古物商をしていましたが、ブラック家から持ち出したロケットは、魔法省の取り締まりで上級次官ドローレス・アンブリッジに取り上げられたことを白状。
アンブリッジは、4作目「不死鳥の騎士団」で、ホグワーツ校に魔法省から赴任してきて、ハリーたちの邪魔をした、ピンクの服の嫌なオバサンでしたね。
実は、魔法省の魔法大臣は、すでにヴァルデモートたちによって殺されていました。
新しい魔法大臣になっていたのは、ヴァルデモートの部下であるパイアス。
ホグワーツ校も、ダンブルドアの後任として校長になっていたのはセブルス・スネイプです。
魔法界は、着実に勢力を拡大しているヴォルデモートに、支配され始めていました。

三人は、魔法省に乗り込んで、ロケット奪取作戦を敢行。
出勤途中の魔法省職員三人を捕らえると、ポリジュースで、三人に変身して、魔法省に潜入。アンブリッジが胸に下げていたロケットを首尾よくゲットしますが、瞬間移動魔法で脱出する際に、ロンが大怪我を負ってしまいます。
ハリーたちは、ダンブルドアの遺言通り、分霊箱の一つであるこのロケットを魔法で破壊しようとしますが、なかなか破壊することができません。
やむなく三人は、交代でロケットを身に着けておくことにしますが、ロンの怪我で、身動きが取れなくなった三人の間は、分霊箱探しがなかなか進展しないイライラもつのり、次第にギクシャクしはじめます。
ある夜、ハーマイオニーを巡って、ついに喧嘩になってしまうハリーとロン。
ロンは自分と一緒に来ようとはしないハーマイオニーを置いて、二人の元を去っていってしまいます。
ハーマイオニーを慰めるハリーですが、次第に口数も減る二人。
しかし、その悲しみを振り払うように、二人は「分霊箱」の所在を追及します。
そんな時、ダンブルドアの遺品であるスニッチに浮かんだメッセージから、二人は、グリフィンドールの剣が、ダンブルドアが住んでいたこともある、「ゴブリンの谷」のどこかに隠されている可能性があることに気が付き、急いで向かいます。



クリスマスの夜、ハリーの両親の墓に、クリスマスリースを飾る二人ですが、その様子をじっと見ている怪しい老婆の人影。
それが、ダンブルドアの旧友であるバチルダ・バグショットであると気が付いたハリーは、グリフィンドールの剣について聞こうとしますが、すでにバチルダはヴォルデモートによって殺されており、蛇のナギニが姿を変え、ハリーたちを待ち受けていたのです。

かつてハーマイオニーが両親と訪れたことのあるディーンの森に、テントを移動した二人。
ロケットを下げたまま、見張りを交代したハリーの前に、突然「光る鹿」が現れます。
それに導かれるように、森を進み、凍り付いた沼の上に立つハリー。
その氷を破壊すると、その水底に、ついにグリフィンドールの剣が現れました。
衣服を脱ぎ棄て、凍った沼に入っていくハリーですが、突然胸のロケットが暴れ出し、水中に閉じ込められそうになるハリー。
しかし、その窮地を救ったのは、戻ってきたロンでした。
ハリーはグリフィンドールの剣をロンに渡し、ロケットを破壊するようにいいます。
ロケットに取り憑いた魔物は、ロンの心の弱点をついて、巧妙に襲い掛かってきますが、最後はロンの剣の一撃で大破。
二人はハーマイオニーの元に戻ります。
ロンを、二人の元に導いてくれたのは、ダンブルドアの「火消しライター」でした。

さて、トリオは無事復活。
これまでの顛末を整理していたハーマイオニーは、「吟遊詩人ビードルの物語」の本に、ダンブルドアが描き加えたと思われる謎のマークがあることに気づき、これには何か意味があると二人に告げます。
いろいろな場所で見かけたマークですが、ハリーが思い出したのは、このマークのペンダントを下げていたのが、ビルとフラーの披露宴の会場で会ったルーナ・ラブグッドの父親で雑誌の編集長でもあるゼノフィリウスであったこと。
三人は、彼の元へ向かいます。


ゼノフィリウスは、彼らに尋ねられ、そのマークについて説明し始めます。
このマークが意味するものは「死の秘宝」でした。
さあ、ここで、やっと出てきました。
「死の秘宝」です。
これは、本作の肝になる、ヒッチコックがよくいうところの重要な「マクガフィン」になってきますので、きちんと知っておく必要がありそう。

それは、その3つを同時に揃えれば、死を制するものになるだろうとされる魔法界に古くから言い伝えられる伝説です。
そのひとつは、「ニワトコの杖」。
魔法界史上最強と言われる杖です。
もうひとつは「蘇りの石」。
死んだ者の魂を蘇らせることのできるパワー・ストーン。
そして「透明マント」。
これは、このシリーズで何度か登場しました。
身に纏うものを見えなくすることの出来る魔法のマントです。
この3つの秘宝にまつわる物語が、ハーマイオニーが、ダンブルドアから譲り受けた「吟遊詩人ビードル」に書かれてる三人の兄弟の話だったのです。
謎のマーク、この3つの秘宝をかたどったシンボル・マークでした。
すると、ゼノフィリウスの様子が・・
帰ろうとする三人をゼノフィリウスは、大声で押しとどめます。
そこへ、突如襲い掛かってくるデス・イーターの大群。
ゼノフィリウスは娘のルーナを、ヴォルデモートに拉致されており、ハリーたちと引き換えに、取り戻そうとしていたのでした。
間一髪のところで、「姿くらまし」の魔法を使って脱出した三人。
ホッとしたのも束の間、今度は「人さらい」一味に確保されてしまいます。
ハーマイオニーのとっさの判断で、顔に一撃を受けたハリー。
みるみるその顔は腫れあがり、ハリーとはわからなくなります。
そして偽名を使って逃れようとしますが、結局怪しまれて、三人は死喰い人の本拠地であるマルフォイの館へ連れていかれます。
そこに待っていたのは、ベラトリックスとマルフォイ親子。
ドラコにハリーの顔を確認させようとしましたが、「人さらい」一味の一人が、ハーマイオニーのバッグにしまってあったグリフィンドールの剣を腰に下げているのを見つけたベラトリックスの顔色が変わります。
彼女は、この剣がグリンゴッツ銀行のベラトリックスの金庫にしまわれているとばかり思っていたんですね。
ハーマイオニーによって、この金庫を開けられ、その他の分霊箱も盗まれたと勘違いしたベラトリックスは、ハリーとロンを地下牢に押し込め、彼女を尋問します。
地下牢には、拉致されていたルーナと、行方不明になっていた杖作りの名人オリバンダー老人、そしてホグワーツの教師で小人のゴブリンの姿も。
階上から聞こえてくるハーマイオニーの悲鳴。
救出をあせる二人の前に現れたのは、今は自由の身になっていた「屋敷しもべ」のドビー。

その頃、ダンブルドアの眠る墓石を暴いたヴォルデモートは、そこで、魔法界最強のニワトコの杖を手に入れていました。



さあ、ハーマイオニー、そしてハリーたちの運命や如何に。

ということで、大長編ファンタジーの大円団となる Part2では、今までシリーズの中で残されていたすべての伏線が回収されるはずですので、今回は登場人物と物語背景を整理して、Part 2へと備えてみました。

整理ついでに、クライマックスを理解するうえで、本作では、「死の秘宝」と並んでもうひとつ大事なマクガフィンとなる「分霊箱」について。
これは、簡単に言うと、魂を分割し、その断片をなんらかのグッズに隠す魔法です。

Wiki によればこういうこと。

「分霊箱に納められた魂の断片は、魂をこの世に繋ぎとめる役割を持ち、本来の肉体と肉体に宿る魂が破壊されても、ほかの魂の断片を納めた分霊箱が存在する限り、その者が本当の意味で死んだことにはならない。分割された魂がすべて滅ぼされた状態で本体が肉体的な死を迎えると、魔法を講じた者は死滅する。」

分霊箱は、本作の「スリザリンのロケット」の場面でもわかるように、強力な魔法特性を持った物でしか破壊できません。
ヴォルデモートの場合には、自分以外に6つの分霊箱があり、そのうちの「トム・リドルの日記」は、2作目の「秘密の部屋」で、バジリスクの牙ですでに破壊済み。
本作で、ロンがロケットを破壊しているので、残り5つということになります。
ハリーたちは、この7つの分霊箱を見つけ出し、すべてを破壊して、ヴォルデモートを再び闇の世界へ葬れるか。
そして、死の秘宝は、誰の手に渡るのか。


ということで、次回はいよいよ、本シリーズ最終作となる「死の秘宝 Part 2」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?