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「戉」「戊」「戌」「戍」、詳しく調べてみた②

水切(すいぎり)と申します。
「戉」「戊」「戌」「戍」、詳しく調べてみたの続きです。

※すぐ始まるので、①を見てからの閲覧を推奨します。

②戊

まず、zdic.netで「戊」を検索してみましょう。

(1) 天干的第五位。方位属中央 [the fifth of the ten Heavenly Stems]。又与地支相配,用以纪年或纪日。
如:周共和九年为戊辰年
(2) 古代以十干配五方,戊居十干中,因以指中央 [centre]
五六者,天地之中合。——《汉书》
(3) 指代土 [earth]。
如:戊己(指一旬中的戊日和己日;古以十干配五方,戊己属中央,于五行属土,因以戊己代称土) ;戊方(戊己之日)

https://www.zdic.net/hans/戊

これをDeepL翻訳で日本語に翻訳します。

(1) 天の茎の5番目。 十天の五番目。 そして、地球の枝で、年や日付を記録するために使用されます。
例えば、周の九年は武則天の年である。
(2)古代では、十の茎は五方位と一致し、十の茎の五番目は中心[center]にあった。
五と六、天と地が真ん中にある。 --漢書
(3) 大地を指す。
例えば:呉熙(eの日と自己の日の10日間を指します;古代の十幹五党で、呉熙は、地球の五行では、地球の呉熙生成のため、中心である);呉牙(日の呉熙)。

https://x.gd/MdTl7

誤訳と見られるものが多いですね・・・
まあ、頑張って調べていきましょう。

②-1 十干

まず、一つ目の意味から調べていきます。

(1) 天干的第五位。方位属中央 [the fifth of the ten Heavenly Stems]。又与地支相配,用以纪年或纪日。

英語が併記されているのでわかりやすいですね。
「天干」とは、日本語では「十干」と言い、甲・乙・丙・丁・・己・庚・辛・壬・癸の10種類からなります。
この用法は聞いたことがある方も多いんじゃないでしょうか。
また、それぞれの十干には「東・西・南・北・中央」の5つの方位が割り振られており、戊には「中央」が割り振られています。

DeepLは誤訳してしまっているのですが、「地支」とはなんのことでしょうか。
Wikipediaで調べてみると、

十二支(じゅうにし)は、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の総称である(それぞれ音訓2通りの読み方がある:下表参照)。十干を天干というのに対して、十二支を地支(ちし)ともいう。

https://ja.wikipedia.org/wiki/十二支

どうやら十二支のことを指すようです。初めて知りました。
そしてDeepLに「又与地支相配,用以纪年或纪日。」の部分だけ翻訳させてみると、こうなりました。

また、地球の枝と合わせて1年や1日を作る。

https://x.gd/r4Tx6

地球の枝=十二支なので、「十干と十二支を合わせて年や日付を表現する。」と言ったところでしょうか。
Wikipediaを見ると、確かに年や日付の表現が書いてあります。

説明するのが少し面倒な構造になっているので、詳しく知りたい方は各自でWikipediaを見てみてください。(説明放棄)
一応簡単に言うと十干は、西暦や日の数字下1桁が十干と対応しており、十二支は西暦を12で割った余りや月(moonではなくmonthの方)が十二支と対応していると言った感じです。

如:周共和九年为戊辰年

これは文例ですね。「共和九年(紀元前832年)は戊辰年だ」という文章だと思われます。

②-2 漢書

さて、2つ目の意味を調べていきましょう。

(2) 古代以十干配五方,戊居十干中,因以指中央 [centre]

・・・全く関係ないですが、イギリス英語なんですね。
アメリカと中国の仲が良くないからでしょうか。

これは既にさっき説明しましたね。五つの方位「東・西・南・北・中央」のうち、「戊」は中央であるという話です。

五六者,天地之中合。——《汉书》

これも文例のようですが、「汉书」は「漢書」(「前漢書」)らしいので、おそらく元となった文章があるものと思われます。調べてみましょう。

見つかりました!

夫五六者,天地之中合,而民所受以生也。

https://ctext.org/dictionary.pl?if=en&id=62941&remap=gb

DeepL翻訳で翻訳してみると、

その5つか6つは天と地の組み合わせであり、人々はそれらから生まれる。

https://x.gd/sRXg3

うーん。正直よく分からないです。
そういえば、古代中国では3次元空間での軸に数字をつけていて、y軸は上が5、下が6であったみたいなことがどこかに書いてあったはずなんですが、どこに書いてあったのか忘れてしまいました。(申し訳ないです)
知っている方がいらっしゃいましたらコメント等で補足していただけるとありがたいです。

②-3 ChatGPT

さて、3つ目の意味です。

(3) 指代土 [earth]。

DeepL翻訳では「大地を表す」となっていますが、[earth]という表記があるのでおそらく地球を指すのでしょう。

問題は文例の方です。

如:戊己(指一旬中的戊日和己日;古以十干配五方,戊己属中央,于五行属土,因以戊己代称土) ;戊方(戊己之日)

とりあえずこの文章のみをDeepLにかけてみます。

など:E丙(Eと丙の日の10日間を指します。5つの政党と古代の10ドライ、E丙は、地球の名前の代わりにE丙のため、地球の5つの要素では、中心である);E牙(日のE丙)

https://x.gd/RL9MK

_人人人人_
> E丙 <
 ̄Y^Y^Y ̄
_人人人人人人人人人人_
> 古代の10ドライ <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
_人人人人_
> E牙 <
 ̄Y^Y^Y ̄

・・・ChatGPTで試してみます。

戊己(一旬の中の戊日と己日を指します。古代において十干が五方に対応しており、戊己は中央に位置し、五行では土に属しています。そのため戊己は土を指す代名詞として使われます);戊方(戊己の日)

https://chat.openai.com/share/a42e08f3-82d2-48aa-af13-0c5fb2922c12

上手く行ったようです。

「一旬の中の戊日と己日」は、「日付の下1桁」が4なら「戊」、5なら「己」日となるという話です。②-2で説明放棄したところのWikipediaに書いてあります。
そして②-1でも解説した通り、十干のうち戊と己は「中央」の方角に位置します。
五行とは「五行説」(「五行思想」)のことで、「万物は火・水・木・金・土の5つの元素*からできている」という思想のことです。
(*ここでいう「元素」とは、いわゆる現代の(原子番号が振られている)「元素」のことではなく、「万物の根源となる要素」という意味です。)
十干にはこの5つの元素も割り振られており、戊と己は「土」が割り振られています。そのため「戊己」を「土」を表す代名詞として使うそうです。
「戊方」も、同じ意味だと思われます。

そういえば、甲骨文字を忘れていました。

https://hanziyuan.net/#戊

なんか扇風機の蓋を取ったみたいな見た目ですね。

2023/1/5 12:00
zdic.netのセキュリティが弱くなっているようで、アクセスできなくなっていました。internet archiveからアクセスしたのですが、もしかすると今後参考にするサイトを変えるかもしれません。

次回は「戌」です。乞うご期待。

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