見出し画像

お台場の古きを新しく楽しむ

お台場といえば、フジテレビであったりパレットタウンであったり科学未来館であったり観光やデートスポットという印象が強いです。この土地は東京湾の海の中、埋め立てによってできた商業地区です。

歴史を辿ると、江戸・東京の中心部への海からの入口、まさに防衛拠点。お台場の名は「台場」という海の中に築かれた砲台の名前だったのです。この「台場」(砲台跡)は、実は東京湾の中に国指定の史跡として残っています。

今回、「台場」にスポットを当て、観光してきました。使ったのは「水陸両用バス」と「電動アシスト自転車(レンタサイクル)」。東京の古い歴史の新しい楽しみ方かも。

1.お台場の歴史

江戸時代に異国船を追い払うために海岸近くに設けられた砲台のことを「台場」と呼んでいます。1953年にペリーが来航し、危機を感じた江戸幕府は江戸の防衛のために東京湾に6つの砲台を築きます。この6つの砲台を「品川台場」と呼んでいます。現在のお台場という地名は、ここからきているんですね。

下の地図は、今昔マップで明治時代と現在を比較したものです。左が明治の地図。6つの正方形の島がはっきり見えます。明治時代は、現在のように埋立地が少なく、東京湾は広いです。

6つの台場のうち、右の2つが、現在の地図でも確認することができます。「品川台場」との表記も見えます。これが、現存する「台場」です。現在の地図で、この2つの「台場」に沿うように緑色の道路が走っているのが見えると思いますが、これがレインボーブリッジです。レインボーブリッジの直下に、このような史跡があったのですね。

「品川台場」が完成したのは1854年、ペリーが初めて来航した翌年には既に完成していたのですね。

フジテレビなどがある現在の「お台場」地区の埋め立ては1970年代に行われたみたいですが、この地が今のような商業地区となるのは1990年代になってからのようです。ちなみにフジテレビが、この地区に移転してきたのは1997年とのことです。

2.船から見る「台場」(第六台場)

水陸両用バス「SKY Duck」に乗船し、しばらく進むとこんもりした島が見えてきました。「第六台場」です。感激。

石垣の上の上にうっそうとした森が広がっています。石垣の石は形が不揃いですね。1年そこらの突貫工事だったのでやむをえないでしょうが、短期間で石を集めるのも簡単ではなかったはず。ネットの情報によると、この石も江戸城の石垣と同様、伊豆から運ばれたようです。半年や1年で人手だけで積上げるというのは人知を超えてますね。

島の裏側には、入口らしき部分が見えました。「立入禁止」とあります。中はどうなってるんでしょうか。非常に気になります。いつか公開してほしいなあ。

このような史跡が残っているのは奇跡ですね。品川側にある台場は、埋立の対象になったり、大型船の航路の邪魔になったりで撤去されたのでしょうが、第六台場は、特に壊すこともなく放置されたために、このように現存するんでしょう。
残念だったのは、水陸両用バスのガイドさんが「台場」のことに触れてくれたのは1分程度でした。

3.「台場」への上陸(第三台場)

「第六台場」は立入禁止となっていますが、一方「第三台場」は「台場公園」として開放されています。しかも、ここはお台場から陸続きでアクセスできます。Google Mapで見たのが以下です。東京ジョイポリスやお台場海浜公園の駅からは少し距離があります。我々は、レンタサイクルでアクセスしました。あとで紹介しますが、レンタサイクルの拠点はたくさんあり、全く困らないです。

下の写真は台場公園の入口です。前方に見える階段から「第三台場」に上陸します。海上に浮かぶ立入禁止の「第六台場」に比べると綺麗に整備されています。

入口に来ると、石垣が間近に見れます。ここの石垣も、江戸時代に築かれたそのままなのでしょうか。ネットで調べた限りは判明しませんでしたが、もしそうだとしたら、ここまで近くで見れるのは貴重だと思います。

公園を歩くと、最も先端に砲台跡が残っています。お台場の日航ホテル(現ホテル グランド ニッコー)の方向に向けられています。あちら側が東京湾の沖へ向かう方向だったのでしょう。
また、お台場ののどかな海に屋形船などが停泊していて、のどかな風景でした。閑散とした中にカップルがいたり、犬の散歩してる人がいたり。ゆっくり船を眺めてたい気持ちです。

島の真ん中は下の写真のような窪地になっており、かまどや、陣屋跡がありました。テクノロジーもなかった江戸時代に、しかも短期間によくこんな島を造り上げたなあと感慨深いです。

島のレインボーブリッジ側に、下の写真のような海と島の窪地をつなぐ切通しがありました。ここが入口だったのでしょう。当時は動力もないわけなので、手漕ぎ船などをここにつけて入ったのでしょうか。この切通しは立ち入り禁止になっており、木も茂っていて入れなくなっています。一度ここから海に出てみたいものです。


4.都心の楽しみ方①~水陸両用バス

東京の川や海を運行する観光船は、いろいろあります。「屋形船」はその代表格ですね。数年前から水陸両用バスという新しいタイプのものがあると聞き、ずっと乗ってみたいと思ってました。

お台場では、「SKY DUCK」「KABA」の2種類の水陸両用バスが運行されているみたいです。私が乗ったは「SKY DUCK」。東京テレポートの駅を地上に上がったところにある乗場から乗ることができます(もちろん予約が必要)。

乗車した後、お台場のメイン道路を10分ほど走り、その後、岸へ出るゲートを通り、海へ入ります。ここの地点には海に向けて専用の傾斜をもうけており、潮の流れを確認したり海から上がってきた車を洗車するための装置が配置されています。

今回の乗客は、小さい子供を連れた家族や外国人ばかりでした。バスガイドさんも、どちらかというと子供向けのガイドをされていたと思います。
海へ入るときは少しスピードをつけて、水しぶきを上げる形で入水します。一瞬ですが、まあまあ楽しいです。日によって違うようですが、窓側の何人かはちょっと濡れるようです。

所要時間約30分くらいで、レインボーブリッジを超えて戻ってくるので乗船としては非常にお手頃です。台場跡も満喫できます。家族連れにはちょうど良い遊びだと思います。

5.都心の楽しみ方②~レンタサイクル

東京のレンタサイクル事情は充実してきているようです。街歩きしていても、レンタサイクルらしき自転車に乗っている人をよく見かけます。今回は、初めて利用してみました。

利用したのはドコモバイクシェア。拠点は東京23区全体をカバーしているようです。アプリをインストールすると、レンタル拠点が地図で見ることができます。下の地図のように、お台場だけでも多数の拠点があります。また、地図上にある○の中にある数字は、拠点にある自転車の台数を表すようです。

レンタルするには1台につき1つのスマホが必要なので、家族で使用するにはその分のスマホが必要になるみたいです。その点は、すこし使い勝手が悪いかもしれません。

今回は、4人家族みんなでお台場観光しました。子供たちは、史跡にはさほど興味はなかったですが、水陸両用バスや、スマホで予約するレンタサイクルなど、子供の好奇心を刺激するものの力で、皆で史跡巡りを楽しむことができました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?