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ウルトラQ Part3 第15話〜第21話

第15話「カネゴンの繭」

完全に子供に舵を切ったジュブナイル・ファンタジーです。
レギュラー陣の出演もなし。石坂浩二のナレーションもなし。
改めて見てみるとシリーズ番外編といったテイストです個人的には怖いか、怪獣がカッコいいかが評価のモノサシになっていたマセガキでしたので、カネゴンは、あまりポイントは高くない怪獣でした。
ヒゲオヤジ役に渡辺文雄。後に科学特捜隊イデ隊員になる二瓶正也がここまでで3回目の出演。
主要な子役たちはみんな吹き替えなのが、今見るとちょっと気になります。
当時は子供たちに自然な演技をさせるのが結構難しかったようです。
ラストのオチはかなりシュールでした。

第16話「ガラモンの逆襲」

本シリーズにおいて、本格的な遊星人が登場したのは今回が初めてです。
火星から送られてきたナメゴンの時は怪獣のみでした。
本編では言及されませんでしたが、初めて登場した遊星人はセミ人間。
操る怪獣は「ガラダマ」に引き続いて登場のガラモンです。
そして本シリーズにおいては、初めて地球侵略を狙う円盤が登場します。
セミ人間は、黒ずくめの謎の男を装います。演じたのは沼田陽一。
ジュリー以前に、化粧をした男性を見たのはこれが初めてでしたね。
そしてもう1人、東宝特撮シリーズの顔とも言える平田昭彦もシリーズ初登場。

第17話「1/8計画」

このシリーズで、怪獣が登場しないエピソードは4話。
そのうちの1話がこれです。当初このシリーズは、アメリカのSFドラマ「アウターリミッツ」をモデルにして撮り貯められていました。
子供をターゲットにした怪獣中心の物語に変更したのは途中からだったようです。
ですから、本来のこのシリーズのテイストは、むしろこちら。
人間をダウンサイズして、東京の過密問題を解決しようとする物語です。
小さくされてしまうヒロイン百合子を演じた桜井浩子は、ウルトラマンでは巨大化も経験しています。
怪獣の登場しない特撮シリーズは、後の「怪奇大作戦」に引き継がれます。ラストは夢落ちですが、一度くらいはいいでしょう。 


第18話「虹の卵」

濃縮ウランを運ぶトラックが地底怪獣パゴスに襲われます。
パゴスは日本の新産業都市の筑波原子力発電所に出現。分子構造破壊光線を口から吐いて暴れ回りますが、この光線が放たれると金色の虹が見えます。
これを笹の花伝説と絡めて子供たちと歩けないおばあちゃんの感動友情物語にした脚本は秀逸。
シリーズの中でも好きな一本です。
怪獣の造形もなかなかかっこいい。
同時期の映画のバラゴンを改造したものですが、後にウルトラマン・シリーズのネロンガやガボラにも流用されます。
4つ足歩行のパゴスが2本足で立ち上がるシーンはなかなか痺れました。


第19話「2020年の挑戦」

ケムール人が登場したこのエピソードは、このシリーズの白眉だと思っています。
特にラストの遊園地のシークエンスは、非常に映画的で印象的でした。
「フォッフォッフォッ」という声と、あの独特の走り方は当時学校で真似しましたね。バルタン星人もこの声でした。
自衛隊の二等空佐役には、後に科学特捜隊のムラマツ隊長となる小林昭二。
人間消失のエピソードは、東宝特撮シリーズに「美女と液体人間」というお手本がありました。
あの頃は遠い未来だと思っていた2020年は、気がつけば4年前の過去です。ケムール人のスーツアクターは古谷敏で、この人は後のウルトラマン。

第20話「海底原人ラゴン」

日本海溝に住んでいた爬虫類(魚類?)が進化したのが海底原人ラゴン。
海底火山の爆発で流されてしまった卵を取り戻すために岩根島に現れます。
ラゴンの造形のアイディアは、「大アマゾンの半魚人」を意識していますね。
ウルトラマンにも巨大怪獣になって登場しましたが、本シリーズでは人間大のモンスター。
当然ミニチュアセットは作らなくて済むので、登場場面は多めです。
今回再見して気がつきましたが、ラゴンはメスですね。
乳房が確認できました。
ラゴンに襲われる漁師の役で黒沢年雄を発見。クレジットは年夫になっていました。

第21話「宇宙指令M774」

「私の名はゼミ。ルパーツ星人です。地球人に警告します。地球に怪獣ボスタングが侵入しました。」
アバンタイトルで、万城目や一平と船舶航行中の由利子が、落ちていた人形を通してキール星人の侵略を告げられます。
ボスダングはエイ(マンタ?)の怪獣。
迎え撃つ海上自衛隊の船長は、後に各部署長官を歴任する藤田進。
怪獣は航空自衛隊の攻撃で粉々になって爆死しますが、このシリーズではまだ自衛隊が強かったと確認いたしました。
友好的宇宙人は、地球人に同化しているという設定。
「あなたの隣にも宇宙人はいるかもしれませんよ」というラストは、SFホラー映画の定番ですね。

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