【京大吹零会 起業家インタビュー】株式会社illdefined 時津 遼資さん 工学部 2018年卒
学生時代のこと。
僕が京大を目指した理由は、大阪出身で家が近かったことが大きく、金銭的にも国公立が適していたからです。特に、大阪から京大へ通学することで生活費を抑えられるという現実的な理由がありました。また、京大の自由な校風や学問の質の高さにも魅力を感じていました。高校時代、京大のオープンキャンパスに参加した際、教授や先輩たちの自由な雰囲気に触れ、この大学で学びたいと強く思いました。
入学した学部は工学部で、物理工学科の機械システムコースで物理系の勉強をしました。学業に関しては、まずは基礎的な工学の知識をしっかりと身につけることから始めました。特に印象に残っているのは、量子物理の授業です。機械学習やニューラルネットワークを用いたデータ分析を行いました。この研究では、膨大なデータを扱いながら、その中から意味のあるパターンを見つけ出す作業が非常に興味深かったです。
学業外では、さまざまなサークル活動にも積極的に参加しました。特にダンスサークルや軽音と。瀧本ゼミでは、経済やビジネスに関する知識を深め、投資や企業分析に関するスキルを磨きました。特に、滝本ゼミで行った企業の財務分析は、実際のビジネスの現場で役立つ知識を得ることができました。
さらに、京大内にある工房では、3Dプリンターやレーザーカッターを使ってものづくりをする機会に恵まれました。例えば、大学祭の展示で使うオリジナルグッズを作成したり、プロトタイプを製作したりしました。この経験を通じて、アイデアを形にする喜びを知り、技術の実用性を実感しました。
就職活動については、大学在学中に友人からの話を聞いて興味を持ち、アメリカのソフトウェア会社のインターンに参加しました。インターンでは、実際のビジネスの現場でデータ分析を行い、その結果を基にした意思決定のプロセスを学びました。インターン期間中に参加したプロジェクトでは、大手企業のマーケティングデータを分析し、効果的な広告戦略を提案する機会がありました。その経験が非常に面白く、そのままAPに就職することになりました。最初の会社APでは、因果推論や計量経済学を使ったデータ分析を行い、企業の意思決定をサポートする仕事に従事しました。具体的には、企業が意思決定を行う際にエビデンスに基づいた分析を提供し、その効果を測定するというものでした。この仕事は非常にやりがいがあり、統計手法やデータ分析の重要性を学ぶ貴重な機会となりました。
その後、データ分析だけでなく幅広いシステム開発やAIに興味を持ち、別のアメリカの会社で働きました。この会社では、さらにシステム寄りの仕事に従事し、AI技術の実装や応用について学びました。この経験を通じて、データサイエンスだけでなく、広範な技術スキルを身に付けることができました。
起業のこと。
その後、フリーランスとして独立し、さらに新しい会社を設立しました。フリーランスとしての期間は、自分のスキルを最大限に活かし、多様なプロジェクトに取り組む貴重な時間でした。例えば、スタートアップ企業のデータ分析プロジェクトに参加し、企業の成長戦略をデータに基づいて提案したり、大手企業のマーケティングデータを分析して新しい市場戦略を立案したりしました。
直近では、別の創業者とともに新しい会社を立ち上げ、企業の予算と実績の管理を支援する仕事をしています。この仕事では、企業が予算達成を目指し、パフォーマンスを向上させるための支援を行っています。
新しい会社では、予算と実績の管理に焦点を当てており、特に中小企業やベンチャー企業の支援を行っています。これにより、企業が予算の達成を目指し、効率的にリソースを活用できるよう支援しています。具体的には、予算と実績の比較を行い、どのような施策が効果的であるかをデータに基づいて分析しています。これにより、企業は効果的な意思決定を行うことができ、パフォーマンスの向上につながります。例えば、ある中小企業では、新製品の市場投入に際して、過去の販売データと市場動向を分析し、最適な販売戦略を提案しました。この提案に基づいて、企業は販売計画を修正し、結果として売上を大幅に伸ばすことができました。
社会の課題としては、中小企業が予算管理をしっかり行うことでパフォーマンスを上げ、日本全体が元気になることを目指しています。特に、日本の中小企業やベンチャー企業は、予算管理が十分に行われていない場合が多く、その結果、計画通りの成果が出せないことが課題です。これを解決するために、私たちは予算と実績の管理をサポートし、企業が効果的にリソースを活用できるよう支援しています。
20代ですべきこと。
情熱を傾けられる「敵」を見つけることが重要だと思っています。これは茨木のり子さんの詩『敵について』からインスピレーションを受けた考えです。「これを倒したい=この課題を解決したい!」と思うもの、自分が全力で取り組む対象を見つけ、それに情熱を注ぐことが大切だと感じています。この「敵」は、企業での仕事や個人的なプロジェクトなど、何でも構いませんが、それに全力で取り組むことで自己成長や達成感を得ることができます。
若い頃に持っておくべき心構えとして、この「敵」を見つけることを心掛けていました。自分が情熱を持てる対象を見つけ、それに全力で取り組むことで、多くのことを学び、成長することができました。
これからも、企業の支援を通じて社会に貢献し、自分自身も成長していきたいと考えています。情熱を持って取り組むことで、多くの人々や企業に良い影響を与え、社会全体を元気にすることを目指しています。情熱を持てる対象を見つけ、それに全力で取り組むことが、自己成長や達成感を得るための鍵であると信じています。
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