児童英語教育における文法について(15日目)

文法の教え方

基本的に高学年になるまでは文法を教えることはよくないとされています。それは低学年の子供は耳で英語を吸収する力が強いため、どんどん耳から英語を覚えた方が効率が良いからです。また文法的な表現は教えたとしても理解するのが難しく、英語が楽しくなくなってしまう恐れもあります。ただ、高学年なってくる逆に耳から覚えるよりも論理的に教えた方が理解が深まることがあります。

教える時に気をつけることはまずは文法のルールからではなくて、それを使用する場面や例を複数用意し、帰納的に理解させることが大切です。多くの文を覚えて最後に知識を整理するために文法のルールを教えます。

小学校の子供ではあれば文法的な表現は控えます。例えば比較級、過去形、完了形といった言葉です。比較する時に使用する言葉というくらいにとどめておきます。これも英語を難しくしないための工夫となります。

また最後に発表することも大切です。何度も言っていますが、英語は道具です。使い方を覚え何に使っていくかが重要です。使うことは英語の理解につながると思います。

指導者の役割

子供はなんでも好奇心から入っていきます。その好奇心を指導者は学ぶ楽しさに変えていかなくてはいけません。

指導者から子供の良好な関係だけではなく子供と子供の間の関係も良好でなくてはなりません。子供との信頼関係を構築し、子供の潜在的な能力と、創造性を引き出すのです。

信頼関係を構築するには先生側に能力が必要になります。それは専門的知識です。ここでは英語のことになります。もう一つは、人格的特性です。これは子供対しての愛情と学んで欲しいという情熱を持つことです。子供は大人以上に大人をよく見ているので、どんな大人なのかを敏感に感じとります。

信頼関係を上手く構築することができれば学習も上手くいきます。嫌いな先生に教わるよりも好きな先生に教わる方が覚えようとする気になるからです。

また、ピグマリオン効果というものがあります。これは指導者が子供を優秀だと見ているか、そうでないかで子供の成績が変化するというものです。優秀だと思っていた子供の方が成績が良くなるそうです。これは教師が無意識のうちにその子を信頼し、肯定的な意見が多くなったり、褒められる場面が増えるからと考えられています。

教師の先入観や考え方で子供成長が変わることをしっかりと意識して教育を行わなければなりません。

ただ、気をつけなければならないのが子供との信頼関係を築くあまり友達のようになってしまうと上手くいきません。
指導者は大人としての権威を持つことが大切です。褒めるときは褒め、怒る時はしっかりと怒ります。褒めすぎれば友達になりすぎてしまいますし、怒れば怖がられてしまいます。バランスが大切です。特に初めの2ヶ月で関係が出来上がってしまうので、初めは特に気をつけなければなりません。ここで失敗すると一年間は上手くいかないそうです。

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