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私が守りたい宇宙人と火山のお話

※この記事はVOLCANO発表当初に書いたものです。
後にハンジソンくん自身で作った曲の解説をしてくださってました。
私の解釈が、ハンジソンくんの思惑通りでは無かったとしても、音楽を受け取って、それを鑑賞するのは私たち受取り手の自由で、それが作り手を救うことすらあると、私は物語を紡ぐものとして考えます。どうか、ハンジソンくんが世界中の様々で起きている火山の噴火の中から、きらめく宝物を見つけられるように、そっとお祈りしています。

ハンジソンくんという男の子を好きな理由はいくつかあって、何が一番私の中で秀でているのかを説明することはとても難しいなと思う。パラメーターで示すとするならば、私から見ると彼は全ての値がMAXになっていて、欠点すら愛おしい、と思ってしまうほどには愛着を抱いているからだ。

2/11・12と彼の所属するアイドルグループ"Stray Kids"はさいたまスーパーアリーナでコンサートを行った。本当はその参戦レポートを書こうと思っていたのだけれど、それはまた後に回そうと思う。

ハンジソンくんは2/13 0:00、自身のソロ曲を初公開した。今日はその時の気持ちを感情が色褪せないうちに綴っていこうと思う。勢いで書いている部分がほとんどで、歌詞の読み込みが足りていない部分があるかもしれないけれど、あくまで初めて聴いた今の感想を残しておきたいという整理のためなので、温かい目で見守っていただきたい。

タイトルはVOLCANOだ。日本語に翻訳すると「火山、噴火口」といった意味がある。

公式に記載されていた日本語訳を読んで咀嚼したまでの要約は、『僕を照らしてくれる溶岩をもてなす君が、どれだけ火傷をさせるくらいに熱く他の人が離れていったとしても、僕だけはその明かりが無いと生きていけないからそばにいて君の全てを守るよ』というものだと思う。

私は当該曲を聴いて一番に思い出したのは、同じくハンジソンくんが作ったAlienという曲だった。


2021年1月29日、つまりほとんど2年前に発表された当該曲の歌詞は、幼いハンジソンくんが感じた他者との意思疎通を上手にこなせない時の心境を『僕は地球に落ちてしまった宇宙人だから、どんなに笑ってみせても孤独だ』と語ったものだった。

幼い頃。つまり練習生時代の彼が、高校に通わない選択をして、事務所に所属してデビューのために切磋琢磨していた頃の孤独を思うと、私はいつも胸が痛くなる。彼自身の活動の様相を見るに、おそらくハンジソンくんは他者との関係の構築に時間を要する子なんだと思う。壁を一枚隔てている感覚で、本音の部分は打ち明けず明るく振る舞っているように見える。本質の部分は読み取れないけれど、「もう無理しなくてもいいんだよ」と、何度も何度も声をかけてあげたくて、胸が苦しくなって、だけど彼のアイドル性を享受して癒やされている私にそんなことを言う権利はなくて、いつももどかしかった。

そんな彼が、それでも夢のために自身の溢れ出る才能をうまく乗りこなしながらデビューを目指していた時、本当に孤独な夜を何度も過ごしたのだなと思う。すると勝手に泣けてしまうのは、自分自身の人生の辛かった部分を重ね合わせているからで。ハンジソンくんのことを思うと、自分のことのように大切にしてあげたくて、そんな資格はなくて、いつも非力さを感じていた。

デビューから幾年が経ち、Alienの発表から2年。

彼が発表したVOLCANOという曲は、荒々しい、激しいタイトルからは想像もつかないほど穏やかで優しいメロディで。けれど、徐々に盛り上がりを見せ、その頂点に達した頃合いのサビは火山の噴火のように激しく激情を歌っていて、まさにタイトル通りの音楽だった。

初めて聴いた時の私は、「これを歌われたかったのは彼自身じゃないか」と泣いてしまった。Alienで見せた彼の心の底にある冷たい孤独に触れていたから、彼の心細さを思うと「君が強くある必要はないのに」と勝手に切なくなってしまって。

何度も何度も歌詞を見ながら曲を聴き返して、音の一つ一つを取りこぼさないように胸に刻みつけて、ようやくついた整理は、これは「今のハンジソンくんが、過去のハンジソンくんへあげたプレゼント」だということだった。

「君なしでは生きていけない 僕は死んでも君しかいない」
「僕が輝くように照らしてもっと黒い夜も」
「守るよ 痛くてもいい、君を抱きしめるよ」

いくつかの歌詞を読んだ時、「今」の彼が輝いているのは「あの時」の彼が傷つきながら生み出した音楽や成果の全てが照らしてくれているからで。「今」の彼は「あの時」の彼を、根拠を持って守ると言っているのだなあと思って。

「あの時」の君なしでは「今」の僕は生きていけない(=存在しない)、「今」の僕は死んでも「あの時」の君しか残らない(デビュー前の孤独な自分しか残らない)
圧力に耐えきれず火山は噴火したけれど、噴火して存在を主張したおかげで「今」のハンジソンくんはいるんだと、だから火山である「あの時」のハンジソンくんを守ってくれるのは「今」のハンジソンくん自身なのだなあと思う。

けれど、じゃあ「今」のハンジソンくんは誰が守るの?彼は「あの時」のハンジソンくんから地続きの彼で、全部同じハンジソンくんなのだから、孤独が癒えるわけでもないのに、と思うと。

やっぱり、ハンジソンくんのそばで、彼の生み出す激情的な音楽も、刺激的で毒々しい音楽も、泣きたくなるように美しい音楽も、全部全部聴いていたいと思う。

だから私は今夜、VOLCANOを聴いて涙を流して、彼の活動をいけるところまでついて行って、守りながら愛したいなあと思うばかりだった。


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