2022/04 映画など

映画
・仮面ライダーOOO 10th  復活のコアメダル

 うーーーーーーーん私の性癖的には嬉しいけど、オーズかな?これ……
最後、アンクが映司にとりついたままで良かったのでは?パンフで「映司が死期を悟ったため、アンクを追い出した」って書いてあったけど、泉信吾が死にかけの状態でアンクが取り憑いて最終的に信吾は生きながらえたのを映司は知ってるんだから、欲張る映司ならあそこで満足して死んだりしないと思う。
あと比奈ちゃんの兄への頓着の無さ何?この形でアンクが残ると兄の体は返ってこないけど、あっさりしすぎじゃない?
パンフの監督のインタビューで、テレビ版の結末を甘口、映画版の結末を辛口に例えて、10年経ってみなさんが大人になったのでこの結末も受け入れてもらえると思いました。って言ってたけど、ツッコミどころが多すぎる。まず、テレビドラマ版の結末を甘口だと思ってるのも「?」だし、次に辛口なものが大人向けで高尚で本格的なもので甘口なものが子供向けだと思ってるなら甘口なものも子供向けのものもナメてる。特撮を撮る人間が「子供向け」をナメたらダメでしょ……そして、最後に本格的なものを撮ろうとしていたのなら「なぜ古代オーズは復活したのか?」とか「映司の最後の決断って本当に妥当なのか?」とか「なんでアンクは復活したの?」とか特撮だから許されてるガバガバをなんとかしなよ。安易なアンクの復活は避けたかったらしいけど、「映司が本気で願ったのでアンクは復活しました」ってそれは安易じゃないの?
 性癖的には永遠に近い時を生きるアンクがこれからも一人で残った結末は大好きなやつなんだけど、そこに至る論理が納得いかなくて全然狂えなかった。もっと完璧に狂いたかったよ。
なんかーーーーこんなにキャストは頑張ってるし、表面上は性癖なのに、潰しきれてない希望があるのもやもやする!!ちゃんと潰さないとダメだよ

・探偵はBARにいる2  ススキノ大交差点

 スラム街(すすきの)のオカマバー?で働くマサコちゃんがすごく可愛くて大好きだった……手品にハマって最初は拙いものだったのが持ち前の真面目さでどんどん上達して、主人公がマジックコンテストに出なよと背中を押して、全国大会で優勝して……凱旋パーティーでみんなでお祝いして……それがマサコちゃんの生きてる最後の姿で、翌朝ゴミ捨て場で死体となって発見されるなんて悲しすぎる……このほんの少しの時間でマサコちゃんのこと大好きにさせたガレッジセールのゴリすごい。真面目で努力家で、人見知りだけど愛嬌があって……可愛かった……
 容疑者として昔の恋人の栃脇議員があがったけど、圧力がかかったようで皆口を閉ざしている。主人公を狙う勢力が栃脇派と反栃脇派とどちらでもない派の3つで、そのうちの栃脇派が「誰に言われたのでもなく自分の意思で」襲ってたのが、怖かった。でもありうるよな、と反原発のデモを見て思う。
 真犯人が明らかになる流れがすごいぬるっとしてて、こんな判明の仕方は本格とか新本格ミステリでは無いので新鮮だった。差別発言をする人が出てくるけれど、その度に高田がさりげなく訂正とか否定を入れてくれる。ありがたい。
 頭をバットで殴られてぶっ倒れたのに、跳び上がって回し蹴りいれるの鮮やかすぎる。心配して駆け寄った主人公もびっくりして「ターミネーターか、お前は」って言ってた。栃脇議員のところに行く時に、高田「20分経っても出てこなかったら乗り込むから」主「どうせ遅刻するんだろ」って言ってたのが可愛かった。

・探偵はBARにいる3

 北川景子かわいいな……高田の後輩の原田の彼女を探す依頼を受けて探偵は事件に首を突っ込む。彼女の実家に電話をかける時とかに何の躊躇いもなく声音を偽って流れるような嘘をつくところが好き。TRPGのPLやるときもこのぐらい滑らかに嘘をつきたい。プライベートモデル事務所で担当者が席を外した瞬間にオフィス側へふらっと歩いていける胆力も探偵には重要なんだろうな。「ネクタイ、お似合いですね」って言葉で2人の間だけで文脈を共有する。
 探偵のために高田は今回結構無茶をしていた。高田と探偵は2人ともすごくテンションが高くはないんだけど「友達」の空気なのが好き。こういう距離感の関係性を摂取するときは探偵と助手で探すと勝率が高い。ニュージーランドに行っちゃうのか〜と散々観客をしんみりさせておいて、あのオチなの笑っちゃう。ギャグコメディとハードボイルドの緩急がうまい。大泉洋が半裸で船の舳先に括り付けられて極寒の海を航海させられるシーンかわいい。

・唐人街探偵 THE BIGINNING

唐人街探偵3を観てからずっと見たかったやつ!3はタンレンの女癖がマイルドになってたのとチンフォンの吃音もちょっと改善してる…?常に追いかけられてる。
 ご当地の文化とか名所を見せてくれるのが楽しい。ぼーっと観れて楽しい娯楽映画。

・青くて痛くて脆い

 誰も傷つけないように人との距離を取って生きてきたつもりでいた人間が本当は人との適切な距離感を保てないただのコミュ障メンヘラだった……という話。理想を持って努力できる人間の周りには最初は疎ましがられても人が集まって、便乗してただけの人間は集まったやる気ある人間に弾き出されて孤独になる。身も蓋もない……

・クローズZERO

 薄汚れた刹那的な暴力でしか得られない栄養素があります。アクションがカッコいいよな〜背景美術だと校舎の落書きの作り込みがすごくて、同じ文言は二つと書かれていないと思う。よくネタ切れにならないなあ。
 この山田孝之は綺麗な山田孝之に分類しました。病院の入り口のシーンだけで、たまおが不良で暴力的だが悪ではない、でも社会規範はないので悪人だしイっちゃってる男だと伝わる。「チキン」って言われて看過できずに戻ってきて無謀なことをするのがBTTFのオマージュなのがわかって嬉しかった。
 人が死なない青い春ですね。ヘタレヤクザの人、良い役回りだったなあ。全体的にどの役も「あー良い役だなあ」という感じであんまり外れの役が無い。推しがこの映画に出るとしたらどの役がいいかを考えたくなった。

舞台
・タージマハルの衛兵

 第二幕まで観た段階で、とても好きなやつだという確証があったんですが最後の最後で致命傷すぎておしまいになってしまった……もう戻れない悲劇を見た後に幸福だったあの頃を見るのはしんどすぎる。バーブルとフマーユーンが幸せになる世界はないですか??
 フマーユーンは、社会を捨ててしまえばバーブルと2人でジャングルの奥地で暮らせたんだけれど、できなかったんだなあ。つらいよ。
 木の上のいかだが思い出の中で輝いている。フマーユーンも美しいものを知っていた。
 フマはケアに向いてる人間だったんですよ……
バーブルの腕をマッサージするときには楽しい話をするように水を向けてやり、洗い着替えさせる時には祈るように名前を呼んでやれる、ケアに+αができる人間だった。
それは才能であり、幸せに生きられる手段になり得たんだけど、あの時代においてそれは「女のもの」で「軟弱」だった。「自分は弱い、強くあらねばならない」の呪縛によってフマは社会(父親)からの承認を必要とした。そしてその呪縛によって、大切な自分のかたわれを永遠に失った。その後フマはバーブルと過ごした時間を何度も何度も反芻して囚われることになった。

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