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ショールーム型ホテルの実現を目指して始めたセレクトEC事業の戦略について

みなさん、こんにちは。ホテルプロデューサーの龍崎です。

毎月続けさせていただいている「ホテル経営企画室」ですが、今月からいつもと趣向を変えた形で記事をお届けしていきたいと思います。

というのも、現在L&Gのプロジェクトはかなり多岐にわたっておりまして、各担当者がそれぞれ高い自由度で動いているため、私よりも担当者の方がプロジェクトへの解像度が高いことが往々にしてあり、今月は対談形式で今私たちが取り組んでいるプロジェクトについてお話しさせていただければと思います。

今週は、L&Gが掲げる『メディアとしてのホテル』をいっそう深化させるためのアイディア『ショールーム型ホテル』の実現に向けて取り組んでいるリテール領域について、マネージャーである合田さんとお話をしています。合田さんはHOTEL SHE, KYOTOで働きながら、プライベートブランド「BOY MEETS SHE,」をはじめ、世界中のブランドをキュレーションしたセレクトショップ「SOCO select」など、リテール部門を統括しています。今回はホテルが小売をすることの可能性などについて、話せればと思います。


コロナ禍で生まれたセレクトECという新事業

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龍崎:L&Gでは数年前から「BOY MEETS SHE,」というプライベートブランドをやっていますが、今年新たに「SOCO」というセレクトECを開始しました。まず、「SOCO」が生まれた背景について話せればと思うんですが、コロナ禍でホテルが全館休業した4月にいろんな事業の可能性を模索する中で、私たちの世界観を伝える方法としてセレクトショップがあるよねということを話したんですよね。

合田:もともとホテルにキオスクを作って仕入れ販売をしたいという思いがあったので、そこから派生して。とくにコロナ禍で外国にも行けないということで、外国から仕入れた商品をキュレーションして提案するのがいいなと。

龍崎:当時はホテルに来てもらうことができなくて、楽天ROOMなんかにもすごく力を入れていたけれど、世の中に提案したいライフスタイルを他の形で発信できるんじゃないかということで、「SOCO」のようなセレクトECだったり、コンビニでアートをプリントしてもらうコンビニアートプロジェクトだったり、いろんなアイデアが生まれました。最初にジインちゃん(HOTEL KUMOIのメンバーでSOCOの発起人)がニュージーランドで気になるスーパーフードがあるから仕入れたいというところから始まって、気がついたら合田ちゃんが入ってくれて、あっという間に進んでいた(笑)。それでブランド名とか、いろんなことが1カ月くらいで決まっていきました。

合田:その頃は誰がリーダーというわけでもなく、みんなが自ら動いていましたね。旅行できないこの状況下で、非日常感やバカンス気分を楽しんでいただけるように海外から仕入れた選りすぐりのブランドを販売しようということで、3カ月ごとにテーマを決めて販売するブランドもショップのトンマナもガラッと変えようということになりました。最初から目指していたのは、普段の生活圏の外にある素敵なライフスタイルを伝えるためのメディアのような場所になりたいということです。そして、実際に6月にはショップをオープンすることができました。

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ホテルプロデューサーの龍崎翔子が日々考えていること、これからやろうとしているアイデア、実現までの取り組みなど、ヒント満載のコラムをお届けす…

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