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ホームトレーニーのリングフィットアドベンチャーレビュー #7 頻度とプログラム

持ってる「リング」の力ぜんぶ返してくれるドラゴ様のサムネで記事を始めよう。善意の化身かよ。

今回は、エクササイズのフォームなどから視点を逸らし、「リングフィットアドベンチャー(以下、RFA)」をプレイする「頻度」を考えていきたい。それに伴い、筆者が組んだ1週間のモデルプログラムをいくつか紹介していこう。

ウニの世話で忙しい

「筋トレ」もとい運動というのは継続するのがなかなか難しいものである。ちょっとでもやらない期間があると、そのままフェードアウトというのも一般的だろう。「RFA」においては、同ハードで同会社が「ポケモン」という超ド級のコンテンツをぶつけられたため、多くのトレーニーが挫折したのではないだろうか。かくいう筆者もいまちょっとウニ(「バチンウニ」というポケモン。ちょーかわいい!)の世話で忙しいのである。発売からそこそこ経っているので、「RFA」そのものに飽きてきた人もいるかもしれない。

そんなわけで。本記事では「RFA」をプレイする最適な頻度を求め、「最低限の運動」を確保し、後述するプログラムを惰性でもやってさえいれば一定の効果を得られるようにしていきたい。

ではそろそろ「頻度」について考えていこう。

「RFA」はやりすぎるな!!!

本レビューシリーズの3弾において、筆者はそれとなく、「やりすぎ」による危険性を指摘しておいた。

>何も考えず、対策もせずに毎日これを行うのは、確実にやりすぎである。時々は負荷を下げたり、休みの日を設けたり、個別メニューだけの日を設けるなどして無理のない範囲で運動を楽しんでいただきたい。

「アドベンチャーモード」の運動についての筆者の言葉だ。実は、もっと辛口のコメントをするつもりだったのだが、この記事を投稿した時はブーム真っ盛りであり、楽しくプレイしている方々に水を差すようなことはしたくなかったのである。

しかし、ブームが落ち着いた今なら遠慮は要らないだろうから、はっきり言っておく。「アドベンチャーモード」は、決して無計画に行ってはならない。

その理由は、「筋肉の発達条件」と、「筋肉の合成と分解のタイミング」にある。

筋肉は「ストレス応答」によって発達する

はじめに言っておくが、「筋肉を発達させる」ことは筋トレの本懐であり、すなわり「RFA」をやる意義のひとつだと言える。また、ボディビルダーのような身体になりたかろうが、引き締まったスリムな体になりたかろうが、「筋肉の発達」は絶対的に必要である。

ダイエットしている人も冷静になってよく考えてみてほしい。落としたいのは「体重」と「体脂肪」どちらだろうか。筋肉ごと「体重」を落とせば、いわゆる「隠れ肥満」になる可能性が出てくるし、代謝低下やインスリンヒエラルヒーの理論によって太りやすい体質になってしまう。本当にそれでいいのだろうか。筋肉を発達あるいは維持し、体脂肪のみを落としていく方法こそ、肝要ではないだろうか。

ここからは、「筋肉の発達」という言葉が何度か出てくるが、「ムキムキになりたいわけじゃない」などとネガティブに捉えないでほしい。それについての回答はそもそも「RFA」内でなされているはずだ。

では解説に移ろう。

筋トレのことをインターネットや本で調べたことのある方なら、「筋肉は超回復によって発達する」との記述を目にしたことがあるかもしれない。実際、今でもそのような記事は見かけるのだが、これは「グリコーゲンの超回復」と混同された間違いであり、現在では「ストレス応答」によって発達するとの見解が正しいとされている。

我々の身体は、物理的・心理的・化学的にも命をおびやかすようなもの(ストレッサー)に直面すると、身体は自らを守ろうとする。その反応を「ストレス」と呼ぶのである。「ストレス応答」は、その「ストレス」に適応しようとする働きのことだ。

難しい話になってしまう前に、簡単な例を挙げるのでそれで理解していただこう。

例)立ち仕事における直立(ストレッサー)→脚が痛くなる(ストレス)→仕事を何日も続けていると神経が慣れ(ストレス応答)、立ち続けられるようになった

これに筋トレを当てはめ、噛み砕いて言うと「筋トレによって筋肉に強いストレスを与えると、ストレス応答によって、筋肉はそのストレスに耐えられるようになるために発達する」ということになる。大雑把だが、なんとなく想像できただろうか。

さてこれが「RFAやりすぎ注意問題」にどう関わってくるのかというと、「毎日行えるような強度の運動はストレスにならない」の一言に尽きる。筋肉を発達させるには、「ストレス応答」を引き出せる強度が必要となってくるが、毎日行える運動(エクササイズ)は日常生活と殆ど変わらず、全く強度が足りないのである。

逆に言えば、1回行えば明日はとても同じ運動はできないというような強度の運動こそ、筋肉の成長をもたらすのだ。現在、毎日「RFA」で同様の運動を行えている人は、全然強度が足りてないと思ってくれてよい。

また、「RFA」が初めは良い「ストレッサー」になっていたとしても、運動への適応、「慣れ」が生じていれば「ストレッサー」としての意味もなくなってしまう。つまり、定期的に負荷や種目を変更していくことが望ましい。

筋肉が発達するタイミングは「筋トレ中」ではなく「休養中」

「筋トレ」はとにかくやればやるほど成果がでるのだろうか。答えは「NO」。運動中は筋肉の合成・分解どちらも刺激も起こるが、分解の刺激は時間を長くすればするほど高くなっていくのだ。筋肉を分解する「コルチゾル」などは運動開始後約75分程度でレベルが高くなってくる。よって、最大でも運動時間は1時間以内に収めるのが望ましい。2時間の有酸素運動などもってのほかで、一生懸命筋肉を分解しているようなものである(神経系の改善で走る能力は向上するため、筋肉がついたと錯覚することはあるかもしれない)。

またここでも、「長時間の運動が毎日行えるようでは強度が全く足りてない」ということが言える。

筋肉を発達させるには休養が大事になってくる。運動を休み、血行を改善し、充分な栄養を身体にいきわたらせる行為だ。なにもこれは難しいことではない。血行は単に横になっているだけでも改善される(この目的では睡眠する必要はないので、寝っ転がってゲームしているでもOK)し、半身浴やマッサージなども良い。

まとめると、筋肉の発達を目指すには

「筋トレで筋肉に最低限のストレスを最短の時間で与える。あとは休む。」

これが効率の良い考え方だと言える。

RFAで適切な頻度と時間

では、週にどのくらい「RFA」をやれば効果的なのか考えてみよう。

ちょっと笑ってしまう余談なのだが、「RFA」発売直後は数十分~1時間を超えるような運動のツイートをいくつか見かけ、〇日やっただのなんだのととにかく長時間・連日プレイを報告するものが目についた。ところが、ブームが落ち着き、「RFA」をプレイする機会や頻度が減ったことで、今度は適切な頻度と時間で遊ぶ人が目立ってきたのである。

まあ、筆者のTL上の話なので皆が皆そうではないだろうが、熱が冷めたことが最適化につながっている可能性はなんとも皮肉で、面白い。

それはさておき。

筆者が考える「RFA」の適切なプレイ時間はズバリ1日20~40分・週3回である。これは、「継続していける頻度」「休養時間の確保」「筋肉にストレスを与えるためのエクササイズを行う最低限の時間」のバランスを考えた結果だ。但し、運動を行う目的や生活スタイルによって、ここに多少の肉付けが必要となってくる。

ここからは、筆者が考案した1週間のモデルプログラムをいくつか紹介するので、自分に合ったものをチョイスしてやってみてほしい。

モデルプログラム1:ゆる健康運動コース

ダイエット適性:★★★☆☆

筋発達適性:★★☆☆☆

推定運動時間:20~40分

頻度:週約2回(1回やって3~4日休む)

【実際】

1、ウォームアップとして「アドベンチャーモード」好きな1ステージを限界負荷の50%で行う。スキルは青・赤のみ。

2、休憩5分

3、メインセットとして「アドベンチャーモード」好きな2ステージを限界負荷の100%で行う。スキルは青・赤のみ。

以上。

【解説】

最もゆるいプログラムだが、代謝向上には充分で(16分の筋トレで72時間の代謝向上が見られた研究があり、これは3~4日に1回20分程度の運動でダイエット効果が期待できることを示唆している)、時間はないが運動を続けていきたい人向け。あまりやる気がない人だと、休養の3、4日のうちに挫折してしまう可能性があるので注意。

モデルプログラム2:ベーシック筋トレコース

ダイエット適性:★★★☆☆

筋発達適性:★★★☆☆

推定運動時間:20~30分

頻度:週約3回(1回やって2日休む)

【実際】

1、ウォームアップとして「アドベンチャーモード」好きな1ステージを限界負荷の50%で行う。スキルはヨガ以外をお好みで。

2、以下のA・B・Cの3つのパターンのうち、どれか1つを行う。Aを行ったら、次回のトレーニング日にBを行い、その次のトレーニング日にCを行うといったようにサイクルにする。サイクル順は絶対に乱さないこと。

トレーニングA(胸+背)…モグラたたき1回、ストイック大胸筋2回、エンドレス広背筋2回

トレーニングB(肩+腕)…「カスタム」でリストを組む。

バンザイプッシュ→バンザイプッシュ→カタニプッシュ→ウシロプッシュ→カタニプッシュ→ウシロプッシュ→カタニプッシュ→ウシロプッシュ

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トレーニングC(下半身+腹)…「カスタム」でリストを組む。

バンザイスクワット→バンザイスクワット→ヒップリフト→ヒップリフト→マウンテンクライマー→マウンテンクライマー→バンザイモーニング→バンザイモーニング→レッグレイズ→レッグレイズ

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以上。

【解説】

週3回以上のトレーニングの場合、筋肉の回復時間の確保のためにいくつかの部位に分けてこなしていく。とりあえずはこの「ベーシック筋トレコース」が筆者のイチオシだ。

いくつか補足しておくが、画像のリストにある回数はあくまで目安である。「ストイック大胸筋」などもそうだが、全てのエクササイズにおいて限界まで頑張ってほしい(限界までやっても大丈夫な程度にセットを抑えてある)。

また、「バンザイモーニング」はリングの助言を無視して「膝を曲げずに行う」ことでハムストリングスに強烈なストレッチをかけることができるので、そうすること。腰に負担をかけないように「ドローイン」で体幹をしっかり固めて行うとベストだ。(ドローインについては筆者のnote#4を参照)

モデルプログラム3:頑張る筋トレコース

ダイエット適性:★★★★☆

筋発達適性:★★★★★

推定運動時間:20~30分

頻度:週約4回(2日やって1日休む)

【実際】

以下のA・B・C・Dの4つのパターンのうち、どれか1つを行う。(「ベーシック筋トレコース」と同じようにサイクルさせる。ここでも、サイクル順は絶対に乱さないこと。)

トレーニングA(胸)…大胸筋チャレンジ1回(ウォームアップとして)、ストイック大胸筋5回(できれば筆者のnote#1・#2を参照して、ストレッチを意識しつつ前傾2回、背反らし2回、ニュートラル1回)

トレーニングB(背)…エンドレス広背筋5回

トレーニングC(肩+腕)…「カスタム」でリストを組む。

バンザイプッシュ→バンザイプッシュ→カタニプッシュ→ウシロプッシュ→カタニプッシュ→ウシロプッシュ→カタニプッシュ→ウシロプッシュ

トレーニングD(下半身+腹)…「カスタム」でリストを組む。

バンザイスクワット→バンザイスクワット→ヒップリフト→ヒップリフト→マウンテンクライマー→マウンテンクライマー→バンザイモーニング→バンザイモーニング→レッグレイズ→レッグレイズ

以上。

【解説】

ここからは少しマニアックな域で、意図的に運動の頻度を多くしたい(運動が好きな)人向けのプログラムである。運動する日が連続するため、やりすぎにならないように注意してほしい。そのため、ウォームアップとしての「アドベンチャーモード」は組み込んでいないが、寒くて身体が冷えている状態なら、限界負荷の30%ほどで1~2ステージやるのも良い。

ここでも、トレーニングDの「バンザイモーニング」は膝を曲げずに行うこと。また、トレーニングAとBは身体に慣れが生じてしまう可能性があるので、1週ごとに1回増やして(胸は「ストイック大胸筋」のみ増やす)いき、1ヶ月経ったら回数をリセットするとマンネリをある程度防ぐことができる。

モデルプログラム4:ガチンコダイエットコース

ダイエット適性:★★★★★

筋発達適性:★★☆☆☆

推定運動時間:20分程度

頻度:週5回(5回やって2日休む)

【実際】

1、ウォームアップとして「アドベンチャーモード」好きな1ステージを限界負荷の50%で行う。スキルはヨガ以外をお好みで。

2、以下のA・B・C・D・Eの5つのパターンのうち、どれか1つを行う。(「ベーシック筋トレコース」と同じようにサイクルさせる。ここでも、サイクル順は絶対に乱さないこと。)

トレーニングA(胸)…大胸筋チャレンジ2回、ストイック大胸筋2回

トレーニングB(背)…エンドレス広背筋3回

トレーニングC(肩+腹)…「カスタム」でリストを組む。

バンザイプッシュ→バンザイプッシュ→レッグレイズ→レッグレイズ→マウンテンクライマー→マウンテンクライマー

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トレーニングD(腕)…「カスタム」でリストを組む。

カタニプッシュ→ウシロプッシュ→カタニプッシュ→ウシロプッシュ→カタニプッシュ→ウシロプッシュ

トレーニングE(下半身)…「カスタム」でリストを組む。

バンザイスクワット→バンザイスクワット→モモデプッシュ→モモデプッシュ→ヒップリフト→ヒップリフト→バンザイモーニング→椅子のポーズ

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以上。

【解説】

筋発達への影響よりダイエット効果への期待を優先したプログラムである(筋発達が見込めないという意味ではない)。このプログラムでは何といってもサイクル順を崩さないことが肝要で、2連休に入る前の最後のトレーニングには必ずトレーニングE(下半身)をもってくること。サイクル順を崩すと下半身トレの翌日に「アドベンチャーモード」を行うことになってしまい、休養がとれず全く良くない。

ほぼ毎日「RFA」を起動することになるが、代謝低下の隙を与えない構成のため、本気でダイエットを考えている方は挑戦してみてほしい。お節介ではあるが、食事管理も合わせて行うと効果てきめんだろう。

筆者考案のモデルプログラムは以上だ。

「RFA」レビュー・完

突然ではあるが、筆者の「RFA」レビューはここで完結ということにしたい。ブームも落ち着き、レビューの需要は減ってきていると思われるし、今回のノリを見てもわかると思うが、筆者が書きたいことと「RFA」の個性が分かれつつあるからだ。

「RFA」のおかげで、多くの人がトレーニングに興味を持ち、挑戦している(していた)というのは非常に喜ばしく、多くの反応もいただき、(調子に乗ってしまった結果)ついに筆者のレビューという名の何かも7弾となった。もう充分だろう。

「RFA」の話はこれで終わりにして、次回、番外編として「プロテイン」についての記事を書いてみようと思う(それは「RFA」とはもはや関係のないものだ)。またブームが再燃したり、アップデートがあったり、読者の方から要望があれば復活も考えているのでよろしく頼みたい。なんにしても、これまでレビューを読み、広めてくれた方々には大変感謝しているし、それ以上に、筆者にこのゲームを勧めてくれたある友人にも、この場で感謝を伝えておきたい。

稚拙なレビューではありましたが、本当にありがとうございました。また会う日まで、リングフィットアドベンチャーで健康を楽しんでください!

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