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日付が変わる
国道沿いを歩く
ファストフード店の眩いネオンとコンビニの裏から昇る煙草の煙が背中を押す
突如、目を刺す自動販売機の灯り
時折、鳴り響くトラックの轟音
ひとりきりに成る為に冷たい空気に飛び込んだのに、これじゃまるでいつもと何も変わらない
ガソリンスタンドの蛍光灯は白
信号機は不気味な青緑を放つ
信号機が赤に変わる
刹那、全ての音が消える
その交差点の喧騒は死に、床は真っ赤に染まった
時が止まったような気がした
…………海に行こう
いつからか、僕は海に心惹かれることが多くなった
本当の海は怖い
海には命と死がある
夜の海は黒い大きな恐竜の背中の様で、テトラポットを噛み砕く音が常に聴こえる
眼前の黒いうねりに、身を伸ばす
遠くの電柱に照る表面、一歩退く
…………雨が降ってきたので帰る
家に帰って僕は、真っ暗な浴槽に水を貯めて潜った
そうした後に、髪と体を洗った
口笛を吹く午前1時
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