4月20日のにっき

自転車置き場に新品の自転車が置いてあった。

地面が斜めっているせいで簡単な風で倒れてしまう置き場ランク的には下の下の劣悪環境なんだが、新品のクリーム色の自転車が一台増えただけでまともに自転車置き場に見える。

多分新年度だから誰かが引っ越して、その部屋に新しい人が引っ越してきたんだと思う。

そんな新品のクリーム色の自転車が私の自転車にもたれかかっている。

私の自転車ちゃんは四年間よくやったよ。
劣悪な斜め地面のせいでギリギリのバランスを保つ自転車ちゃんに追い打ちをかけるように強風やら雨風やらそよ風やらが吹いて倒れてばっかりだった。もう最初から倒しておいた方がいい気もした。人間は横になってるのが真の姿だって、立ってるのが不自然だって誰かが言ってたし。

倒れる度に起こして、倒れる度にどこかが歪んでいく私の自転車ちゃん。それでも私の足となり毎日の生活を助けてくれた。ぐしゃぐしゃに変形した籠、倒れる度に破損するベル、今のは4代目ベルか?

自転車ちゃんは四年間よくやった。もう十分だ。
今年の冬に遂にライトも破損してしまったね。ライトの金具が食い込んでタイヤが回らなくなったね。

自転車ちゃんはもう私の足にはなれない体になってしまった。今は新品のクリーム色の自転車の下敷きになっている。クリーム色の新人が地面に倒され傷つかないよう、緩衝材としてこの自転車置き場で生き続けるんだなあ。
まだまだ活躍するんだなあ。


クリーム色の自転車の持ち主、礼はいりません。
ただ、その下敷きになっている私の自転車ちゃんが自転車だってことは忘れないでほしい。私も忘れない。



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