見出し画像

ダウントンアビー(映画)は良くできている

大好きな友人が引越しの機会か何かに譲ってくれたダウントンアビーのDVD。
結局6シーズン中、もらった分の4シーズンしか見ていないのだけれど、お正月に封切られた映画版を観てきた。
4シーズンしか知らない状態で見ていうのもなんだが、なんというか、やっぱりBBCの底力ともいうべき脚本の良さを感じた。

ディズニーはともするとやりすぎるのだけれど、そういう塩梅にかけては、BBCはお家芸とも言える絶妙さを披瀝する。
何かといえば、時代性というリアリティと現代の我々が望むストーリーの塩梅だ。

今回のストーリーは、シリーズを通じた中心人物であるメアリーと、妹婿で寡のトム、そしてお騒がせトーマスが大活躍。

祖母っ子のわたしにはとりわけメアリーの物語がしみたけれど、家族がトムを大事にしている様子にもほっこりしたし、トーマスも少し幸せになれそうで、最高のクリスマスストーリーって感じ。

ちょうどチューリングやダンケルクやチャーチルの話がここ数年封切られて、良い感じに復習ができていることもあるし、戦後の終焉の気配が私たちの心を波立たせ、第一次大戦と第二次大戦の狭間のこの時期への関心は高まっているとも言える。
わたし個人としては、偏愛するドロシー・セイヤーズのピーター卿とハリエットがこの時代ドンピシャなんだよね。もー最高。

時代の不安への応え具合や女性の問題、LGBTQ的目配せの無理のなさに見えるこういう絶妙なバランス感覚は、さすがの底力だなあと感じた事でした。

これを機にまたテレビドラマも見直してみたいなー、と思わせる時点で、役割は十分果たしているし、思いの外席が埋まっているのも、同好の士(コスチュームプレイ(時代劇)好き)の多さが知れて嬉しかった。

スカパーで吹き替え版公開中らしいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?