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tourism academyでの学びの先に、観光業界の新しい未来を描く

みなさん、こんにちは。ホテルプロデューサーの龍崎です。

毎月続けさせていただいている「ホテル経営企画室」ですが、今月はいつもと少し違う形で記事をお届けしていきたいと思っています。

今月は、会社全体の事業計画書をベースに、事業ごとの責任者とともに今やっていること、これから考えていることなどをリアルな声でお届けしてゆきます。

今週は、9月に立ち上げた「tourism academy SOMEWHERE」を担当する人事部門の吉田さんが登場します。観光アカデミーをどのように発展させていくのかについて、考えていることをお話します。



クローズドな業界に、新しい人材を

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龍崎:9月から始動した「tourism academy SOMEWHERE」(以下、アカデミー)。12月には吉田さんが今準備を進めてくださっているオンラインスクールもスタートします。本日は、これまであまり触れてこなかったオンラインスクールについてもお話できればと。

吉田:オンラインスクールの募集もいよいよ始まりますね。オンラインの話をする前に、まずは立ち上げの時のことから軽く振り返っていきましょうか。

龍崎:私はホテル業界や観光業界において、構造的な限界や学びの質の低さを実感してきました。衝撃を受けたエピソードは山ほどあります。一方で、「ニューウェーブホテル学概論」などを通して、外からこの業界に参入してきた方々やそのホテルに出会い、新しい波の中にある優れたマーケティング・メソッドなど純粋に学びたいしもっと知りたいと思ったんです。同じように願う人も、また自分たちの考え方を提供したいと思ってくださっている人も多くいるのに、それらを学べる場がなく知識やノウハウが体系化されない現状が、すごくもったいない。

吉田:世の中に出ている考え方やメソッドといったものが広くみんなのものになったらな、また、コロナ禍で業界全体が右往左往している時期に指針となるような一選択肢になれたらな、というようなことを、翔子さんと話していたんですよね。

龍崎:ちょうどそのタイミングで、お付き合いのあった池尾さんから、L&Gと共同で観光人材育成の学術レーベルのようなものを作って複合的な観光教育を行いたい、とご提案をいただき、このアカデミーが実現することとなりました。

吉田:僕もこの会社に入って、ホテル業界や観光業界に課題意識を抱いてきました。国は、地方観光に力を入れているというけれど、各地における人材育成も必要だと感じる場面が多くて。

観光での話をすると、旅行で訪れた場所に土地の魅力をイマイチ生かせていないような新しい施設ができているなど、あくまで僕個人の印象としてですが、なんかイケてない場所を訪れると、すごくモヤモヤして…クリエイティブなチームが作っていたらもっと意味のあるものになっていたのに、その数億円の費用を別のチームやなんならうちに任せてほしい、と(笑)。

龍崎:そのモヤモヤ感、めっちゃ分かります(笑)。「微妙にイケてないものを減らしたい」という思いは、それこそ学生時代からいつも自分の根底にありますね。あとは、日本社会の構造的な問題も大きいと思うんです。各地の観光をハンドリングする権限のあるような組織がクローズドで、戦略的な考え方をする人材がそこで活躍できないという現状があるのではないかと。

これは、ホテル業界や観光業界にも言えることで。だから、現在クローズドな世界に、外でキャリアを積んでいる人が入って活躍できるよう土壌を整える。そして、

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