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Let It Be〜きょうは勃起したままレンタルしよう〜

 露骨性描写動画の30年以上続くその歴史の大部分は、ある文化と共存する。「実店舗での作品のレンタル文化」がそれである。
 しかし、その文化も今は昔となりつつある。現在の露骨性描写動画の視聴手段はオンライン利用が主流である。ストリーミングやダウンロード再生、DVDのレンタルにしても実店舗ではなくネットレンタルが流行りだ。家に居ながら他人と非接触で性欲処理映像作品をゆっくり選べる時代となった。かつては、ひきこもりの者であってもムラムラした時は、わざわざ家の外にあるレンタルビデオ店へと足を運び、そこの店員との金銭のやり取りや会員カードの提示などを経て「借りる」〜そして、期限までに「返す」という手間と他人との接触が必要であり、それは露骨性描写動画視聴の通過儀礼と言えるものとしてして定着し賑わっていた。

 盛者必衰の理をあらはし現在は失われつつある文化となった「実店舗での作品のレンタル」。この文化が華やかだった時代に私はある男の悩みの相談を受けたー。

「アナル師匠。エッチなビデオをレンタル店で借りること自体は恥ずかしくありません。・・・ですが、性欲処理映像作品を店で厳選している時に必ずちんぽが勃起してしまうのが恥ずかしくて悩んでいます」
「???」
私は、この男は何を言い出すのかと不思議な気持ちになった。まず、私は弟子をとった覚えはないのに、何故「師匠」と呼ばれるのか??まあ、それはいいだろう。それ以上に問題なのは、ちんぽの勃起が恥ずかしい?ということだ。
「きみはちんぽが勃起するように演出された映像作品を借りるわけだろう?それを真剣な眼差しで選ぶ時、作品のパッケージを見てちんぽが勃起するのは当たり前じゃないか。恥ずかしい事ではない。まさか、勃起したちんぽをその場で露出させ、性欲処理をおっぱじめたというわけじゃないだろうね。それなら、我慢というものを知らぬ恥ずかしい大人と言えるがね」
「いいえ、師匠、それは違います。ズボンもパンツも履いたままです。ただ、自分は巨根なため、勃起したことが周囲にバレバレなのです」
「それなら、あるがまま。むしろ、そこは誇らしげに強調しなさい。なんなら、声に出し『今、勃起しました』と他の客や店員に宣伝するのもいい。隠したり、せっかくの勃起を鎮めようとしちゃダメだよ」
「師匠、何故ですか。それは恥ずかし過ぎます」
「レンタルビデオ店の性欲処理作品コーナーは、エロ目線男子の社交場であるのが本来あるべき姿なんだ。そこにいる客みんなが勃起しながら作品を選び、時に客同士互いの勃起をたたえ『いい勃起が出来ましたね』。時に他の客の長時間に及ぶガチな勃起が気になれば、『明日の勃起疲れにお気を付け、ちんぽを労ってあげてください』と気遣う。勃起するような作品を借りに来て勃起しない方が不自然じゃないか。それに、勃起はバロメーターにもなる。性欲処理作品厳選時、自分のちんぽのリアクションが借りるべき作品か否かの判断に繋がる。私の場合、小倉ありすさんの作品に初めてレンタル店で出会った時は秒でフル勃起。即借りることを決断したよ」
「なるほど。そう考えると、ちんぽが勃起がちな自分は幸せ者なんですね」
「そうだよ、きみ。もし、レンタル店に女性店員がいたら丁度いい、セクハラがてら、きみの勃起を見せてやりなさい」
「それが師匠。この前女性店員が自分の勃起に気付き、『お客様、ご立派ですね』とヨダレを垂らし話しかけて来たんです」
「おめでとう!やったじゃないか!」

ーーー古き良き不便な時代の思い出深い話である。


 他のエロ目線男子とのオフラインでの交流の機会は減少の一途である。勃起した者達が一堂に会し親睦を深める---そんな光景も最終的には集団レイプの時のみとなるかと思うと恐ろしくなる筆者である。

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