掬
縁日の金魚すくいみたいに
今まで生きていた世界から
掬われて 救われた気でいたけど
やはり生きやすいのは 元の場所なのだろうか
今まで見ていた世界が嘘みたいに変わって
綺麗な水槽のガラスに映る見た事ない自分を見た
空っぽのグラスが満たされてく様だった
でもやっぱり剥き出しの心はだめだった
ヒリヒリして仕方がない
もういっそのこと1人でいたい
けれど独りが嫌だった
私はいつだって変化を求めるのに
変化が恐ろしかった
外の気温は30℃で きっと今年も
最高記録の暑さ なんてワードが画面に連なっても
なんだか寒かった
アイロンで整えた髪の毛がぐしゃぐしゃになってもいいから鼓動と腕に挟まれたかった
薄い皮膚に描かれた7本の赤が滲んでいくのをみて
安心した
誰もいない296の大通 気付けば凄い速さで進んでた
ベットで仰向けになり天井の窓から月明かりが差すのをみていた
こんな時 彼が横に居ればいいのに と思った
そんな一日だった
来週 隅田川のお祭りに行く
りんご飴も食べたいし花火も見たい
きっと金魚すくいはしない
彼らにとっての1番幸せな結末は 何?
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