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今まであまり話してこなかった、私たちのクリエイティブブティック『水星』の話をします

みなさん、こんにちは。ホテルプロデューサーの龍崎です。いよいよ2020年が終わります。年末もいいところですが、今年最後の「ホテル経営企画室」は、L&GのCOOの大籠(おおごもり)さんとともに、この1年を振り返りつつ、弊社が今年拡大してきた「水星」というコンサル事業についてご紹介をできればと思っております。


コンサル事業・水星の三つの強み

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龍崎:今まであまり表立って発信することがなかったんですけど、ホテル運営以外に私たちは『水星』という関連会社でコンサル事業を展開していて、今改めて振り返ると今年は例年以上に多くのご依頼をいただいたなと感じます。具体的には、「新しい事業を考えて欲しい」「人が集まる場所を考えて欲しい」「ホテルをもっと良くするためには?」などのお題を百貨店や鉄道、大手不動産さんから多くいただき、頭を捻らせ続けたな、と思います。

大籠:ホテル業も含めて、装置産業系って、その産業自体は古くからあるものですが、今はただ同じものを作っていても勝てない時代になってきていて。特に今はコロナで客足も減っていて、本当に強いところじゃないと生き残れないような状況なので、何か新しさのスパイスを入れて欲しいというような期待が強いのかなという気がします。

龍崎:私たちが、ちゃんと運営されることを前提に提案していることも重要な気がします。企画だけの提案じゃなく、ホテルを運営している会社としてその後のビジネススキームを考えて、それがちゃんと運営されて収支的にも成り立つ。しかも、そこにちゃんと温度感があるというか、ブランドとしての温もりがあるような事業を作れる、みたいなところに魅力を感じていただき、ご期待いただけているのかなと感じています。

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大籠:せっかくなので、以前作った資料で『水星』の強みについて書いたものがあるので、ちょっと出しますね。一つ目は「ブランド構築による持続的なファン醸成」。僕は、やっぱり全部ブランディングに繋がってると思うんです。はじめの根本のコンセプトやブランド戦略を考え、そこから実際にディテールまでちゃんと形として落とし込みをする。そこで終わりではなくて、ブランドの根幹からブレないように、そこからさらにブランド資産として積み上がっていくような施策やSNSを継続的に打ち出していく。そういうブランディングをしてきているから、ファンの方が応援してくださっているんだと思います。

PR力が強いという側面だけが重視されたり、SNS運用のテクニックだけを取り上げられたりってことも今まで少なくなかったんですが、PRやクリエイティブ周りだけをやるとすごい表面的なものになってしまってあまり意味がないと思うんです。何においても、そのブランドがどういう目的で作られているのかとか、どういうターゲットに届けたいのかということを、しっかり考えながら今後もやっていきたいと思っています。

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二つ目は「若者世代の本質的な理解」。いわゆるミレニアル世代とかジェネレーションZ世代ですね。2025年に労働人口の75%がこの世代になると言われているように、本当に消費活動の中心になっていく世代なんですが、上の世代の方々とは価値観が大きく違うじゃないですか。なので、当然マーケティング方法だって全然違ってきますよね。ただ、この世代をターゲットとした時に、付け焼き刃的な手段が取られちゃうことが多い気がします。でも、そう表面的なものって、結局お客さんには刺さらないというか、「なんか違う」って気づかれちゃうんですよね。

龍崎:ネイティブじゃないってなるよね。

大籠:僕たちはその世代の当事者なので、そういう考え方や感覚を本質的に理解した上で、ちゃんと消費者のインサイトを押さえたものを作ることができる。それが実際にホテルの認知度や稼働率、SNSのフォロワー数といった部分に表れてるのかなと思います。

三つ目が、翔子さんも言った通り、空間プロデュースにおいて運営を見越して企画ができること。一つ目にも繋がりますけど、開業後も、マーケティングやPRなどで継続したブランディングができるっていうのも強みですよね。事業としてもアパレルやエンタメのような体験設計とかに広げられるし、システムが必要だったらシステムも作れる。こんな風に、補完できるというかシナジー効果があるということも、僕らの提供できる大きな価値だと思います。


水星誕生の裏話と、今に至るまでの苦労の日々

龍崎:水星自体は2018年にできたのですが、原型はもっと前からありました。一番最初は鎌倉にあるビーチハウスの経営改善、という案件でしたね。

大籠:それがコンサル案件での一番最初の受注でした。僕が入社1年目の時だったから、2016年だと思います。もともとAirbnbだけでやっておられたところを、ゲストハウスとしてしっかり運営していきたいということで、うちに依頼をいただいたんですよね。そこでリブランディングをお手伝いしつつ、運営体制を作ったり、マーケティング支援をしたり、一時的にリモートでコールセンター的なこともやってました。はじめは稼働率14%くらいだった宿が、最繁忙期の夏には90%くらいにまで上がりました。私たちがお手伝いしていた時はbooking.comの口コミスコアも9.5までありました。

龍崎:そのあと、私が「泊博」(京都を拠点とする宿泊レーベル)をやってた時期があって、その過程で(水星事業を担当する)大丸さんと知り合ったんです。

大籠:でも、今年に入るまでは、人づての紹介とかで来たものをコンサル事業としてやっていたという感じでしたね。ちょうど1年前くらいにL&Gのコーポレートサイトがリリースされてからは問い合わせがくるようになって、それが受注につながることも増えてきました。

龍崎:創業当初から案件のご相談自体はとても多かったんですが、気づいたら流れていることが本当に多かったんです、コンペに呼んでいただくことはあっても、契約が全然できなかったり。案件の相談をされて打ち合わせに行ったら、もう別の人に決まっていてただお話をするだけ、みたいなこともありました。

大籠:そういう時代、ありましたね。全然受注に繋がらなかった。

龍崎:今振り返るとその時期は、私たちは

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ホテルプロデューサーの龍崎翔子が日々考えていること、これからやろうとしているアイデア、実現までの取り組みなど、ヒント満載のコラムをお届けす…

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