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ガス絶縁開閉装置の仕組みとメリット

ガス絶縁開閉装置(GIS)というのは、送電系統関連設備の中の遮断機の一種です。遮断機というのは、on/offスイッチのようなもので、開けば、回路が途切れ、電気が流れなくなるものです。GISは、その開閉部、つまりスイッチの部分に特殊な機構が設けられたものです。

用途

遮断機も、雷対策の一つで、電線から伝播してきた雷のサージ電圧から、変電所を守るためのものです。遮断機は変電所を守る最後の門のような位置づけで、その外側には避雷器が設置され、できうる限りのサージ電圧を地絡させて減じます。そこから先のサージ電圧の余力を遮断機が引き受ける形になります。

仕組み

基本的には、遮断機を開いて、回路を途切れさせ、電流を流さなくするというものです。しかし、雷の威力を舐めてはいけません。生半可な遮断では、離れた電極間にアークが発生し、遮断したつもりが電流が流れてしまい、変電所まで到達してしまう、ということが起こりえます。

つまり、スイッチオフ状態の電極間の距離が近いと、アーク放電で通電してしまうのです。そのため、かつての遮断機のサイズは大きくならざるを得ませんでした。

ガス絶縁開閉装置のメリット

GISでは、遮断機が開くのと連動して、六フッ化硫黄(SF6)という気体を電極間に吹き付けます。この気体は、大気に比べ絶縁性で3倍優れており、また高い熱伝導性もあるため、アーク放電を遮断するとともに、上昇した温度を速やかに冷却し、遮断を成立させる効果があります。

この高い絶縁性ガスによって、大気遮断機に比べ、GISは設備をよりコンパクトにすることが可能です。この効果は、変電所自体の縮小化・省スペース化を可能にするほどで、絶縁の信頼性の高さもあって、大都市の変電所では、かならずGISが設置されているようです。

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