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夜に歩けば

夜に歩けば、昼間と違う景色に出会う。

昼に存在感を放つ建物は真っ黒になり、
電柱の街灯がその数を教えてくれる。

昼に騒音を立てて隣を過ぎ去る車は、
夜にはまぶしさも上乗せしてすれ違う。

空の広がりは星の遠さに取って代わり、
雲の形は溶け込んで見えなくなる。


世界の見え方の違いを満喫したくて、
あえて真っ暗な道を選んで歩いてみる。

目が見えないと、耳がよく聞こえる。
草むらの虫の声、
遠くを走る車、バイク、トラック、
家から漏れ聞こえる話し声、
自分の足音、呼吸。


日の短い季節だからこそ、暗がりを楽しめる。

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