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【『藝人春秋』書評】「芸能界を彩る怪人、名人たちの生きざまを描く 
絶句と感度に満ちたポートレート集」
BY.中条 省平


『THE MONTHLY MITSUBISHI』2013年4月号より
 

 水道橋博士は、玉袋筋太郎とコンビを組む漫才コンビ「浅草キッド」の一人だが、文筆活動にもオリジナルな才能を発揮し、タレント本50冊を論じた『本業』や、自分の健康オタクぶりを題材にした『博士の異常な健康』など、そのツッコミの鋭さで読者の笑いのツボを大いに刺激してくれる。

 博士はたけし軍団の一員でもあり、多くの芸能人と接し、また、ライブドアの元社長・堀江貴文などとも意外な交友関係を築いてきた。
 本書はそうした友人知人のなかから、危険なまでに特異な個性を振りまく14人を取り上げ、爆笑と絶句と感動に満ちたポートレート集に仕上げている。

 面白いことこの上ないが、それにとどまらぬ博士の深い人間観察が随所で輝いている。
 扱う面々は、先のホリエモンのほか、そのまんま東、元ブルーハーツの甲本ヒロト、草野仁、テリー伊藤、ポール牧、北野武などなど。
 興味津々の人選だ。

 みんな文句なしに強烈な人間像であり、この世にはなんとまあ色々な人間がいて、それぞれに重い業を抱えているのだなあと目を瞠らされる。

 例えば、稲川淳二の場合。
 情けないお笑いと怪談話で知られるが、彼には重度の障害を抱えた息子がいる。
 お笑い芸人は身内に不幸があっても人を笑わせなければならない。
 だが、彼は笑いのために自分の気持ちを殺すのをやめた。
 そして、息子との凄絶な体験を通して、この世に要らない命なんてないことだけを知ってくださいと訴える。
 ここには藝人の真実の瞬間が露呈している。

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【『藝人春秋』は永く読み継がれて欲しい一冊です】



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『藝人春秋①』文庫版 

(ボーナストラック)

 

・『2013年の有吉弘行』



(文庫解説)

 

・オードリー・若林正恭
 


 押印サイン本をおまけ

(変装免許証ブロマイドor缶バッチor江口寿史シール)

  付きです。

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