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24年6月3日(月曜)青柳監督と能登半島へ向かうが現地で地震発生。羽田に到着後に無念の撤退。

朝5時に青柳拓監督が
我が家を訪ねてくる。

今日から3泊4日で能登半島に入る予定だ。

「被災地へ入って欲しい!」
町山智浩さんの要請がそもそもの発端だ。
そして是非、青柳監督と、
現地の模様を撮影してきてほしい旨。

青柳監督とボクは「選挙と鬱」の
ドキュメンタリー映画(未公開)
以来のタッグチームだ。

ふたりで話し合って、
これから何度か被災地へ行くつもりだが、
今回は、あくまで最初の視察だ。

「61歳の腰痛持ちの博士では足手まといになる」
と以前、ボランティア志願した時に、
山本太郎代表に言われたエピソードを
伝えると、
「ボランティアの力仕事が出来ないなら
困っている人と話をするだけでもイイんだよ!」
と町山さん。

青柳監督は、
最新作のドキュメンタリー映画、
『フジヤマコットントン』が公開中で、
日本中を東奔西走中。
しかも日々のアルバイトも継続中だ。
日程調整して、
ようやく、この3泊4日が空いた。
スケジュールは過密だ。

「ボク、今月はインドも行くんですよ」
「映画祭?」
「はい」
「それボクも行きたい!」

旅の夢は広がる。

今回、映画としての予算は無く、
今のところ、寄付も募ってない。

(寄付に関しては、
被災地のどこに何が届けられるのかを
現地で確認してからにしょう)
という事で。

ふたりとも(会社でなく)
自費の折半で旅費を出す。
泊まり先も最終確定できて無いので、
車中泊すらも覚悟あり。

妻に珈琲を入れてもらって、
軽く日程の打ち合わせ。

5時30分旅立ち。
鷺ノ宮駅へ。

お互い大荷物だ。

青柳監督が
「銀河鉄道999」の鉄郎に見えてくる。

寝不足ながら、至って意気軒昂。
冗談が絶えない。(ま、ボクがだけど)

鷺ノ宮駅から高田馬場駅へ。

高田馬場駅から浜松町。

浜松町からモノレールに乗車。

つい2日前に、
Zepp羽田まで、「おとぼけビ~バ~」を見に
原田くんと行き帰りした道程。

モノレールに乗った途端に
車内に緊急事態警報が鳴り響く。

モノレールも動かなくなり、
緊迫状態に。

震源地が分かり、最大震度5強。

しかし、ものの5分ほどで
モノレールが動き出す。

震源地が能登半島沖であり、
我々の目的地は、まさに珠洲市だ。

4人がけの椅子の、
眼の前の老夫婦が我々の慌てぶりに
「どちらまで?」と
「能登半島の珠洲市です」
と答えるのを気の毒そうに眺める。

今日の能登行きのANA便に乗る人も
極めてわずからしい。
何時ものモノレールの車内、
外国人も多い。
観光気分の予感、
浮かれた気分のようなものが
薄れることはない。
地震もはるか彼方の出来事だ。

その間、刻々と事態が変わり、
余震発生なども確認する。
「これは無理でしょう」と嘆息。

そして被災地がまだ瓦礫だらけなのに、
さらに追い打ちをかけられ
建物が倒壊する様子を連想してしまう。

混乱は続くであろう。
「ぼくらが行ってもいいのかしら?」
と議論が続く。

第2ターミナルまで辿り着き、
3番時計前の椅子に腰掛け、
2人で話し合い。

現地の目的地である、
あみだ湯に連絡を取り、
現況を聞く。

ボクはボランティアではなく
視察で行く目的だったが、
視察ですらも今は、
迷惑になるのではないか?
そもそも、この旅の明確な目的は何なのか?
映画なのか?
映像をYouTubeに残すのが目的なのか?

などなど話し合いが続くうちの、
搭乗時間が近づいていく。

妻とのLINEグループもあり、
ボクが過度の精神的負担を抱えず、
くれぐれも無理しないように
アドバイスされる。

一度は、今回は見送ることに決まったが、
青柳監督から、
「博士は今日のところ、一度撤退してください。
博士と違って、ボクは顔バレもないので、
問題になりようもないので、
ひとりで向かいます。
映像はまだYouTubeにはあげません」

そして、ボクも結論を出す。
「今回は断念しよう」

2人で握手をして分かれる。

大荷物を持ったまま引き返すが、
ひとりで羽田空港の連結や導線を見て回る。
次に向けての勉強、勉強。

ほぼ貸し切りの
各駅停車のモノレールに乗っても、
「撤退」嫌いなボクとしては、
今の状態が不本意でもあるし、
もろもろと思考が堂々巡りしてしまう。

浜松町から山手線に乗り換え、早稲田へ。
早稲田から鷺宮駅へ。
駅から歩いて帰って
誰もいない我が家に帰宅。

4時間かけて
大荷物を移動させただけだ。
かなり虚しい。

青柳監督は無事到着し、
珠洲市は被害状況は少なく、晴天。

集会の取材などの様子を送ってくれる。
そして、れいわの山本太郎代表が
既に現地入りしているとのこと。
さすがだ。

11時半より。
『ラジオビバリー昼ズ』の生放送を聞く。

中山秀征さんゲスト回。
ナベプロの音楽とお笑いの融合の歴史が
最高にいきのあったトークで語られていく。

半分、眠りながらも、
精神的落ち込みが急降下になってきた。
この波は何度も経験がある。

空いた4日間に映画や三又又三の単独舞台やらの
予定を組むのだが、ずっと忸怩たる思いが消えない。

夜、青柳監督が、
明日のプランを示してくれた。

一度は諦め、
4日間を休養するつもりだったが即決。

俄然、立ち直った。

妻と相談しながら、
明日のANA便を予約する。

ひとりで行こう。

12時には、就寝。

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