3月4日のにっき

個人店は怖くてなかなか行けない。旅先でもチェーン店に入ってしまう。ガスト大好き。

近所に町中華がある。4年間住んでいて一度も行ったことがないまま引っ越すのはもったいないので、今日は意を決して食べに行くことにした。

一歩入ると靴が脱げた。私の足は23.5cmがジャストサイズだけどいつも履きたい靴が25cmしかなかったりするので基本ぶかぶかの靴を履いている。町中華の床のギトギトが作用して靴が脱げたのだ。
もう既に町中華をめいっぱい楽しめた気分。

内心ニコニコで靴を履こうとしてると、

「靴を履く時は靴べらを使いましょう」

とマナー講師が注意してきた。私の靴はぶかぶかで靴べらなんて使う必要がないし、そもそもマナー講師は赤の他人なので無視した。
そしたらマナー講師は、

「あ、無視するんだ。そっか、じゃあ人のマナーを指摘するだけが生きる理由のマナー講師なんていらないってことだ。私は死ねばいいってことなんだ」

と言って餃子をひとつ食べた。怖い人だった。

私は餃子と炒飯を注文した。中華と言えば、以前飲み会でべろべろの先輩が飲み残した食前酒を飲まされてトラウマになっていた。思い出を塗り替えるために食前酒も頼んだ。

マナー講師は全然帰る気がなさそうだった。ご飯屋に置いてある、ながら見専用テレビを、食事を終えてから背筋を伸ばして見ている。町中華にとって姿勢が良すぎるのはむしろマナーが悪いんじゃないか


料理が運ばれてきた。
餃子から湯気が出ていてとても美味しそうで、実際食べてみると肉汁が出てきて美味しかった。タレがなくても味が濃いタイプの餃子で炒飯が進む。
あっという間に完食し、大満足だ。

夢中で食べてたのですっかり食前酒を飲み忘れていた。

食前酒を食後に飲んだら、マナー講師が怒ってきた。このままだと食前酒にトラウマを積み重ねてしまう。なんとかせねばと、店員さんを呼んで餃子と炒飯をもう一度注文した。

「これを今から食べたら、今飲んだ酒は食前酒になりますもんね」

と言ってやったら、マナー講師が

「あらあら」

と言った。なんだあらあらって。



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