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トークイベント「見えなくされてきた私たち」を拝聴して考えたこと

▽このイベントについて・おおまかな感想

歌人で作家の川野芽生さんと、漫画家の山内尚さんによる、川野さん初の小説『無垢なる花たちのためのユートピア』(東京創元社)刊行記念のトークイベントでした。本屋B&Bさんで行われた、オンラインイベントです。
川野さんも山内さんも、ご自身の作品の中でアセクシャルであったりトランスであったり、そういったマイノリティな存在を描こうとなさっています。そんなおふたりによる、フィクションの中でのマイノリティについてや、フィクションが持つ力、創作についてや社会についてのお話といった、充実した内容の2時間とちょっとでした。
おふたりともファッションがお好きで、今回も素敵なお洋服でいらっしゃいました!

まずは、このテーマでトークイベントを企画してくださったことに感謝申し上げます。
私は、アロマンティック・アセクシャルを自認して数年経つシス女ですが、それゆえ今回絶対拝聴したいと思っていましたし、拝聴できてよかったと、思っています。
創作するAro Aceにとってとても重要なお話であったと感じておりますし、私自身勇気をもらうことができました。

▽私とAroとAceと創作

このセクションは基本自分語りとなります。

さて、先程も話に出しましたが、私はアロマンティック・アセクシャルを自認するシス女です。川野さんのお話にもありましたが、私も私にとってのスタンダードはアロマンティック・アセクシャルなため、世界中の人間とキャラクターが“そう”であるのだと思っていました。だから、どうやら世界には私の理解の範疇ではない感情=恋愛感情と、感覚=性欲が本当に存在する、という事実を、今でも理解はしても納得というか咀嚼することは、心のどこかでできていません。
私のイラスト創作における看板娘的なキャラクターとして、天使の少女ガガと悪魔の少女ギギがいるのですが、彼女たちもAro Aceですし、誰ともそういう関係になりません。私のつくるキャラクターは言及がなければAro Aceであることが多いです。……それが私の“普通”なので。

私は音楽をベースに、イラストを描いたり文章を書いたり、短歌を詠んだり動画を作ったり、いろんな創作活動に手を出しています。私は自分の創作で一番大切にしているのは“おもしろい”という感情で、特に音楽はとにかくおもしろい音楽を作りたくて作っています。その時にあんまり自分の所謂個性とかそういうものを出そうとは思っていなくて、むしろこれ世の中にとってもおもしろいだろ…そうだと言ってくれ…という思いで作っているのですが。
ところで、幸い私の家族は理解があり、職場でも特に「結婚しないの?」とか言われたこともなく、自分がAro Aceであって困ったことは今までの人生の中でないので(大学やバイト先の飲み会でちょっと困ったくらい)、それを創作に絡めようとか題材にしようとか全然考えていなかったのです。
でも、恥ずかしながら二次創作のカップリングをきっかけに、私の感覚ってちょっとずれてるのかも、とか、逆に世の中にはAro Aceでそのあたり踏み込んだ創作作品を読みたい人もいるんだな、と思って、それが私にしか書けない感覚であるのなら、オリジナルではそういう作品を書いてみようかと考えるようになりました。
川野さんと山内さんが、「もっとマイノリティを描く作品が増えれば、マイノリティを描いた作品の中で暗いお話・ハッピーなお話といったいろいろなお話をかくことが・見ることができる」というような内容のことをおっしゃっていたように、私も、これから文章の創作の中でAro Aceみのある作品も作ることができたら、と思います。

▽おわりに

まずは、トークイベント内でおふたりが紹介されていた本や映画を見てみるとか、まずインプットが重要だと思いました。たくさん考えて、書いてみて、それで何か自分の中でよいものが出て来れば、そしてそれを読んだ方になにかしらを渡せたら良いな、と思います。

また、川野さんと山内さんがおっしゃっていた、マイノリティのための読書会などの集まり、もしどなたか開催されるならとても参加してみたいです!一度でも良いのでAro Aceの方と、創作や感覚のお話をしてみたいと、ずっと思っています。

ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。

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