見出し画像

接ぎ合わせのイヤカフの作り方


切り出し


長方形の組み合わせで、市松模様に仕上げたイヤカフ。
今回の素材の四分一銀は加工し辛い銀合金として一寸有名。
硬くて、割れやすく、融けやすい。

そんなSV950と四分一銀、両素材を切り出して行く。
2行4列のパターンなので、真ん中の4つだけ幅を揃えれば良い。
後は1mmくらい多めにマージンとって、垂直だけしっかり取れば、接ぎ合わせ自体は上手く行く。
そんなわけで、真ん中4つ分のSV950と四分一銀の幅を揃える。
誤差は0.05mm位に納める。
でないと、隙間が出来て、見栄えが悪くなる。

許容範囲の誤差は2枚重ねて、横をノギスで挟み、落ちない位に仕上げる。

面だし

もちろん、接着する面は垂直にし、しっかり面だしをしておく。
ここで斜めになっていると、接ぎ合わせは出来るけど、ロウ目が目立ってよろしくない。

仮止めしてチェック

パーツの切り出しが終わったら、並べて一度仮止めする。
下から光を当てて、隙間をチェック。
完全に隙間を無くす事は無理だけど、せめて髪の毛分位の隙間はなくしたい。
先にも書いたが、ロウ目をできるだけなくしたいのだ
特に四分一銀は煮色仕上げするので、非常に目立ってしまうのだ。

納得行くまで整えたらロウ付け。
素材に四分一銀がある為、5分ロウ以上でないと母材が溶けてしまう。
ロウ付けの後は酸洗いをして、余計なフラックスを落とす。

ロウを削る

酸洗い後は余計なロウを削る。

因みに、力ずくでガリガリ削っていると、削れた銀ロウが母材に布目象嵌したみたいになる事がある。
なので、テンション上げすぎないように落ち着いて削る。
テンション上がりすぎてしまうため、bgmにメタル禁止。

形成

両面を削ったら、工房の刻印を入れ、形を調えて行く。
内側になる端は深目に削り、角を出来るだけ無くす。
こうすると耳にはさみ入れる時、肌を傷めない。
逆に表側は表面を見せたいので、軽く面取り。

曲げ加工

叩いて丸く曲げていく。
素材自体の硬さもあるが、接ぎ合わせなので力ずくで曲げられない。
無理すると繋げた部分が割れたり、素材にヒビが入ったりする。
四分一銀は特に割れやすい。

そのため焼きナマシ。

表面を削る

形を整えたら、表面の面出しと磨き。
ここで先にも書いたが、力ずくでガリガリ削っていると、削れた銀ロウが母材に布目象嵌したみたいになる事がある。
なので、テンション上げすぎないように落ち着いて削る。

この面だしが仕上がりを左右するので、丁寧に。

脱脂後煮色

一度鏡面まで磨いた後、サテンの艶消し加工をする。
鏡面化まですることによって、火ムラや歪み、後につけるツヤ消しの均一化がはかれる。
火ムラや歪みが見つかったら、ヤスリがけからやり直し。
今回はスチールタワシでツヤ消し加工。
中性洗剤を付けて擦り、傷を付けて行く。
終わったら、重曹で脱脂。
更に、大根おろしに漬け込んで、指で擦りつける。
熱した煮色液に突っ込んで好みの色になるまで煮込む。
いれっぱなしだと色にムラが出るので、軽く動か黄かしながら20分くらい。
乾燥させて完成。


完成

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?