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なぜHOTEL SHE,が新しい結婚の形を考えるのか?

どうやら他の人だったら目をつぶって見過ごせてしまうようなことをいつまでも拘泥し続ける性質が私の中にあるようで(ある友人はそれを評して、蚊に刺された時に「かい〜」と掻いて済ませるのではなく「こいつなんで刺しよんねん!」とキレるタイプ、と言っていたが実に言い得て妙だと思う)、ホテルが味気ないだの、ソフドリにバリエーションがないだの、成人式にいく意味がわからないだの、産後の女性をもっといたわらないと子供産む気にならんだの、確かにまあいいじゃんで済ませられなくもないことによく今までこだわってきたなという気がするが、その最たる例、ラスボスが『結婚』だと思う。

小学生の頃は海外の素敵な教会やお城みたいな会場に友達を何百人も集めて結婚式をすることに憧れていたけれど、いつの間にか名より実をとる大人に育っていたわけで、交際とか結婚をリアルに考える頃には結婚式をしたいと思うことはほとんどなかった。もちろん、結婚式にお呼ばれする機会はありがたいことに何回かあって、毎回感動で号泣し、ふたりの門出を心からお祝いさせていただくのだけれど、それでも自分がウェディングドレスに身を包む姿をイメージできたことはなかった。

実際、社会的なトレンドとして、結婚をする意味自体が揺らいでいる時代ではあると思うのだが、私自身もまたそもそも結婚をすることの意味というか必然性に未だに納得できていない部分があると思っている。

①婚姻届を出す意味がわからない
ふたりの人間が出会って、一生を共に生きよう(あるいは、共に生きるための努力をしよう)と約束し、誓い合うこと自体はわかるのだが、それを役所に届け出る必要性がよくわからない。親友や恋人を国に届け出たりしないのに、なぜか夫婦や家族関係に関しては届け出が求められる。もちろん、公的な扶助を施したりする上で必要なのは理解できるのだが、実際のところは住民届けの続柄に自称で「妻(内縁)」と書けば、婚姻届とほぼ同じ効力があるのだからそちらの方がいい。

②名字を変えないといけない意味がわからない
その中で、まあ多少めんどくさいながら役所に届けを出したら夫婦のどちらかが名字を変えさせられてよりめんどくさい手続きを行なわされるのが納得できない。この辺りはすでに色々な方が提言をされているし、理解のある男性方も多く、政治家の方々の中にも選択的夫婦別姓の導入をマストだと捉えている方もいらっしゃるので時代が変わるのを待つしかないのかもしれない。

③離婚時の規定を過去の他人の事例に求められる意味がわからない
結婚を考えるときに離婚を想定するのは不謹慎かもしれないのだけど、実際1/3が離婚するし、むしろ合わないなら離婚する、と思えるくらいの関係性の方がヘルシーだと思うから私は離婚した時のことも当然想定している。その際、もちろんお互い話し合って円満に離婚できるのが理想ではあるが、そうでないケースで裁判にもつれこんだ場合、今までの結婚・離婚をしてきた他人達、いわゆる通例に基づいて慰謝料やら養育費やらが決まるのが納得できない。そういう意味で、婚姻届を出すことより結婚契約を巻いた方がよほど合理性があると思っている。

④結婚式を挙げる意味がわからない
もっというと、結婚式というたった一日の晴れの日のためにかかる時間的・経済的コストが大きすぎるので、正直やる必要性があるのかどうしても躊躇ってしまう。親が負担してくれるケースも多いと聞くが、結婚式に使ってもらうよりは老後資金にしてくれた方が個人的にはよほどありがたい。成人式の時、親が振袖買うよ!と言ってくれたものの、1日しか着ない服に何十万もかけなくていいよと断ったのと同じ感情だ。めっちゃ振袖を着たい、めっちゃ結婚式をしたいならともかく、みんなやっとるし私もやっとくかな〜レベルのものにかけるには額がデカすぎる。

個人的な話になるが、

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ホテルプロデューサーの龍崎翔子が日々考えていること、これからやろうとしているアイデア、実現までの取り組みなど、ヒント満載のコラムをお届けす…

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