匂い

新しいお店を作っている横を通り過ぎた時、

ふと見つけたあの特別な日々の匂い。

夕方の匂い。ペンキの匂い。秋の匂い。木材の匂い。

私の体だけが、あの日のあの場所に包まれて

左胸の奥が甘く萎んで

そこから暖かい感情が指の先まで流れて、こぼれそうになった。

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