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夢の中へ

どうしようもない寂しさで目が覚めることがある。
その日は決まって快晴で、世界は明るく、僕のことを1人置いていってるようで、途方に暮れてしまう。
世界は残酷だって。

朝日が昇るより、涙が落ちるよりも遅く、崩れていった希望は巡り巡って明日に生きたい誰かが生きるための糧となるのだろうか。
カーテンの隙間から朝の光が漏れ出す。

あなたがゆっくりと崩れてゆく。

いつかの憧れで、居て当たり前の人で、愛の人だった。
尊敬出来る人だった。

あなたがゆっくりと崩れてゆく。
僕はそれを止めることが出来ない。
受け入れることも出来なかった。


ある日、夢の中の指導者に導かれて、アルバムを開いた。
記憶にはないアルバムだ。
カビのような臭いのする色褪せたチェキの写真。
写真と癒着してしまったアルバムのページ。
それを隣で泣きながらめくる誰か。

愛されていたんだな。

僕は知らないふりをしようとした。

それでも、彼女はひたすら、ひたすら、アルバムのページをめくり続けるのだ。
ここからではギリギリ見えないところで。

もう僕は気になって気になってしょうがなかったんだ!

きっとその声こそ指導者だった。
別れに知らん振りする僕を無視しなかった。
一滴も漏れることがないように、両手いっぱいで僕のことを保ってくれた。

「あなたがいない世界では、僕はどうしたらいいのでしょうか。誰にこの事を話せばいいのだろう。ねえ、早く答えて。」

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