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【SUJIN JOURNAL 2023- 準備室日記】いきいき小さな芸術祭に参加してきました!

このnoteでは毎回異なる書き手が、京都市立芸術大学 祟仁キャンパスとその周辺で行われる、様々な表現や出来事の現場を記録・発信しています。

訪問日:2023年10月7日 
この記事を書いた人:美術学部 構想設計専攻 2回生 枩倉伶
(SUJIN JOURNALスタッフ)

 お久しぶりです。今回の担当は枩倉です。前回の投稿からかなり時間が空いてしまいましたが、今回は昨年10月7日に行われた「いきいき小さな芸術祭」の様子をお伝えしたいと思います!

・ いきいき小さな芸術祭って?

いきいき小さな芸術祭とは、京都市立芸術大学B地区とC地区の間にある「蓋掛広場(ふたかけひろば)」にて行われた、その名の通り小さな芸術祭です。「地域と京芸生がであうちいさい秋」をコンセプトに、きょうげいB-LABOさんをはじめとする崇仁地域で様々な活動をされている複数の京都市立芸術大学の学生と崇仁自治連合会さんが協力しあって運営されています。

・ どんなことをするの?

今回いきいき小さな芸術祭には「きょうげいB-LABO」、「崇仁すくすくセンター」、「あつめやさん」、「でまえやさんといっしょ」の4つの団体とお店が参加されていて、様々なワークショップや交流会などがありました。今回はその中から筆者が実際に体験したものをいくつか紹介したいと思います。


◯あつめやさん

蓋掛広場に入ってまず目に止まったのは様々なものが置かれた丸いテーブルを出していたお店屋さん。ふと横を見ると看板があり、そこには「あつめやさん」の文字が。

『あつめやさん』の看板。パペット人形(?)がとても可愛らしい。

「あつめやさん」は以前から崇仁地域や、以前記事としても取り上げさせて頂いた下京いきいき市民活動センターで活動をされている団体さんで、「『あつめる』という行為の幅を広げる」をコンセプトに、京都市立芸術大学 構想設計専攻 大学院を卒業された 前 瑞紀 さんと、京都市立芸術大学 大学院 彫刻専攻に在学中の 岡田 真由美 さんの二人が中心となって生まれました。

店長の岡田さんとお客さん


そんなあつめやさんでは、丸テーブルの上に様々なあつめたものや落とし物が展示・販売されていました。店長の岡田さんに「これは?」と質問するとその「もの」それぞれのエピソードが聞くことができ、思わず聞き入ってしまうほど。そんな中でも面白かったのは「レシピくじ」。お手製のおみくじBOXからくじを引くと…

木の温かみを感じるお手製おみくじBOX。
『レシピくじ』。
こちらもあつめやさんが崇仁地域の方たちから「あつめたもの」だそう。
中から手書きのレシピが!今回出てきたのはキンキントマト。美味しそう

そんなあつめやさんのイベントや出版物など、活動はこちらのHPでも見ることができますので気になる方は是非以下のリンクから!


◯B-LABOワークショップ

続いて目に止まったのはこちらの屋台。こちらはこのSUJIN JOURNALでも何度か紹介させて頂いたきょうげいB-LABOさんの屋台で、ポストカードや革小物などが売られていました。

キャスターのついた移動可能な屋台。
きょうげいB-LABOメンバーお手製の革小物。

筆者も革小物が気になり、思わずキーストラップを一つ買うことにしたのですが購入の対応をしてくださった方がなんと制作者様ということが判明。思わずインタビューを申し込んでしまったのですが、快く承諾してくださりお話を聞くことが出来ました。

・きょうげいB-LABOメンバー プロダクトデザイン専攻3回生 西田 亨(にしだ とおる)さんにインタビュー

Q.革製品を作ろうと思ったきっかけは何ですか?

西田さん:プロダクトデザインの授業で革小物を作るっていう授業がありまして、その授業では手縫いで制作をしていくんですけど、結構僕は地道な作業が好きで時間をかけて一つのものを作るっていうのが楽しくて。もちろんミシンでやったら早く完成させられるんですけど、あえて手縫いでやることで丁寧に綺麗に仕上げられる。それが何というかすごくいい趣味だなと思って作ってますね。

Q.B-LABOさんとの関わりを持つきっかけは何でしたか?

西田さん:崇仁地域で最後の革屋さんの西川屋商店さんというお店があるんですけど、そのお店を知った時に同時に衰退していきつつある崇仁の革製品の現状も知って、やっぱりそれが勿体無い、もっと広めていきたいなと思って。B-LABOを通して、崇仁の革を使ってこんなに綺麗な作品が出来るんだよっていうのを発信していきたいと思ってます。

自身で手掛けた革小物を見せてくださる西田さん。
インタビューに応じて下さりありがとうございました!

ワークショップ開始

そうこうしているうちに、きょうげいB-LABO代表の鳥井さんによるアナウンスが入り、蓋掛広場にいる人たちが真ん中のテーブルに集められます。いよいよワークショップが始まるようです。

まずはご挨拶から

今回のワークショップは以前SUJIN JOURNALでも取材させて頂いた、B-LABOさんが所有する八方ミシンを使った靴づくり。鳥井さんによる説明の後、中央の机に地域の方やお店から頂いたという大量の素材が広げられます。

革やフェルトなど、様々な素材が並ぶ。
どんな靴にしようか、構想を練りながら思い思いの形に布を加工していきます。

素材の加工が終わると、いよいよ八方ミシンでの縫製に入っていきます。
まずは鳥井さんによるお手本の実演から。

八方ミシンを使う鳥井さん。
しっかりと縫い付けられていきます。

続いてはいよいよ参加者さん達の出番です。
皆さん慣れない手つきながらも、鳥井さんに手伝ってもらいながらゆっくりと縫い進めていきます。

参加者さんの作業を手伝う鳥井さん。八方ミシンには使いやすくなるように鳥井さんの手によって追加パーツが付けられている。
ワークショップ後、ダブルダッチをよく蓋掛広場で練習している方たちとコラボレーションする場面も。八方ミシンの駆動リズムに合わせて跳んでくれている。

◯きょうげいB-LABO代表 鳥井直輝さんにインタビュー

実はワークショップが始まる前、少しお時間をとって頂き「いきいき小さな芸術祭」主催の一人でもある鳥井さんにお話を伺うことが出来ました。

Q.今回のイベントを通して、これから先芸大生に地域とどういった関わりを持っていって欲しいですか?

鳥井さん:これまでB-LABOは一年半くらい地域の中で様々な人と関わりながら活動してきたんですが、その活動を僕らだけで終わらせてしまうんじゃなくて、それが芸大生にどんどん伝播していったら良いなと思ってて。このイベントをきっかけに僕らが今まで関わってきた人たちと、芸大生を繋ぐというかB-LABO以外のプロジェクトが始まる場になっても良いんじゃないかと思ってます。
それとやっぱり移転してきて芸大生の中にも嬉しいって人もいれば不安な人もいると思うんですけど、ふと周りを見てみるとすごく優しい地域の人たちがいるっていうのをこういうイベントを通して気づいてもらえればなとも思いますね。

Q.移転が完了し、拠点が近くなったことで活動の幅が広がっていくであろうB-LABOをこれからどのような組織に育てていきたいですか?

鳥井さん:それは結構難しいところなんですけど笑 B-LABOっていうのは芸大でもなければ、完全に地域のスペースって訳でもないなんか浮いた場所というか、地域と芸大の混じり合える場所、プラットフォームとして作り上げる事が出来てきてるなと思うんですけど。これからちょっと具体的に考えてるのはオープンデイという形で今まで関わってきて下さった方達にゆるやかに来て貰って相互に交流出来る場所に更にしていければなと思ってますね。

鳥井さんと次期代表(?)2回生の小谷さん。

◯まとめ

ついに崇仁への移転が完了し、新たな場所で新たな歴史へと踏み出した京都市立芸術大学。そんな京芸にとって新天地での初めてのイベントに当事者として参加できたことを非常に嬉しく思うと共に、これから先のの地域と芸大生の可能性を確かに感じることが出来た芸術祭でした。今回参加された団体さん、お店屋さん、開催に協力してくださった地域の皆さんを筆頭に、今後も地域・芸大双方からお互い歩み寄って交流できるような場所に、この蓋掛広場は成長していくのかもしれません。

最後になりましたが、インタビュー・撮影に応じてくださった皆様、イベントを運営してくださった芸大・地域の皆様、本当にありがとうございました!


訪問日:2023年10月7日 
この記事を書いた人:美術学部 構想設計専攻 2回生 枩倉伶
(SUJIN JOURNALスタッフ)

本noteについては以下のnote記事をご覧ください。また記事についてお問い合わせ等ございましたら、sujin_journal@kcua.ac.jp までご連絡ください。




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