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Janis Joplin コズミック・ブルースを歌う

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たしか、1969年。ジャニス・ジョプリン名義の初アルバムだったはず。

ジャケットの暗いイメージが気になったものの迷わず買ったのは、モンタレーかウッドストックかで、巫女のごとく髪振り乱して脳天を直接震わせるかのごとくシャウトしていた彼女の姿に、すっかりしびれていたからだったろう。

初聴きでレコードから伝わってきたジャニスの叫びは、映像で印象が希釈されないからか、悲しみが深く重すぎていたたまれないほどだった。

後年になって、久しぶりに盤を持ち出して針を落としてみると、B面の何曲目かで「私の不幸な少女」というフレーズが耳に残った。

優しくいたわるように、慈しむようにに絞り出された、「My unhappy little girl blue, yeah」のささやき。

「little girl blue」
何かのミュージカルのなかの曲らしい。

家庭で、学校で、社会においてもずっと疎外感に苛まれていたらしいジャニスが、わが身に重ねての叫びだったのだろうが、私には若くして自死してしまったF子に、その叫びが重なっていた。

ジャニスが彼女の魂を慈しみ追悼してくれている…

そらからは、得難いものを得た喜びとともに何度も何度もB面に針を落として聴きつづけたものだった。

そのときはすでに。ジャニスもこの世にはいなかったが…


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