言葉が通じない不安と共に生きた海外旅行
けたたましく鳴り響く電話。
眠りの中で揺蕩っていた私は、その音に叩き起こされた。
見知らぬ天井だ…。
スマホを見ると朝3時、横には妻の姿。私は、自分が置かれている状況を思い出した。
◇
その前日、新婚旅行4日目となる日のことだった。バルセロナ空港にて、イスタンブールに向かう航空便を待っていた。
ただ、航空便が遅延していた。11時発の航空便が、13時発予定に後ろ倒しになり、さらに14時発に変更となっていった。
航空会社の社員たちがソワソワしていて、嫌な予感がした。