タイトル

CREAM クリームの素晴らしき世界

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ビートルズしかり、ツェッペリンしかり、奇跡ともいえるメンバーの邂逅が音楽的な反応を引き起こしてロックの名曲が生まれ、名演が残された。

そのロックの基本構成であるギター、ベースにドラム。それぞれにエリック・クラプトン、ジ ャック・ブルース、ジンジャー・ベイカーの3人集まったクリームを奇跡といわずして何といおうか。

超絶テクの3人が挑発し煽りバトる演奏の緊張感は、甘ったるく世間ナメてた高校生には心地よく、何もできない、しようともしない自分さておき、クソったれなオトナ社会をブチ壊してくれる幻想とともに聴き入ってもいたのだろう。

ジャズ畑から来たブルースとベイカー。ブルースで育ったクラプトンが融合しての骨太なハイブリットロックは、サイケデリックロックとネーミングされたが、その後に隆盛となったハードロックの始祖は、このクリームだろう。

運命的なグループの宿命か、短命に終わったグループ。ライブを体験することはできなかったが、後年、クラプトンはソロになってから大阪で、ベイカーは今治に来たのを広島からチャリ飛ばして拝みに行っている。

沖合いに係留した艀のステージに祭壇のように厳かに置かれたドラムセットに鎮座してベーカー大明神が地霊震わせパーカスしたのに同期して、即席膝ドラム夢中に叩いたのが招魂になったのか、ライブはねた砂浜でワンカップ呑んでいるところに女子高生が5、6人やってきて、「よかったらカラオケ行きませんか?」の逆ナンバ。
どうやら、わが熱狂ぶりにシビレたらしかった。

クリームのうち、いまは亡きブルースの生演奏聴けなかったのは心残りだが、あの夜カラオケに行かなかった後悔の方が、年々重くなっている今日この頃だ。


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